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7-25 巷で噂の

「じゃあ、また明日」

「ああ。また明日な」

「また明日〜!」

「また明日」


 夕食を摂り終え、各々部屋に戻っていく。


 にしても今日は色々あったな……一気にここまで進んだのって初めてじゃないかな?


 十五層が砂漠になってたり、結構めんどくさそうなことがわかったり……

 でもまあ、ジャングルの十一から十四層までは問題なく進めるって事が分かっただけでもありがたいし、砂漠ってことがわかったならそれに合わせてペース考えて行動できる。

 色々考えないとな……


 ……でも、今はいいかな……疲れた。


「寝よ……」


 体に溜まった疲労に任せて意識を手放す。


 そうして泥のような眠りについて数時間後──


「……もう朝?」


 なんか寝た気がしない。そんなに疲れてたのかな……?

 でもまあ不調は無いし大丈夫でしょ。


「ん〜っ」


 体を起こし、伸びをし、身だしなみを整え三人と合流しに行く。


「あ、おはよう」

「おはよう」


 今日もマルクの方が早かった。

 最近は負けてばっかだな……


「あ、来たぞ」

「おはよ〜!」

「おはよう、ヒナ」

「すまん、遅れた」

「全然大丈夫だよ、ベイン。じゃ、入ろっか」

「あ、遅れてきたやつが言うのもなんだがちょっといいか?」

「ん?何?」

「たまには情報屋の方で食べないか?あっちのほうが迷宮に近いし新しい情報とか無いかと思ってな」

「あ〜……アリだね。たまには行ってみよっか。二人はどうする?」

「俺は構わない。二人がそっちに行くなら俺も行く」

「私も〜」

「じゃああっちで食べよっか」


 ベインの提案で朝は外で食べることになった。

 情報収集もできるしたまにはこういうのもいいかもしれない。


 そこまで離れてないのでサクッと移動して、手早く注文を済ませる。


「なんか面白そうなのあった〜?」

「ヒナ、面白そうなのじゃなくて役に立ちそうなの探すんだよ」

「は〜い」

「ん〜……やっぱり十一層が見つかった、って記事ばっかりだ。その先の記事はあんまりないな」

「何年も九層で足踏みしてたらしいしね」


 やっぱり話題になるのは十層、十一層がどんな場所なのか、じゃなくて見つかった事の方だよな……

 というかそもそも見つかったってのがガセネタって考えて探索に行かない冒険者も一定数居るらしいし、実力的に行けないパーティーも一定数居るはずだ。


 そんな中でわざわざ行って情報を公開する人なんてなかなか居ないだろうしあったとしても十一層の事ばっかりだ。


 しかも胡散臭いやつも多いし……やっぱり使えそうな情報は無さそうだな……


「やっぱり信用できるやつは無さそうだね」

「だな……話題になるのはの新しい層が見つかった、って事だけでその先に目を向けてるのはごく一部の人だけだ」

「そもそも九層まで探索に行ってたのも一部の人だけだったみたいだしね〜。そのなかでさらに下まで行くのって冒険者全体の中でも一パーセントもいないんじゃない?」


 ヒナの言う通りかもしれない。

 そもそも九層の探索に行ってたのも実力が上位数パーセントに入るようなパーティーか、物珍しさや好奇心で無理して行ってるような冒険者くらいだっただろうし、安全やお金のことを考えるなら大半の冒険者は最前線には行かないだろうな。


「でも信用できそうなのもあるぞ。例えば、ほら」


 ベインが指を差した記事を三人で読む。


『九層のさらに先に潜る若き四人の冒険者!』


 ……うん、もうタイトルだけで読みたくなくなるけど……読まずに判断するのもアレだし読むだけ読んでみよう。


『まだ若い子供のような四人の冒険者が九層のさらに下、十層以降に出入りしているのが目撃されており、『アンブロシア』の徽章を身に着けているのを目撃したとの報告もあります。若き四人の冒険者は何者なのでしょうか!?その若さと徽章から読み取れる実力から通り名がつけられており、白髪の冒険者は──』


 もうそこで読むのをやめた。自分につけられた通り名とか恥ずかしくて知りたくもない。


 同じ事を考えたのかマルクとヒナも読むのを止めた。ベインだけは最後まで読んでた。


「はいお待ち」

「あ、ありがとうございます」


 ちょっど注文した料理が運ばれてきたので記事漁りを中断し、食事を摂る。



 はぁ……酷いものを見た……

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