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魔嬢様の遊び  作者: たんぽコロ
1ー魔嬢様の人形遊び
16/44

魔嬢様の人生ゲーム遊びー1

ミランネ視点です。

ルイン邸宅はこの一週間、かつてないほど慌しかった。新しい主がやっと来てたら、何故か皇太子と一緒だった。明らかに主にメロメロで、甘々な雰囲気は常に二人の周りにあって、彼は度々邸宅に寄ってきていた。

ただ、それは邸宅の使用人にとってストレスの原因だった。新主は普段から厳しいのに、皇太子の厳格さは帝王国に有名だった。その方がひょっこりやって来て完璧な接客をしないといけないのは使用人に悪夢を再現したような事だった。それがほぼ毎日行われると、邸宅は胃薬不足になっていた。


その現状に、一人の使用人が主の任務室のドアをノックした。


「どうぞ。」


「失礼します。来客がお見えになりました。」


「あら、アズール皇太子なの?今日は忙しいと言ってたのに。」


「いえ、男女ペアの二人組です。乗馬で来て、冒険者風の服装をしています。」


「あら、思ったより速いわね。通していいわ。」


「どちらの部屋に案内しますか。」


邸宅にはいくつかの来客用のサロンがあって、身分や関係によって使い分けていた。


「いつもの部屋で良いわ。」


それはアズール皇太子がいつ来ても案内出来る部屋だった。たかが冒険者二人に帝王族並の接客をすると言う疑問が使用人の顔に現れたのか、主は言葉を足した。


「彼女は一応カヒラ王妃なので。前に化粧室を提案した方がいいと。」


「!!ハイ!畏まりました。失礼しました。」


ドアが閉まって一人になったミランネはしばらくしてからデスクから立って、窓に移動した。丁度内側のゲートに二人が到着した。伝言が伝わったようで、スムーズに通行した。


「さてと、これはどうなったのか。。。」


ミランネは密かに微笑んだ。



鳥のサロンに入ったら、見慣れた顔がこちらに向いた。


「お久しぶりです、アリス様。」


「お久しぶり、ミランネちゃん。元気にしてた?」


「はい。お陰様で楽しく過ごしています。」


アリス王妃の後ろに控えている男はミランネの言葉を聞いて眉間にしわを寄せた。


「あら、騎士さん。大丈夫ですよ。嫌味ではなくてよ。アリス様が息子の暴走を止めなかったのは私の為でした。」


「成人した息子が自ら墓穴を掘る事を見て呆れたわ。結婚したらミランネちゃんは娘になれたのに、両方とも幸せになれないと思ってどうにも気に食わなかった。ミランネちゃん以外の事では冷静に判断できるのに、何故かしら。」


「さぁ、私は何とも。」


「ミランネちゃんにも問題あったわね。明らかに構ってほしい彼をいつもスルーするのは大の原因だったのよ。好きになれたら良かったのに。」


「感情はそう簡単に操れるものではないですわ。利用するには最適ですが。」


「ミランネちゃんらしいね。」


王妃は前に置いてある紅茶を飲みながら笑った。


「アリス様はどうですか。騎士さんと想いが通じ合ったようですね。」


あら、紅茶を吹き出す王妃は久しぶりに見た。後ろの騎士さんも面白い表情をした。驚き5割、嬉しさ3割、心配2割かな。


「ミランネちゃんの情報源が気になるわ。」


「情報源と言っても、ただ二人を見てオーラはかなり混じり合っている事だけですわ。前々から気になってたんですもの。アリス様はいつも彼を見てたのに何の接触点がなくて。」


二人は揃って赤らんだ。


「ミランネちゃんの魔眼がそこまで見えるの?」


「一回ぐらいならあまり分からないんですけど、ここまでだと流石に。」


「ミミランネちゃんの方こそ気になるわ。会場にいた人達が言ってた皇太子さんと上手く行ってるの?」


話を反らしましたね。


「えぇ、まぁ。再来週、婚約を発表する予定です。」


「あらまぁ、早い事。」


「一ヶ月の間を空けるのは通常なので。」


「それは発表だけわよね。つまり、もう婚約済んだでしょ。」


チェ、見通したのか。旅中、彼はしつこいと言うほど積極的に求婚した。3日ぐらい耐えたが、限界が来て受けた。


「さてと、本番に入りましょうか。」


「はい。


ミランネちゃんはカヒラに招き道具を返してもらえませんか。」


「タダでは出来ませんわ。


そうですね。


値段は一つ6百万金貨。まとめ買いで1千万に割引しましょう。」


「じゃぁ、そう伝えておくね。


。。。意外と高くないわね。」


「もう道具なしに招き出来ますので。あ、これもカヒラに伝えておいてくださいね。勇者・聖女を招きしても、こちらは彼等に還る選択を与えます。」


「え。還るって。元世界に?」


静かに聞くアリスは真剣だった。


「そうですよ。実は道具にその機能あったんです。知らなかったのかもしれませんね。他の機能を研究したら偶然見つかったんです。」


「それは、アリスさっまの事も?」


騎士さんは話に割って来た。面白い噛み方。


「出来ますわ。何十年経っても何時でも帰れます。どうですか、アリス様?」


「お断りするわ。」


「アリスさん!」


「幸せをやっと掴んだもの。彼を置いて二十年進んだ故郷に帰っても意味がないわ。」


もうこれだけメロメロだと思わなかった。


。。。だからオーラがほぼ同一になったんだ。


じゃぁ、試してみるか。


「二十年後じゃなくて、お招きした時点と場所に還せますよ。もちろん、その時の体で。残るのは記憶だけという感じだと思います。」


「!!」


それは響いたね。


「彼と幸せに暮らすのはどうにも難しいでしょう。カヒラに帰っても色んな修羅場を通り抜かないといけませんわ。騎士さんと駆け落ちしても、カヒラはそう簡単に諦めませんね。聖女がお招き出来ない現在、アリス様の価値が激急上昇です。子供達の価値も。」


