表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/14

■侯爵令嬢、大地に立つ。

「大地に立つ」。この言葉を聞くと、何故だか私の中の佐藤亮二が湧き立つ。

飛竜船から降りたときに、必ずつぶやくようにしていた。

数週間に及ぶ飛竜船の旅。途中で寄港した各地の歓待も賑やかだったけど、帝国はその中でも一際豪華だった。

出迎えの先頭に立つ御仁。『皇帝』ラインハルト皇太子殿下だ。

白い礼服に、相変わらずの長めの金髪。青眼は服装や髪型によく似合う。

市井のご令嬢にもファンがいるらしく、その色香に黄色い声援が聞こえる。

引き連れる近衛騎士たちは、何れも屈強そうで、兜の奥の眼光は鋭い。

騎士の最後尾には『スパイ』。ユリアンだ。

二人とも星印がよく見える。星印を見るたび、佐藤亮二が嗤う。


皇太子殿下に公式でお目見えするのは二度目だが、衆人環視という状況では初めてだ。

王国淑女の流儀で挨拶をすれば、帝国紳士の流儀で帰ってくる。

フフッとほほ笑むと、殿下の耳は赤く染まる。

王国では伝統として、公衆の面前ではヴェールを付ける。

ヴェールはごく一般的で、市井のご令嬢でもつけるし、季節の流行もある。

ニーナが今の流行りだという、ピンクのヴェールは私のお気に入りで、細やかなハート柄が特徴的だ。

ヴェールのおかげで、遠目では、その表情まで読み取れない。

伝統を利用して、不用意に魅了してしまわないように配慮しているつもりだ。

もう魅了済みであれば問題はないのだろうが。

ヴェールを主役に沿えるような、ドレスを選んでいる。

年齢相応のドレスは、花柄を基調にしつつ、穏やかさを強調している。

ニーナが持ってくれている、日差し除けの傘も衣装に合わせた色合いで私は満足だ。


皇太子殿下に連れられ、馬車に乗り込むと、一行は帝都に向かうのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