そんなこんなの普通な日常。
読んで頂けたら幸いです。
〜病院にて〜
雨の中自転車を死にものぐるいで漕ぎ急いで目的の元へと向かった…
だか俺がついたころにはもう遅かった。
そしてかけがえのない存在であった大切な妹を失ってしまった。
遡ること半日。
「お兄ちゃん起きて!!学校遅刻しちゃうよ」
部屋のドアが開き、いつものテンプレの様な朝の目覚まし係も飽きたと言わんばかりに声をあげた。
そんな気持ちも分からなくもないがなにしろ布団はここから出ることを拒んでいる、妹のモーニングコールだろうと勝てるものはいないだろう。
いや、訂正しよう。我が高校の美女トップ3全員に目覚めのキスでもされたら恐らく3秒も経たず目覚め遅刻もせず登校するだろう。あぁ…ハーレム万歳。
「もー少し…あと少しこの朝の幸福感に包まさせ…」
「まぁいいや、たまには飛び乗ってやる♪」
「ちょっ…おま…ぐはぁぁっ」
全国民の1人っ子もしくは兄弟すまん…
妹で充分だわ。
そんな思春期の女の子の面影も残ったほんのり茶髪でミディアムショートの彼女の名は
新道知遥。
今年から高校生デビューを果たし俺と同じ高校に通うことになった正真正銘の純正な妹だ。
性格はとてもつり合うような人柄じゃないがやっぱり話したりしていると楽しく気が合う時はとことん共感したりする。「お母さん…お父さん…産んでくれてありがとう」をつくづく実感するよ。
そんな妹ラブに浸っていると…
「真琴〜知遥〜朝ご飯はいいの?」
「いまお兄ちゃん起こしたから行くね〜」
そそくさと知遥は部屋を出て階段を駆け下りて行き、母さんと適当な話題をしゃべり出したようだ。
当の俺は寝起きでダルいのもあるが先程の飛び乗りダメージが腰にも響いて朝ごはんもとても乗り気ではないよ、うん、ふつーにゆっくり乗って
ゆさゆさしてよ。妹ラブコメのテンプレやん。
ふと時計を見てみると、針は8時を少し過ぎたとこだった。
「って確かに起きないとだな」
とりあえず部屋着から着替え、学校用のズボンを履きワイシャツを着て髪を整えることにした、もちろんくつ下も忘れはしないぞ〜。
「はぁ…今日は朝から朝礼かよ」
とりあえずネクタイを適当に結びブレザーを着てのそのそと階段を降りリビングに向かった。
ドアを開けテーブルには並べられたパンや卵を中心とした一般的な朝食フードを確認して、椅子に腰をかけた所でふとテレビを見ると近所のアパートが写っていた。
そのニュースを見て母さんは心配そうに俺たちに話題を持ち出した。
「最近ここら辺でも殺人事件とかあったりしたそうよ、2人とも気をつけてね?」
先に食事をしていた知遥は平気そうな顔をしつつ返答をした。
「お母さん心配し過ぎたよ〜、いざとなったら私がギッタギタのボッコボコにするんだから!!」
「なら、お前の就職先は警察だな」
「勝手に人の将来決めつけないでくれない?このニート兄貴。」
「ちゃんと学校行ってるわ、しかもお前は毎日俺と同じ学校で日常を過ごしてるだろ?」
「今思うと考えただけで吐き気するわね…」
男子の諸君。妹とはこんなものだ…きまぐれに心をえぐり取るような発言をお構いなくかましてくる。そんな生物だ。
「話が盛り上がってるとこで申し訳ないけどあんたたち時間は大丈夫なの?」
そんな論争の中、母さんの一言で我に返るアホ兄妹。作品としては申し分ない撮れ高だ。
「あ、やばいよお兄ちゃんっ!!下手したら遅刻だよ…ち、こ、く!!」
「人のこと構ってないでとっとと飯食ったんなら行けよ!!」
「……たまにはお兄ちゃんと登校も悪くないかな〜…って」
「あ…そ、それなら仕方ないな。」
今の心情ですが。
ツンデレ…最&高っ!!
