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1-5 食文化

 本に夢中で気づかなかったがもうルークと合流する時間になったらしい。


 本当は他の本も読みたかったけど借りて帰っていいんだったら無理してここで読む必要はない。


 悩みに悩んだ結果、詠唱と魔法陣の構築に関する本を追加で一冊づつ選び、計三冊借りて帰ることになった。

 それとは別でローラが絵本を何冊か借りていた。

 読み聞かせでもするんだろうが正直あまり興味はない。

 得られる情報も少なそうだし。


 貸出の手続きと料金の支払いを終えたルークと図書館から出る。

 できればまた来たいところだ。

 というか借りたものを返しに来る際ついていけばまた別の本を借りられるかもな。


 てか割と簡単に貸し出してくれたが盗難の心配とか無いのだろうか。

 そう思い改めて本を見ると背表紙に意味ありげな模様が刻まれている。

 これが例の魔法陣のようだが…どんな効果があるか推測はできるが魔法陣の効果は分からない。

 後でローラに聞いてみよう。なんか分かるかも。


「レイチェル、本を汚すと怒られるから鞄にしまっておきなさい。それによそ見をしながら歩くのは危ない」

「ごめんなさい」


 しまった。ルークに怒られてしまった。

 私はすぐに鞄に本を戻す。


「分かったならいいんだ。それよりお父さんの行きつけのお店についたぞ」


 どうやら盗難対策に夢中になってる間に昼食を食べる予定の店についたようだ。


 ルークが店に入るのに続いてローラと一緒に中に入る。


「いらっしゃいませ…ってルークかよ」

「悪かったな俺で。あと今日は一人じゃなくて家族もいる。いつもの一人席じゃなくて別の席を頼む」

「へいへい。じゃあテラスの席が空いてるからそっちにどうぞ」


 私達は促されるままにテラスへ案内される。

 この人ルークの知り合いか?だとしても接客態度大丈夫かよ、クレーム来るんじゃないか?

 とりあえず案内された席に座る。


「ではごゆっくりどうぞ」


 定型文のような挨拶を済ませさっきの店員は戻っていく


「ねえルーク、さっきの人知り合い?」

「ああ、学生時代の友人だ。あいつがここで働いてるからよくここに来るんだ。まあそれは置いといて何を頼む?」


 どうやら学友だったらしい。

 あと何を頼むと聞かれてもこの世界で外食なんて初めてだから何を頼んだらいいかとか分からん。

 どれがどれくらいの量があるとかも知らないわけで、食べきれない量が来たらどうするんだ。

 特にこの体だと前世より食べられる量は大幅に減ってるし。


 決めかねていたところでローラから提案される。


「ねえレイチェル、このセットにするのはどう?それに食べきれなかったら残してもいいわよ?」


 ローラが提案していたのはお子様ランチだ。

 たしかにこれなら食べ切れるだろう。それにハズレを引くこともなさそうだ。


「じゃあこれにする」


 二人はもう注文が決まっているようでこれ以上待たせるのも良くないと思いローラの提案に従う。


 その後ルークが店員を呼び注文を済ませ、体感で十分ほどした後、料理が運ばれてきた。


 お子様ランチの内容は小ぶりな茶碗によそわれた白米、小さめのハンバーグ、その上に目玉焼き、それに加え野菜スープといった前世でも見るような内容のメニューだった。


 ルークとローラは同じ定食を頼んだようでこちらもクオリティの高い料理が運ばれてきた。


「おいしそうね、早速食べましょうか。それじゃあ」

「「「いただきます」」」


 私は気になっていた白米から手を付ける。

 うん、懐かしい味だ。

 この世界では米も主食のようだが村に居た頃は基本パンが主食だったためこの世界に来てからは米を食べたことがなかった。


 こうしてみるとなんだか感慨深いな。

 この世界に来てから三年か。

 あの頃は何も分からず混乱してたな。

 …まあ今も分からないことのほうが多いが。


 それと前々から思っていたことだがなぜ私はこの世界に来たんだろう。

 せめてこの世界にあんな意味不明な状況で居た理由くらいは知りたい。


 別に元の世界に帰りたいとかそういう訳では無い。

 帰れたとしてもこの体じゃ身よりもなく頼れる人もいない状況だ。


 それにこの世界で魔術を学ぶ、もっと言うなら前世ではできないこと、できなかったことをするという目標もある。


 それにこの世界に来た理由を調べるためにはやっぱり前世にはなかった技術──魔術が関連してるだろう。

 前世の常識や技術では記憶を引き継いだまま別世界に移動するとかありえないことだし。


 この世界に来た理由を知るためにもやっぱり魔術を学ぶべきだ。


 郷愁とともに目標の再設定を終え、お子様ランチを食べ終える。


 うん。普通に美味しかった。

 それにルークたちも食べ終わったようだ。


「「「ごちそうさまでした」」」


 昼食を食べ終えこれから会計に行こう…というタイミングで私は強烈な尿意を感じる。


 まずい、そういえば今日はいろんなことに夢中で朝家で行ってからトイレに行ってなかった。


「ごめんちょっとトイレ行ってくる」

「はいはい、行ってらっしゃい。そこの角曲がったところだからね」


 危機感を感じ、できるだけの早足でトイレに向かった。




 ふぅ、危ない。

 トイレももう慣れたものだ。

 前世と違う体、前世と違う仕様。最初の頃こそ戸惑ったが三年も暮らせば慣れるものだ。


 それにここは上下水道が通っているからか水洗式だ。

 形状こそ違うが前世の和式に近い形だ。

 やっぱ和式のほうがコスパいいんだろうか。


 村には水道が通ってないので容器に貯めてまとめてコンポスターで肥料に利用されていたがここは匂いも気にならないし蛇口を捻れば水が出てくる。

 やっぱ文明最高だわ。


 用を足し終え手を洗うため洗面台に近づく。

 さっさと洗ってルークたちと合流しようと思ったのだがあるものが目に入る。


 鏡だ。

 この世界に来てからあまり外見を気にしてなかったのでどんな外見をしているのか気になって鏡を覗き込む。


 綺麗なロングの白髪、整った顔立ち、きめ細やかで色白な肌。

 そして一番注目を引いた白い眼。


 審美感があまりいいとは言えなかった私でもわかるほどの美人だ。

 それこそいいところのお嬢さんとでも間違われるんじゃないか?


 まさかこんないい顔をしていたとは…スキンケア全力で頑張ろ!前世ではニキビ酷かったしね!


 そんなことを考えながらルークたちと合流する。

 ルークたちは私がトイレに行ってる間に会計を済ませていたようだ。


 そこからは帰るために店から出て、馬車の乗り場まで歩いて十分ほど移動した。


 乗り場で馬車が来るまで十分ほど、そこから同じ料金を払い馬車で四十分ほど──今度は寝落ちしなかった──

 すると村に着く。


 こうして第二の人生で一番長い外出が終わった。

主人公は時間感覚が優れてるとかじゃなくて実はルークたちからこまめに懐中時計を借りて時間を確認しています。

作中で描写できなくて申し訳ありません。

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