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ここまでは前章的な?

今回は少し長めに書いてみました。

(ギュュュッッッ!!ガシャァァァァァァァン...)


車とぶつかる数秒前、俺はその女の子を捨て身のダイビングで抱きつきギリギリの所で回避をした。おかげで道路の端のコンクリートで出来た壁に体をぶつけながらも救出することに成功した。



「いっつー...マジで骨逝ったぞこれ...」



そうして救出するや否や、助けた女の子を見てみると驚いたのか俺の胸に顔をうずくませていた。

体型は見るに150cmあるかないかくらいのショートヘアに銀白色の髪にロリ体質だ...そんな趣味はないけどもやっぱり女の子と自分の身体が触れ合えてるだけでも嬉しいよな。


「え...事故かよ?」


「警察呼ぼ!警察っ!」


「東中野のあの子達大丈夫かしら...?」



などと周りからは野次馬が集まり始めるが喋るだけじゃなくとりあえず助けて欲しいよな...

心配なので顔をうずくめてる女の子にも一応話しかけてみた。


「えっと、大丈夫かな?」




「あ、あ...」


話しかけてもピクピク震えたままその言葉を繰り返している。

これはショックでありがとうも言えない状態の可能性もあるよな...


「おい、どっか痛いとことかあるか?

なんなら起きれたり出来る?」


「あ、あ...」


マズい...これは頭を打ったショックで会話もまともに出来ない可能性が高いな。東中野の生徒もちらほらいるのでここは少し呼びかけたりした方が処置も早いな。


「あの!誰か先生を呼んできてもらえないかっ?

この子起きれないみたいなんだ。」


近くに寄ってきた同じ高校の生徒はそれに気づき、「分かりました!」と言い放ち学校の方に向かって行き、五歩くらい後ろにいた女子生徒は警察に連絡をしてくれてるようだ。

後、婆さん共こっちをそんな目で見るなよ。




「あ、あそこの...」


「え?あそこの...?」


俺にしがみついているこの子は

呼吸不全レベルの重症かと思っていたら

突然と泣き出して指である物を指し示していた。

それは、バックから出てしまったノートパソコンだった。


「わ、私のノートPCどうしてくれるんですか...うぅ。」


「ノート...PC?」


観察して見ると画面が開いた状態になっていて、明らかに部位の破片が飛び散っている。


「活動で必須アイテムなのに...

私なんて守らなくていいのになんであっちを優先しなかったのっ!?」


「え...?それは...ごめん...結構大事な物だったの?」


「大事って...そんなん当たり前に決まってるでしょぉぉぉぉっ!!」


優先順位の話なんて聞いてもいないしこれは理不尽過ぎだろ...

それに顔色は憤怒で一色で気づかなかったが左胸にある校章のマークが赤だったので同じ学年の子だった。

こんな子いるなんて初耳だな...



「もう気持ち悪いですっ、離してください!!」


「いや、ショックで起き上がれないだろうから今はこのまま...ふごっっッ」


そそくさと立ち上がり、俺の腹に一蹴りすると大破したパソコンを見ながらまた泣きじゃくっていた。


「うぅぅぅぅ...地域内のデータをまとめてわかり易くしてたのに...あ、あと案件も全部...あぁ...無念。」



「っておい!?なんで今ぶっ倒れんだよ...」


こてりと膝から崩れていってしまったその子は今ショックで倒れたらしい。

何この状況。

もう助けた俺は害を受けただけじゃん...


