3-6 迷宮学
「みなさん、おはようございます。昨日に続いて今日も授業をします。今日は戦魔術師など上級職業が所属する組織──ギルドの仕事について、それぞれ詳しく説明しようと思います」
翌日朝八時過ぎ、3人全員揃って授業が始まった。
昨日は大まかな仕事内容の説明だったからそれぞれ詳しく説明するってことだろう。
「といっても3人とも冒険者を目指してるんですよね、なのでもう迷宮探索部門と迷宮学に絞ってこれからは授業をします」
あ、もう進路の変更とか受け付けないのね。私は別にいいけども……
これ手抜きじゃ……
授業しなかった部分のところはもし使うってなった時どうするんだ……
「ということで迷宮探索部門の成り立ちからお話します。まず迷宮には魔物が生息しています。その魔物を倒すとその死体は『魔石』に変化します。その魔石から魔力を取り出し、いろんな魔道具の魔力源になり、いろんな魔道具を動かすことができます。街の街灯やこの学院の設備を動かしたりするために使われてます。しかし魔物は飼えず、人工的に増やすことができないのでまだまだ魔石は貴重です。そのため高価なので国が管理するものに使われることが多いです。お金を出せば入手自体はできます」
『魔物』に『魔石』、聞き慣れないわけではないが現実離れしたゲーム的な言葉が出てくる。
貴重で有用なことはわかったがついでに学費が更に心配になってきた。
「そして魔石には魔石を落とした魔物特有の魔力を宿していることもあり、その魔力を使った普通では作れない特別な『魔石刻印』を用いた『人工聖遺物』の作成にも使われます。しかしこれは最先端の技術を使ってそれでも成功例はほとんど確認されていません」
『魔石』の次は『魔石刻印』か。
というかほんとゲームじみてきたな……というか『人工』ということは天然の『聖遺物』があるのか?
「そして『人工聖遺物』の模倣元となっている物、迷宮の中で稀に『聖遺物』が見つかります。この『聖遺物』は武器やアクセサリーの形で発見され、それらには強力な力があり、火を出したり風を出したり、中には魔術に干渉したり必ず急所に当たるといった概念的な能力を宿していることもあります」
予想通り『聖遺物』があったらしい。というかただの武器や飾り物が魔術に似たことができるのか。
これも前世の知識があったので予想できたがなんだかほんとに現実離れしてきたな……まあ転生して魔術とかある世界でそんなこと言っても無駄か。
「ここまでの話の通り迷宮から得られるものは貴重で、役に立ち、その上強力なものもあります。なので迷宮の探索、攻略はかなり重要な仕事の一つです。しかし、その魔物や罠が凶悪な物が多く、熟練の冒険者や聖騎士、戦魔術師でも死者が出てしまうというのが現状で、まだ人が立ち入ったことのない場所が多く、迷宮はまだ謎が多い場所です。ここまでで質問はありますか?」
誰も手は挙げない。恐ろしい迷宮の実態に怖気づいた……わけじゃないか。
ただ単に各々情報を咀嚼してるんだろう。
「では次に迷宮の魔物と罠について説明します。魔物には『幻獣種』、『精霊種』、『昆虫種』、『海獣種』、『鉱類種』の五種類に大まかに分類されます。中にはこれらが混ざった種類も生息していたりします。それぞれに対処法がありますが、それはまた今度の授業に」
魔物の種類か……それぞれ大まかに想像はできるがその限りじゃないだろう。多分これから細かにそれぞれの魔物の対策とかやるんだろうな。
「次に罠についてです。罠、といっても数多く確認されていて、種類は無数にあります。落石や刃物が飛び出してきたり、中には床や壁に魔法陣が刻まれていて触れると凍りついたり、火が噴き出したり、珍しいものだと転移させられるものがあります。これらの罠の対策の為、罠や機械に詳しい技師を仲間に加えることが対策になります」
ここで技師の出番か。正直魔術師と戦魔術師以外は割と興味なかったから前世のメカニックみたいな仕事だと勝手に思ってた。
「技師を仲間にする以外だと罠の位置を慎重に探って場所を特定して罠に触れないようにすることですかね。大抵の罠は発動条件が触れることが多いので結構有効な手段です。罠にはそれぞれ対策や解除方法があるんですけど、それもまた今度」
罠の位置を特定することで発動させずにやり過ごせるのか。《空間把握》で対策できるかもしれない。
「さて、今日から課外が始まるので少し早めに終わりましょうか」
そういえば今日から課外始まるのか。
この学校の課外は週に◯◯回以上出席とかテストで一定の結果を出すとかが履修証明になるものが多いからしっかりスケジュール考えて出席しないと履修したことにならないから気をつけないとな。
こうしてハードスケジュールな課外授業が始まった。




