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6-4 相違

 アルカディアの固有魔術によって部屋が魔力で満たされ、壁をスクリーンにプラネタリウムのように映像が映し出される。


 それは、まるで本当にその時代に生きているような──


「これは……」

「これが俺の固有魔術だ。この体の能力で記憶を読み取り、蜃気楼を作り出して現実にその記憶の風景を作り出す。ちょっと工夫すれば記憶にないものも作れる。こんな感じにな」


 そう言うと魔力を手に集め新しい蜃気楼を作り出す。


 それはいかにもな両刃のロングソードで、名のある聖遺物と言われてもそう思ってしまうほどに精巧な作りで、それから感じられる魔力も、威圧感も本物しか思えないほどだった。


「ま、どうあがいても偽物は偽物だから基本役には立たないんだけどな」


 そう言うとその魔剣のような蜃気楼を放り捨ててしまう。

 本人の手から離れ、その姿を維持するための魔力の供給を止められた瞬間、さっきまでとてつもない威圧感を放っていた剣が一瞬にして霧散してしまった。


 凄まじい練度だ。長く使い続けて変質したにせよこのレベルまで磨き上げるのに一体どれだけの労力を注ぎ込んだのか......最初から自由に動ける体だったとはいえ五年でここまでのレベルにするには極めるジャンルを絞って、狂気的な鍛錬をするか、それこそ神様に愛されたような才能があってギリギリだろう。


 多分『ステータス』で見たらLvは百を超えてるだろう。

 五歳のときから練習してきた《霜獄の領域フロストウィント・フィールド》も、常に使い続けてる《空間把握(グラスプ)》もまだ八十台だ。

 なんのためにそこまでしたのかは分からないが相当な理由があったんだろう。


「すごいね......何したらこのレベルになるの?」

「俺が何かしたわけじゃない。ほとんどこの体の持ち主、リンが極めたものだ。なんでも転移者の転移先になるために頑張ったらしい。俺はそれを小説家らしく想像力働かせて利用して、転移者特有の血の力を使って読み取ったものを投影してるだけだ」


 転移先になるために......どれだけ切羽詰まった状況だったら自分の人生なげうって名前もしたない転移者にすがるんだろう。

 そうとう緊迫した世の中だったんだろうな......


 少女がそこまでしなきゃいけない状況だったことに同情しそうになる......が、今は情報を得ることに集中しないと行けない。

 軽く腹で呼吸をし、感情を整理する。


 さっき血の力を使って読み取ったって言ったな......ってことはアルカディアの血魔術は情報を読み取るような性質に変質してるのか?


「アルカディアの血属性魔術って変質してるの?」

「変質......してるかどうかはわからないけど転移者は全員血の力──血属性魔術の使い方は違ったな。多分、俺は血を代々受け継いできた情報の詰まったもの、みたいに考えたからこうなっただけだ。ま、こう使うための土台もあったしリンも同じように考えてたのかもな」

「なるほど......」


 どうやら本当に体の持ち主が頑張ったみたいだ。

 そしてその持ち主と考え方が同じだったみたいでアルカディアとかなり相性がいいみたいだ。


「血属性って転移者限定のものなの?」


 私含め転移者はみんな血属性を先天属性に持ってたみたいなので聞いてみる。


「いや、そういうわけじゃない。同じ属性の力を持ってる者もいた。ただ、転移者はもれなく血の力を持ってた。お前もだろ?」

「うん」

「多分、その力を持ってる者だけが転移の資格を持ってるんだ」

「そうなの?」

「詳しくは知らないが転移の術を使った爺さんがそんなこと言ってた」

「そうなんだ......にしても凄いね。魔法陣が出てないってことは先天属性だけでやってるんでしょ?それだけでここまで精巧に作るなんて......」

「同感だ。リンは相当頑張ってた。その記憶も先天属性......今の時代じゃ生まれ持った力の属性をそう呼ぶのか。それに魔法陣を作るのが当たり前になってるとはな......」

「アルカディアのときはそうじゃなかったの?」


 魔法陣を用いて魔術を使うのは今じゃ当たり前のことだ。


「俺のときはまず魔力を知覚できない人ばっかりだった。転移者は転移の術式を通してある程度知覚してたみたいだから俺達は苦労はしなかったけどな。だから先天属性だけでも魔術を使えた人は天才扱いされたし、先天属性以外の属性を使えた人は神のように扱われてた。俺達を召喚した爺さんなんてやばかったぞ。ま、召喚術式は先天属性みたいだったし結局寿命で死んじまったんだけどな。んで、リンは火の先天属性以外にも血の属性も扱えたんだ。そんな天才が俺の入れ物になっちまったって聞いたときはなんでそんな馬鹿なことしたんだって思ったけどな──っと、話がそれたな。まあそんな感じでこの時代とは色々違ったんだ」


 今のように一般的なもの、それこそ魔道具のように誰でも使える品物じゃなっかたらしい。

 前世の超能力者とかに近かったのかな。


「こっちに来てからは当たり前のように何属性も使うからほんとびっくりした。滅茶苦茶研究が進んでるみたいだな」

「だね」

「そういうの後でお前の記憶読み取って見てみてもいいか?」

「いいよ。というかどうせ後から私の記憶も見せて情報共有するんだから自由にしていいよ

「わかった──っと、準備できたぞ。......先にいいておくがかなり刺激が強い映像だ。当たり前のように血が流れる凄惨な時代だった。それでも見るか?」

「......大丈夫、見せて」

「わかった」


 部屋の壁に映し出された世界が一瞬にして違う場面に飛び、前世の日本のシーンが映し出される。


「それじゃ、俺が転移するところから見よう」



 日向奏汰/アルカディア・ムーンライトという男/女の人生が映し出される。

 書きたいこと書いてたらごちゃごちゃになってきちゃいました......

 誤字脱字の見落としの指摘も沢山送られてきましたし不甲斐ない限りです。


 これからもグダグダ書くことになると思いますが温かい目でこの作品を見守っていただけると嬉しいです。今後ともご愛読のほど、よろしくお願いします。m(❁_ _)m

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