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プロローグ
……今は昔、
竹取の翁が光る竹を見つけた。
中には三寸ばかりの、
輝くほどに美しい幼き姫がいた……。
姫はまたたく間に美しく成長し、
五人の貴公子、
さらには時の帝
からも求婚される。
だが、姫は誰の愛も受け入れず、
不可能な難題を
突きつけては
彼らを退けた。
月満ちる頃、
姫は泣きながら翁に明かした。
自分はこの世界の人間ではなく、
月の都の者であること。
そして、まもなく迎えが来ることを。
満月の夜、
空から空飛ぶ車と、
数多の月の使者が降り立った。
帝の兵たちが放つ矢は
力なく跳ね返され、
誰もその理に
抗うことはできなかった。
姫は地上の人々との思い出を
汚れとして脱ぎ捨て、
天の羽衣を纏わされた。
情も、
涙も、
すべてを
忘れた完璧な姿で、
姫は月へと還っていった……。
それからも……。
月は欠け、また満ち、
地上のあらゆるものは
移ろい、消えていった。
そして今、
一千年の孤独を閉じ込めてきた扉が、
再び開かれようとしている……。