それにお礼も言わず怪我した部分を腹から腰の内部にかけて更にえぐり、悪化させた張本人だ。

なにがなんでも謝罪してもらわないと気が済まない。



「ここです!!」


「ありがとう。君は教室に行きなさい、後は私に任せてくれ。」



ムカムカするしすぐにでも襲い掛かってやろうかと思ってた所で先程の男子生徒がいつも校門の前で門番係をしてる体育科の先生を呼んで現場に駆けつけてきた。

それを見た女の子も先生に一言「お願いします」と言った後に学校の方へと去っていった。


「大丈夫か?一応伝えに来てくれた子からはある程度聞いたがなにがあったんだ?」


「そこでぶっ倒れてる子が轢かれそうになったんですよ...まぁなんとか衝突は間逃れましたがあの子は...」


「まさか、どこか打ち付けたりしたのか!?」


「いえ、パソコンが壊れたショックで倒れてます。」


事情を知ってそうなのもあり、緑ジャージ姿の先生は呆れた表情を浮かべていた。


「はぁ...パソコンの費用をまた学校の経費から落とすことになるのか。」


「経費...?あの子なにもんなんですか?」


「不龍 三科 (ふりゅう みしな)


この学校の生徒達によるサイバー犯罪防止の中心で働く言わばプログラマーだよ。

噂によれば小5でC言語を全て把握し、中学2年になった頃には自分が開発したウイルスバスターのプログラムを世界中に普及させたそうだ。

この高校には推薦で入ったそうだが学力も並外れたものを持ってたし実績も認められ去年の秋から我が校の特色の一つである『探偵事務所』にも参加しているんだよ。」



「あの子が探偵事務所の1人!?」


「ああ、とりあえず学校の内部機関に関わってるあの子にはパソコンの1台や2台、学校が負担せざる負えないのさ...その出費に応じて今月の給料も減るけどな...クソぉ...」


「(あんな貧乳ロリでも才能だけはあるんだな...)」


涙ぐんでいる体育科の先生のお陰であの子...いや、不龍の事情を知ることが出来たのはとりあえず良かった。


けれど、まさかあいつも探偵事務所の1人だということを知って、「これから仲良くしよう!!」とか言っても一筋縄じゃいかなそうだし、もうやっていける気がしない。


「あの...とりあえず不龍さんを保健室連れて行きませんか?」


それはそれは辛そうな表情を浮かべながらなにかと闘っていた先生をとりあえず引き戻した。

腰の事もあるから堂本先生にも伝えて貰いたいし。


「お、おう。そーだな、君は立てるか?」


「一応立てますけど、ちょっと腰やっちゃったんで僕も保健室に湿布貰いに行っていいですか?」


「それは構わんよ、何組の名前はなんだ?」



「7組の新道真琴です。」



「堂本学級か!そこはほんとにいいクラスだと聞くよ。

生徒も優秀でさぞかしいい教育を受けさせてもらってるのだろうな!」


ま、そこの底辺に俺がいるということは黙っておくか。


「新道君のその判断はとても逞しく、勇敢だ。

教師としてだか尊敬するよ。」


「ど、どーも。」


ちょっぴり照れくさいがこれで正解だと言うならまぁ良しとするか。







ーーーーーーーーーーーー





あの出来事から約1時間経ち、警察沙汰にもなっていたが車を運転してた人は、俺が保健室に着いた数分後には現行犯逮捕となってたらしい。(知遥情報)

それと電柱突っ込んで助ける意味なかったってのは黙ってて欲しかった。


「ふぁぁ...そろそろ起きるか。」


少しの仮眠を取り、ぶつけた所の腰の痛みも引いてきたのでそろそろ教室に戻ろうか考えている最中だ。


「まだ痛ぇけど一時限目が終わる頃に戻っとこ...」


ふと横を見てみると知遥もベットに腕を組み、頭を上に乗っけて前のめりにもたれかかったまま寝ていた。


まず幽霊って寝るの...?

夜行性だからとか関係ないよな…?



「おい、知遥そろそろ...あ。」



俺は気づいてしまった。

隣のベットで寝ている国家レベルのサイバー犯罪すら起こせる天才パソコン娘に。


「やっぱパソコンの事で怒ってんのかなぁ...

具合とか気になるし確認しておきたいけど。」


恐る恐る近づいて見たが、まるで小柄な人形が眠っているかのようでやっぱり可愛いと思う。いや、そんな趣味は...


