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隙間。

作者: 長居 桂子

薬物使用表現あり・メンタルの弱い方注意願います

あなたは何て言うかな。

大丈夫かって優しくしてくれる?

それとも、仕方ないやつだと呆れる?


どれでもないよね。


知ってる。

知ってるけど、早く来て。

どうしていいかわかんないの。

どうやって埋めればいいか分かんない。


こんなの苦しい。

あたし、死んじゃうよ。


ごくり。


この錠剤が何のお薬か、もう全然分かんない。

埋めるの、これで、埋める。

白い錠剤で、無理やり、埋めるの。


ぷち。ぷち。ぷち。ぷち。ぷち。

ごくり。


お願い。

助けてよ。。

あたしの隙間を埋めて。

あたしを通り過ぎていく隙間風を何とかして。

でないと、あたし、しんじゃうよ。


ぷち。ぷち。ぷち。ぷち。ぷち。

ごくり。


ぷち。ぷち。ぷち。ぷち。ぷち。

ごくり。


ああ、なんだか身体に力が入らない。

だけどこのぐらいじゃ、全然足りない。

足りないよ。

埋められないの。

怖いよ、怖いの。

お願い、早く、早く、早く、早く。


はやく、きて。

たすけて。




ワンルームの中に、外からの暖かい風が舞い込む。


ああ。

来て、くれた。


ひとりじゃ、どうにもならなかったの。


「馬鹿やろう」

はい。


「やめろって言っただろ!」

ごめん、な、さい。



あ。


風、やんだ、よ。

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