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東京着
別れというのは、辛く悲しいものだが、新たな出会いがある。
佐世保の官舎を出て、タクシーで駅へ向かう。
数人の友達がバイバイと、両手を振ってくれた。
こんな私でも、一瞬、悲しみが襲ってきた。
しかし、バイバイと手を振ったその一瞬だけだった。
私は、旅行へ行くように、次の転勤先の、東京へ向かった。
東京着。。
佐世保とは、まったく別世界だった。
上を見たらダメよ!と、母が言う。
お上りさんと思われるのが、恥ずかしいらしい。
何が入ってるのかわからないが、大きなリュックを背負ったヲタクや、モデルのようなキラキラした女の人が、普通に歩いている。
もう、佐世保には、未練がなかったと言ったら、嘘になるが、バイバイと手を振ってくれた友達の顔は、忘れることにした。
そう言う風にしないと前に進めない、不器用な私だった。