「「行ってきまーす」」
知遥が玄関の扉を開け外に出て、俺はその後の3、4歩後をついていった。
あ、紹介が遅れたけど俺の名前は新道真琴。
前にいる知遥の兄であり、シスコン予備軍の高校2年生だ。ちなみに交際経験はない…って誰に話してんだ俺は。
家から50m離れた辺りで知遥が横に並び少し早歩きをしつつ話を持ちかけてきた。
「ねぇ聞いてお兄ちゃん、今日って全体朝礼じゃん?私ね学校の探偵ボランティア事務所の代表としてスピーチするんだよ〜」
「あー、あの学校全体の総合成績5位以内の奴しか入れない地域の貢献活動の模範となるあの部活的なやつか…ってええっ!?」
「な、なに?成績も平均以下のヘタレお兄ちゃんのくせになんか不満でもあるの?」
「おいおい、この学校入ってまだ2ヶ月も経ってないのになんでお前がそんなエリート集団の仲間入りしてんの!?」
「んー…天才だから?(笑)」
流石にご都合主義にも程があるだろ。どーなってんだよ、うちの妹。
「とにかくさぁ…今日アドリブだからこの登校してる間に内容考えて欲しいかなって。」
「はぁ?自分をどんだけ設定壊れた優等生として作り上げようとしてんだよ」
「その例えとか聞いた私がバカに思えてくるからやめてくれない?」
「普通アドリブならちゃんとした原稿を作って何度も書き直したり読み直したりしてやっと相応しいものを披露するもんだろ」
「あぁぁぁぁぁ…そもそもした事もない人に頼むものでは無かったわね。」
考えて無かった知遥が悪いのもあるが肝心の俺もなんもプラスな発言を出来ていない。
これに関しちゃ複雑だが正論だ。なんの取り柄もない役立たずで見せる顔も無いぜ。
兄としての威厳すら無くなった気も…うん、ネガティブ発言は控えよう。
「自業自得だ。楽しみしてるぜ?お前のガバガバスピーチ(笑)」
仕方ない。恥晒しでもなんでもお兄ちゃんは優しく受け止めようと思ってるよ。
「とりあえずどっかで聞いた偉い人の演説でもアレンジして参考にするわ」
「それが出来るならそこら中に大統領がいるだろうな」
…と話してるうちに我が高校である『東中野高等学校』の目の前まで来ていた。
早歩きで来たおかげか辺りにはまだ生徒が数十人程歩いていた。
「じゃあ全体朝礼の準備もあるだろうし先に行ってるね〜」
知遥はちらっとこちらに振り向くと小さく手を振り、駆け足で校門に入っていった。
ちょっとドキッとした自分もいたがこれ以上気持ちを高めると家族の関係的にも色々とまずいものが発生するのでとりあえず落ち着いて振り返した。
そして知遥と別れ1人になっても変わらない速さで歩き、校門を抜けて校舎の中に入った。
そもそもこの学校は築3年ということもあり、まだ全然内装も綺麗だ。歩いて10分位の近くに出来たということもあり、受験の時は俺も知遥も迷わずここを選んだ。
知っていくと色々とめんどくさい行事もあったが充実した学校生活は送れていると思う。
「とは言ったもののやっぱ知遥大丈夫かな…」
少し心配もしつつ、上履きに履き替え下駄箱から左に曲がり廊下を進み階段を登って3階で廊下に戻る。道なりに進んで行くと見えてくる『2-7組』と書かれたプレートがぶら下がっている。そこが俺のクラスだ。
「おっはよ〜真琴、今日も相変わらず救われないニートみたいな顔だなっ!」
「なんでどいつもこいつもそうニート扱いするかねぇ。」
こうして毎度のように俺の事を顔だけでディスってくるこいつの名前は
登美尚弥。
1年の時も同じクラスでこの学校の中でも他のヤツらよりは話していたが妹がこの学校に入ったと知ったせいか最近よく絡んでくることも多くなったような…ないような…
「なぁ、お前の妹ちゃん今日の朝礼でスピーチするんだって?噂でも聞くが結構な美女なんだろ?楽しみだよな〜」
こいつはなんも分かってない。普段のアイツを見ている俺からしたらそのお世辞に匹敵する発言はまず出てこないであろう。
ただ可愛いならちょっとは…
「その妹と生まれてずっと一緒な俺からしたら美人や可愛いの対象になったことはない。」
うん、意地張ったわ。
まぁここら辺でチャイムも鳴るだろうしあとは安定のご都合主義に任せ…
「真琴くーんおはよぉ」
ってなるはずもなくその誰もが振り向かざるを得ないボイスでもう少し長引くことになった。
「お、おはよ〜霧島さん。」
霧島 恵里香
黒髪ロングで清楚な性格に身体の成長が盛んな高校2年生。男子の中でも三大美女に認定された通称「NAKANO美人」である。
この2-7組の学級委員及び委員長であり、探偵事務所の5人中の1人に入っている。
「そうそう、今日の知遥ちゃん緊張とかしてなかった?」
「うちの妹に限ってそんなことは無いですよ。」
ちゃんとしたものを披露出来るかは置いといて、根性だけはすわっているからな…
「なんでもかんでも流石過ぎるわ…1年生の一学期に探偵事務所に入れる子なんてほぼいないわよ。ほんとにあなたたち兄妹なの?」
「まず今日まで知遥が事務所の一員だったことすら知らなかったですよ…それと最後の言葉ちょっとグサッとくるものがあります。」
「けど成績見れば誰にでもそう見えてくるもの。」
うん、知ってた。運動神経も大したことはなく、テストで最下位から数えた方が早い俺なんかと何故血が繋がっているのか。
ほんとにお母さんは知遥を産んだのだろうか…まさか他の男との!?
⚠️そんな急展開はありません。
「それ言われると何も言い返せないです。」
そして鳴り響くチャイムとともに担任の先生が入ってきて同時に移動を呼びかけがされていた。
自分の雑な小説ですが読んで頂きありがとうございます。
少ししたら書いてみようと思うので期待して頂けたら頑張ってみます(笑)