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魔嬢様の遊び  作者: たんぽコロ
2ー魔嬢様の賭け事
19/44

魔嬢様の格闘ゲーム・ラウンド1

今日は久し振りに外出しないといけなかった。

魔帝王の呼び出しじゃない理由で邸宅を出たのは二週間ぶりかも。


「お嬢様、到着です。」


魔動車は止まった。エルは先に降りて、日傘を開いてくれた。


賑やかな音が聞こえて、足をつい止めた。


ハア。行きたくないな。


帝王国に来てから、社交イベントをなるべく避けてた。


前は任務のようなものだった。社交をほぼ無視するアリス様の代わりに、貴婦人や婦女子の取締役は私がやらないといけなかった。


流行の最先端にならなきゃいけない。流行り物の感想を常に持たなきゃいけない。誰が誰と揉めて、仲が良くて、嫉妬して、会ってたりしたかは把握しないといけない。


もう飽きた。


操りには大切な情報かもしれない。ただ、目的はいつも現状維持で、何も変わらない。服の色や形がかわっても、中身はいつも腐った歪んだ糞野心家。


貴族は全体的にダメではない。ただ、社交を積極的するものは面倒な奴が多い。だって、まともな仕事人間はそんな暇ない。


でも、今私はルイン侯爵だ。上位貴族ではあるが、上はある。そして、その上の公爵家の者たちは私をよく思っていない。


全部アズ兄のせいだ。


だって、急に出てきた田舎国の婚約破棄された娘と婚約した。そりゃ風にあたるわ。


今この帝王国の権力と魔力のトップは魔帝王の次にアズ兄だ。上位貴族は帝王を釣れないまま、この数年アズ兄を狙ってた。彼のきつい毒舌は社交の令嬢達を秒殺したと思う。アズ兄は女にあんまり容赦しないから。姉のせいだと言っている。


だから、今の帝王国社交は敵だらけ。アズ兄に傷ついた令嬢、アズ兄を狙い続けた令嬢、その令嬢達の親戚、そしてルイン家の復帰・増強に喜ばない人たちが周りにいる。


「招きいただいてありがとうございます、ペレニア夫人。」


綺麗な営業スマイルを作って、お辞儀した。


「あら、お久しぶりすぎて一瞬誰なのかわからなかったわ。ごきげんよう、ルイン侯爵。今日のお茶会を楽しんできて。」


「そうさせて頂きます。」


私みたいな馬の骨の様な女を呼んであげたから感謝しろって言いたい訳?

研究を休止してここに来たんだ。断れない呼び出ししやがって、社交女王をぶっていい気になってんの?


ペレニア公爵家の使用人は私を庭に案内した。

チラチラとこっちを盗み見た。ちゃんと仕事しろ。

下僕はあんな主に似ないで欲しい。


ペレニア邸宅の庭は広い。色んな部分に分けられて、今旬の淡いパステルの花が溢れる所にいくつのテーブルが設置した。


「こちらでございます。」


案内した席には手書きネームカードがあって、間違いなく私の席だった。他の人を見て、そうきたかと思った。


このテーブルの人達は伯爵家や男爵家が多くて、一番地位近いのは貧乏侯爵家の末娘。これは私の居場所だと証明したいんだ。へぇ。


「ごきげんよう、皆様。ご無沙汰ですね。」


笑顔で挨拶して、エルが引いた椅子に座った。ペレニア家の使用人がしようとしたが、エルが警戒して割入った。


「お久しぶりです、ミランネ様。模様替えは無事終わりましたか。」


質問してきたのはヤーラ・アニューラ。例の貧乏侯爵家の。


「えぇ、お陰様で。」


「では、来週の初演をご覧になりますか。」


「どうでしょう。アズール皇太子の気分によりますわ。」


「あら、男性のエスコートがないとオペラハウスに行けませんか。カヒラ貴族の礼儀は厳しいですね。」


「ホホホ、違いますわ。アズール皇太子を邸宅においてオペラを見に行くのは失礼ですから、彼の気分次第です。」


嘘じゃない。アズ兄は8割夕方に来ます。来たらオペラに行くかどうかは彼次第。来ないならそれで選択が私に戻って、行かない。つまり、彼の気分によります。


ヤーラはしつこくアズ兄を狙ってた。この反撃は一番響くはず。

はい、面食らった。


交代がきた。見事な赤毛のシーゾン伯爵若夫人。


「あ、婚約おめでとうございます、ルイン侯爵。皇太子妃になるのはいつ頃ですか。年内だと噂されています。」


ハハ、ぶつかって来たね。デキ婚疑惑。


「結婚は魔帝王様の判断によりますね。少なくとも今年では難しいですわ。」


アズ兄は頑張っているが、本当に無理かも知れない。養子もあり得るけど、今有望な子供が見つからない。早く妊娠して、アズ兄を皇太子の座から降ろさせてくれ~。皇太子妃はイヤ。こんな糞連中の天辺に立つのはごめんだ。


「イヤでわなくて?長い婚約は破格になる確率は高いでしょう。」


フェイントだったか。黒歴史に攻撃された。


「望まない結婚よりましと思いますが。」 


お前の夫のようなクズ野郎と結婚するより一生独身がいいにきまっているわ。


あら、もうダウン?あんまり手ごたえ感じなかった。


他の令嬢達は動揺している。


ちなみに、お茶会には数人の男も参加しているが、このテーブルはない。女の戦いを男性に見せたくないか。


「ルイン侯爵、庭に散歩をするわ。付いてきていいわよ。」

帝王国は決して楽園ではありません。


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