勇者の行方・1
「カヒラは止めとこう。大変な事になっているらしいぜ。」
ハーレスト国境線街カタルの冒険者ギルド近くの酒場にごっつい二人は地図を見て悩んでた。
「政治なんか冒険者に関係ねえじゃん?」
「アホ、戦争が始まったら出れなくなる可能性はあるぜ。それに、無理矢理軍人に抜擢されるかも知れないよ。低い給料で戦場で戦わなくちゃいけないのはごめんだ。」
「じゃ、帝王国か。それが一番安定だろ。」
「どうだか。帝王国は何かやらかしている雰囲気だ。カヒラ王太子の婚約者を盗んで皇太子と婚約させて、カヒラを経済的に脅したりして。お前も昨日の話聞いただろ。皇太子が恋結び祭りの夜を修羅場にした。何十人の被害者が出たって。」
「そりゃひどいぜ。流石【恐太子】って感じーー」
「その話、詳しく聞いていい?」
20代後半の爽やか男性が話に割って来た。
冒険者には珍しい優しい笑顔と黒目黒髪のちょっと華奢な体格はこのボロ所に目立ってた。
「おめえ誰だ」
大きい体の冒険者二人はその男を睨んで脅したが、全く効かなかった。
「勇者だ。」
ーーー
招きされてからおよそ10年。リク・ミヨタはこの世界を旅して平和を守った。SS級怪物は日常的に倒して、たまに王子やらと組んで悪党を潰したり、誘拐された姫たちを救ったり、色んな事をした。だが、お礼は要らなかった。これはリクの宿命だから。
カヒラ王国にはもう四年ぐらい帰っていない。それはアリスがそこにいるから。リクと同じ異世界人で、彼の最愛の人。一生熟成しない悲しい恋は何時も彼の心に閉まっている。彼女を見たら、我慢出来なくなるから、カヒラに帰らないと自分に誓った。ロミオットとジュリアの様な悲劇にならないよう、リクはカヒラの為に、いやこの世界の為に、彼女の側から離れた。だからどんな国のお姫様でも、どんな冒険者パーティーの色気満々なお姉さんでも、惹かれない。一夜二夜の迷いがあっても、結局彼女を忘れなくて別れるしかない。
自分の気持ちを消したいが、それは出来ない。いくら「責任を取れ!」や「ふざけないで!」と言われても、リクの心は決めている。彼女達の魅力に一秒惹かれても、それは最愛に比べられない。
そして、最愛の人は今困っている。彼女が愛している国がピンチ状態。最愛の人を助けない勇者はもはや勇者ではない。アリスは娘のように可愛がってたミランネ嬢ちゃんを魔王子から助けなくちゃ!
短くてすみません。
男は皆問題だらけ。。。
アリスは何やらかした?