「おー...我が家の変態王子は貧とうとう貧乳ロリのみしなちゃん(不龍 三科)にも手を出す気か。」


後ろを見ると軽率した目でこちらを見てくる知遥がいた。


不龍が隣にいるのを知っててここまで計算し尽くされてたと言うのなら今後一切女の子のサービスシーンが無くなるじゃん!!


というよりさっき作ってくれてたな。


「何を言うか!そもそも妹という生物を昔から見てた俺はそんな物とっくに卒業してるわ。」


「さっき転がってしがみつかれてた時お兄ちゃんの顔みたけどロリコン手前のゲス顔だったよ?」


「まぁ女の子に抱きつかれたら男の子はそうなるだろ...

それに、こんな小さな子でも探偵事務所の一員だなんて今学期一番の驚きだよ。」


「みしなちゃんは先輩でもすぐに仲良くなってくれたし、パソコン以外の知識皆無だから

下ネタ言うとすぐに顔真っ赤にして「あ、あ失礼な!!やめてください...」って毎回のように照れてたからほんとに弄りがいがあったよ〜」


変態王子と弄り女帝の(いじりじょていのいもうと)

新しい作品が出来そうです。


「お前。やっぱり学校でも出す人には素の性格出してたのか...」


「の〜の〜、みしなちゃんは別よっ!」


「......不龍も可哀想なやつだな。」



「さっきから1人でゴチャゴチャ何言ってるんですか?ほんとに警察呼び返しますよ?」


さっきからニヤニヤしてる知遥は怪しいと思っていたけど、ベットに振り返ってみれば不龍さんも軽率した目でこちらを見てました。


「知遥ぅ...気づいてたんなら言えよ...」


「ふふふ...ちょっと散歩に行ってきまーす。」


「おい待て!っ...これどーにかならねーのかよ...ちくしょう。」



もう独り言連発コミュ障まっしぐらだよね。

幽霊と話してるだなんて信じてもらえないもんね。


「あの〜!先生方いらっしゃいますか〜?襲われる可能性も充分なので至急来て...」


「いや、まてまて。ただ心配だったんだよ!!

ぶつけたりして具合悪いとか怪我してないかなぁ...とか?」



いくらパソコン馬鹿でも流石このグダグダ理論じゃ誤魔化せないか...




「......その節は色々と...ありがとう...ございました。」



「え?ま、まぁ何もなくて良かったよ...

それと...腰を蹴るのは控えて欲しかったな。」



「助けて貰ったのに...あの...ほんとに...ごめんなさい...」



「いや...こちらこそ変な行動をとって申し訳ない。」



「...」


「...」






やっぱこいつチョロいな。






ーーーーーーーーーーー




そしていつもの放課後。

身支度をしていつもは直行で家に帰ってしまうが今日だけは寄り道をしないといけないみたいだ。

というよりいつもの放課後はこれで終わりかもしれない...


「ここから別棟の近くに孤立した建物があるとこに行くんだけど...準備は出来た?」


後ろのドア付近によっかかって待ってる霧島さんはいつもとは少し雰囲気も漂っていた。

俺はちょっと緊張したり...しなかったり...


「もちろんですよ!それより俺なんかが入ってもいいんですかね…?」


「朝の事は置いといて...私からは歓迎するわ。

宜しくね、真琴くん!」



「良かったぁ...とりあえず一安心ですよ...こちらこそ宜しくお願いします!」



席を立ち、親父座りをして机に座ってる知遥は待ちくたびれたような顔で待ってたので目線を集中させてアイコンタクトで教室を出ることを伝えた。


「もーお兄ちゃん遅いよぉ〜」




まぁ色々あったけどもとりあえずは俺と知遥の犯人探しはやっと始まりを告げたのであった。







次回は真琴の探偵事務所への参加試験が始まる?


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