20/21
忘れたいのに。。
おかしなもので、忘れようとしていた彼の顔を見ると、ホッとしていた。
私はあのクリスマスパーティーから、彼から連絡が来ても電話に出なかった。
今、夜の8時半。。
彼は、病院が終わるのを待っていたようだった。
「なっちゃん、久しぶり。」
少し笑顔がぎこちなかった。
「お久しぶりです。」
電話に出なかった事は、謝らなかった。
「何でここへ。。」と、言いかけた時、彼は。。
「この後、どっか行かないか?」
彼は、いつも強引だ。
人に流されやすい私は、「はい。。」と言ってしまった。
後悔するかな。。
もう、今日で会うのはやめようと、ちゃんと言おう。
仕事を片付け終わり、着替えて外に出ると、彼がこっちと、手を上げ、私は助手席に乗った。
「お腹空いたでしょ、焼き肉でも食うか?」
私の返事は聞かずに、彼のよく行く焼き肉屋へ行く事になった。
私を、元気づけようと思ったようだ。
「ここのタン塩、旨いんだよ。」と、自慢げに言った。
本当に美味しかった。
彼は、急に、「あのね、俺、母ちゃん居ないんだ。」と、話し始めた。




