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7-40 推測

「ふむ……レイのあの魔道具が絡んでるって読みで合ってるんじゃないか?というかそれ以外に推測材料になる情報がない」

「だよねぇ……」


 何か推測するにしても断片的な情報しかないからなんとも言えないんだよなぁ……


「ただ、後遺症が残るような技を使うあたりただ事じゃなかったはずだ。そうせざるを得ない事情があったんじゃないか?」

「何者かに命令された可能性はないのか?どう見ても乗り気には見えねぇし、人質でも取られて強制的に戦わされたんじゃないのか?」

「確かに……」


 それならまだ桜華の自信ありげな態度や発言とは食い違わない。

 人質を守るために行ったことならまだ正しいことのような気がする。


 賊に子供達か、他の亜人を人質に取られて行動の主導権を握られた、そう考えれば矛盾はないような気がする。


「……でも、それってあの魔道具のこと無視してるよね。結局あれが何だったのかわからないままっていうか……重要なことを見落としてる気がするんだけど……」

「……確かに、ヒナの言う通りかもしれない」

「でもあれが起動したの二回しか見れてないし、二回ともどんな効果か分かんないまま終わってるからなぁ……お前らにわからなきゃ俺にはわからん。任せた」

「ん……これこのまま考えても答えでなくないか?」

「……だね。一旦行動の理由とあの魔道具のことは置いとこうか。あと気になるのは……」

「あのドラゴン?と最後の様子か」


 魔道具の推測は一旦諦め、次の議題に移る。


「ドラゴンに関しては単にそういう魔物がいた、で片付けちゃ駄目なのか?魔物が普通にいる時代なんだろ?」

「いや、魔物の発生は崩れたバランスを一回リセットするための措置だろ?なら魔物が優先して襲うのは人口が密集する都市部のはずだ。亜人の集落に加え、賊が集まったとはいえあそこまでの大物が来るか?」

「あー……なるほど、確かにな」

「見る限り魔物に襲われた記憶はないから多分間違ってないと思う。でもだとしたらなんであんなのが……」

「……ねえ、あれっさ、オウカが言ってた亜人の変身って可能性はない?」

「あの混ざってる獣の姿になれるってやつ?」

「そうそれ。誰かがあのドラゴンの混ざりで、変身したって可能性はない?」

「……ヒナの意見もあり得るかもしれない。それなら亜人が襲われた時、反撃のために変身したってことで説明もつく」


 あれは魔物ではなく誰かが変身した姿、か……あり得る。というかむしろ納得できる。

 あんな巨体がずっと痕跡を残さず隠れてたとは思えないし、急に現れたことについても納得できる。


「じゃあドラゴンは亜人の変身ってことでいいか?」

「だね。とりあえずそれでいいと思う」

「じゃあ後は最後のアレか?あれはもう分かんなくねぇか?場面が飛びすぎて何が何だかわかんねぇし」

「だよねぇ……あれも一旦保留かなぁ」

「ん……」

「あ、起きそうだし一旦終わりにしよっか」

「だな」


 秘密の話し合いは一旦終わりにし、桜華が目覚めるのを待つ。


「あ……すみません、また気を失ってたみたいです」

「うんん、仕方ないと思う。むしろ何回もごめんね」

「いえ、気にしないでください。むしろ見せるだけでも難しいのに気遣ってくれてありがとうございます。それで……一つ、お願いしてもいいですか?」

「何?」

「私も十層に墓参りに行きたいです。アルカディアには……良く覚えてないんですけど、お世話になったはずなので」

「……わかった。時間もあるし行こっか。ごめんちょっと行ってくる。さくっと終わらせて帰ってくる」

「わかった。……二人で大丈夫か?」

「うん。十一層以降には行かないし大丈夫だよ」

「……そうか。なら俺達はギルドで待ってる。帰ってきたら通声機(ボイスコネクター)で連絡してくれ」

「うん、わかった」


 手早く身支度をすませ、迷宮に向かう。

 今回はただの墓参りだし、三人を付き合わせることもないだろう。


 にしても墓参りか……前にいってからそんなに時間経ってないけど、色々あったしアルに話しておきたいしちょうどいいかもしれない。



 そんなことを考えつつ、迷宮に向かって歩いていく。

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