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7-50 ティアデルフィア

「はいそこ止まって〜」


 街に入ろうとしたところで一回止められる。治安保持のための検問があるんだろう。


「って珍しいな、『アンブロシア』の人?」

「はい。ギルドの依頼で北の『ラタトスク』から来てるんです」

「は〜大変だなぁ。お疲れさん。んでギルドの馬車と戦魔術師(バトルメイジ)ね……うん、検問するまでもなかったかな、通っていいよ」

「ありがとうごさまいます」


 ここでもギルドの名前と戦魔術師(バトルメイジ)の名前が出てくる。

 やっぱり国営の組織所属、国が直接認めてる資格持ちっていうのはそれだけでそれなりに信頼されるんだな。


 もう一度馬に馬車を引くように命令し、『ティアデルフィア』に入って行く。


「おぉ〜!」


 開拓地と聞いていたけど、イメージとは違ったな。

 街並みは綺麗だし、並ぶ店は人が集まり賑わっている。家も急造のやつじゃなくてしっかり土台から造ってあるし、まだ開拓途中と言われても信じられない。


 でも開拓地らしいというのか、男の人が多い。それに店に並んでるものも食料品、斧や鍬なんかが多く、武器とか魔道具の類いは置いてないところが多い。


 まあ迷宮があるとか余程治安が悪いとかじゃない限り武器なんて必要ないからね。当然と言えば当然の話だ。


「ねえねえレイチェルちゃん!あそこのお店入らない!?」

「どこか宿探して馬車預けた後ならいいよ」

「だな。流石に馬車引き連れたままは迷惑だ。近くに馬車を預けられそうな宿はあるか?俺も探してはみるが……」

「ん〜……あった。とりあえず色々見て回るのは馬車を預けた後かな」


 手頃な宿を見つけ、馬車と馬を預けた後に街を見て回ることになった。


















「色々見て回ったけど、どう思う?」

「農具とか金属製品の質が良いと思う。それに一部の店だと装飾品にも貴金属が使われてたし、割りと裕福?」

「でも数ヶ月前まではそんなことなかったんだろ?聞き込みでも豪華な装飾品に手を出せるようになったのはつい最近らしいしな」

「何かあったんじゃないの?大陸のどこかでおっきい鉱山が見つかったとか」

「いや、そういう報告は上がってなかったはずだ。ギルドの書斎にはそういう資料は無かった」

「じゃあなんだろ……」


 農具の質が良いのは近くに鉄鉱があるから、必需品で流通ラインが確立してるからで納得できる。

 でも装飾品に関しては原因が分からない。


 正直、開拓地の人が裕福なイメージはそこまで無いし、聞き込みの結果も貴金属の装飾品なんて手を出せないって店が多かった。


 近くで新しい金脈が見つかったとか、そういう話も効かなかったしな……なんでだろ。


「なあ、それ別に今考えなくてもいいんじゃねぇのか?俺達がこっちに来たのは亜人と奴隷組織を探すためだろ?」

「ん……確かに。じゃあ隷属魔術の魔道具が保管されてた博物館に行こう。カイさんから許可は取って貰ってるから」

「だな。管理してた人に盗まれた状況や管理状況を聞けば分かることもあるかもしれない。オウカもそれでいいか?」

「はい。私に魔術は分からないので、皆さんの意見には基本賛成です。ただ……今日はもう遅いので明日にした方がいいんじゃないですか?」

「さんせーい!なんだかんだ歩き回って疲れたし宿でゆっくりしたい!」

「……そうだね、明日にしよっか」


 確かに今日はもう遅いし、街に着いたばっかりで旅の疲れも引きずってるはずだから今日はもう休んだ方がいいかもな。


 その意見にはみんな賛成だったらしく、宿に帰って休むことになった。


 なった、んだけど……


「なんで大部屋なんだよ?」

「仕方ないじゃん、ここしか空いてなかったんだから。それにそれなりに滞在する予定なんだから、個室人数分借りるより大部屋一つ借りた方が安いんだって。予算も無限じゃないんだし」


 東遠征に出るに当たって追加で予算は出たんだけど、半分近くここに来るまでに使ってしまった。

 帰りのことも考えるとここはできるだけ節約したかったのだ。


 だから、我慢してくれとしか言えないんだよね。


「別にいいだろ。同衾するわけじゃあるまいし」

「十年間こいつら二人と同部屋だったお前だから言えるんだよそれは……まあ、俺はいいけどよ……師匠はいいのか?」

「私も別に構いませんよ?二人から五人に増えるだけですし」

「はぁ……ならまあいいか」


 どこか不服ながらも納得してくれたらしい。


「ふぅ……」


 ようやく一息つけた……なんだかんだ一ヶ月の長旅は堪えるな……


 でもまあ、今日からは宿って拠点が出きるわけだし、しばらくはゆっくり動けるだろう。



 まあ、何にせよ、今日はゆっくり疲れを取ろう。、

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