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第1章:きらめきのかけら 1
──静かだった。
かつて煌めきに満ちていた宝玉の聖域は、まるで時間を止められたかのように沈黙していた。
「……ペガサス……タートル……」
小さな体を震わせながら、ルビーカーバンクルはかつての仲間が闇に染まっていく光景を見つめていた。
虹色に輝いていたはずの姿が、今は影に覆われ、どこか遠い存在のように感じられる。
「……どうして……どうして、こんな……!」
闇に呑まれていく宝玉獣たちは、声を発することもなかった。
ただ、瞳の奥にかすかに残る「何か」が、ルビーの胸を締めつけた。
何が間違っていたのか。
なぜ自分たちが、こんな運命に呑まれてしまったのか。
答えは見つからないまま、聖域は崩れ落ち、ルビーは光の奔流に弾き出されていた。
──それでも。
「……ネオス……」
かすかに、でも確かに思い出す。
あの強くて、やさしい光を持つ戦士の姿を。
きっと、彼なら。
闇に呑まれた仲間を取り戻す手がかりが、まだどこかにあると信じて。
ルビーカーバンクルは、光のきらめきを頼りに、あの場所──かつて仲間たちと笑い合った谷へと向かう。