勇者や聖女の血が流れる者は力も受ける事が多い。

だから勇者や聖女をハニートラップしまくって子供を作らせるのが普通だ。


「少ないとは言え、魔眼持ちは宮殿には何人もいるでしょう。これぐらいオーラが似てくると結構バレバレですね。子供を産んだら尚更。騎士さんは生憎容貌もオーラも父に似てないので、事情が分かりやすくなっちゃうんですね。カヒラ王は建前を壊すような真似はさせないと思いますわ。」


騎士さんは苦笑いした。


「ラ。。。ルイン侯爵も知ってたんですか。」


「はい。これは私の父から得た情報です。


アリス様、父との約束を受け継ぎます。逃げたいと思ったら教えて下さい。全面的に協力します。私は二人を殺したと言い触らせばカヒラは戸惑うでしょう。。」


「それは。。。」


アリスは姿勢を崩して、騎士さんを見上げた。


「えぇ、これはカヒラに戻れられなくなる選択ですね。放浪生活をしなくてはいけません。多分十年ぐらい消えれば問題はないはずです。いつバレるかわかりませんが。」


複雑な表情を浮かぶ二人。


これは。。。時間要るね。


「ごゆっくり考えてもいいですよ。使用人をドアの外に置いておきますので、何か必要だったら彼に言ってください。」


退場すると、首席執事のマイルズが待ってた。


「大変失礼いたします、ご主人様。皇太子様がお見えになっています。どちらの御部屋に案内しますか。」


「あら。じゃ、夜空の部屋に。私はちょっと準備したら向かうので、そう伝えてちょうだい。」


「畏まりました。」



昨日完成したサロンに行けば、アズール皇太子が真ん中に立って待ってた。


「ラン、お客が来た?」


「なぜそう思いますか。」


「この部屋に案内したのは鳥のサロンが使っているからだろ。」


「いえ、この部屋はアズ兄専用のサロンなので。やっと完成しましたからここに案内してもらいました。」


実に絵になるマッチ感。闇青と金は差し色になってて、それを引き立つ氷青色とクリームグレーを使用した。そして、壁にはお気に入りの夜空眺望の絵が飾ってあった。


「馬屋にいる二匹の知らない馬は?」


「私が所属している馬まで把握していますか。」


「ランが遠旅用の馬を所属していないぐらい分かる。で、誰?」


「んん、アズ兄が不機嫌になりますから言いたくないです。」


「ランが隠し事している方が不機嫌になるから教えて。」


アズ兄が近くに来て、私の腰に腕を回した。


うぅ、アズ兄に勝てない。その淡い空色の目が私を凍らして、体が変な所に熱くなる。これ、彼の魔眼の秘伝力なのか?!

あぁ、自信満々な笑顔がでた。


鼻先にチュッとキスされた。


「ね、ラン。教えて。」


「っカヒラの交渉代理人。」


彼は眉間にしわを寄せて、腕が強く抱き締めた。


「ランは帰らせない。」


「何処に帰すんですか。私の居場所()はここです。」


しわが消え、満面な笑顔になった。


「そりゃそっか。」


今回は唇にキスされて、体を寄せられ密着した。


アズ兄の熱が体を溶かしてしまいそう。


「ト兎に角、招き道具を返して欲しいって。」


何とか腕から解放して、話を続けようとした。旅の時に散々知らされた。それはやばい方向にたどり着くサインだ。


淡い青に金の模様の猫足ソファに座った。使用人達は常に紅茶とお菓子を用意したので、私はカップを取って深く飲んだ。


アズ兄は隣に座った。


「それは無駄じゃないか。技術はもう再現できたし。」


「カヒラは道具なしでは何も出来ませんから必要と思っているでしょう。今の状況は勇者・聖女を使っても治しませんし。まぁ、カヒラにはちょっと厳しいが払えるぐらいの金額にしたので、どうなるかは彼ら次第です。」


「|帝王国から見れば、カヒラに売らない方がいいと思うけど。」


「帝王族は買いますか。2つで1千万です。」


「防止用にしては高いなぁ。姉に相談して見る。

それはさておき、代理人は誰だ。帝王国に忍んできたよね。」


「王妃のアリス様と騎士さん。多分冒険者として入国しましたよ。」


「王妃。。。?聖女の?」


「えぇ、そうです。帰還するかどうかを悩み中です。」


「それは面白いな。する確率は?」


「前は4割だったが、今はもっと低いと思います。まだ選択肢を全部上げていないが。上手く行けば9割まで上がります。彼女の気持ち次第です。」


「ん?他の選択肢?」


その時、ドアにノックがした。


「はい。」


「失礼します。お客様は決着したそうです。」



【王妃のバカンス】の後半は全部カットしてしまいました。例の線を越えすぎてここじゃ掲載出来ません。


一応書いといたので、いつかR18版を作るならそこに掲載します。

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