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5-68 魔導榴弾

「よし……」

「お疲れ様」

「ありがとうございます」


作業が終わったのを見てかダグラスさんが冷えた水とタオルをくれる。


一回実験で冷やしたとはいえそれでもかなり暑く汗をかいたのでありがたい。


「にしても凄いな」

「……?」

「集中力だ。このクソ暑い空間でよくそこまでできるな」

「それはダグラスさんもじゃないですか?」

「俺はもう慣れてるからな。一昨日もだが作業を始めてから完成させるまで一度も手を止めてない。……やっぱものづくりするほうが向いてるんじゃねぇか?」

「やりたいことの役に立ってるからこれでいいんです」

「まあそうだな、お前からしたらそうなんだろうな。けど勿体ねぇな……色々仕込んだら大成しそうなもんなんだけどな〜」

「ほっといてください。もう沢山言われましたから」

「ま、だろうな。その上で冒険者なんてもん選んだんでるんだ、俺に口出しできることじゃなかったな。……っと、もう五時か。そろそろ俺も作業に戻らねぇと仕事が終わらねぇ」

「お疲れ様です。それじゃ、そろそろ失礼しますね」

「おう、またなんか必要になったら来いよ」

「はい、そのときはまたよろしくお願いします」

「おう。んじゃ、またな」

「はい。それでは、失礼します」


一礼し、熱気のこもる鍛冶場をあとにする。

そしてこれからどうするかを考える。


まだ五時か……夕食にするにしてもちょっと早いしな……とりあえず三人の誰かと合流しようかな……

そこまで考えたところで一つのことに気づく。


「……一回帰ろう」


乱れた髪、汗をかき張り付いた服。

迷宮帰りとかならまだしも人前に出るのは躊躇われる外見だ。


何をするにしても一回着替えるところからかな……


















「今日はマルクがいちばん早かったね」

「だな。レイ、体調はどうだ?」

「もう大丈夫だよ」

「なら良かった。まだ良くなってなかったら魔術薬(ポーション)でも差し入れようと思ってたんだが......」

「ふふっ、ありがとう。でも、もう大丈夫だから気持ちだけ受け取っとく。それで、お返しっていたらあれだけど......はい」

「これは......魔道具?レイが作ったのか?」

「うん。さっき鍛冶場で作ってきた」

「そうか。これが例の精霊種対策なのか?」

「そうだよ。ざっくり説明すると魔力の爆弾かな。ここに好きな属性の魔力を込めて、ここで設定した時間の後に起爆するようになってる」

「なるほど……これを投げ込んで内側から爆破する形になるのか?」

「お、よくわかったね」

「あいつら物理的には何してもすり抜けるっぽかったからな。一番効果的に攻撃するならそうするのが一番だと思ったんだ」

「よく理解してるね、これなら説明しなくても大丈夫かな。それじゃこれ一個マルクに渡しとくね」

「わかった。……なあこれ名前とかあるのか?」


金属球をポケットにしまう前に一つの質問が投げかけられる。


「名前……考えてなかった。強いて言うなら……魔導榴弾(マジックグレネード)とかかな?ていうかなんで急に名前?」

「いや呼びづらいと不便かなって思ったんだ」

「あ〜……確かにそうだね。次からはちゃんと考えとこうかな」

「まあ何か考えといたほうが呼びやすいかもな。……っと、ヒナ!ベイン!こっちだ!」

「あ!レイチェルちゃん!もう大丈夫なの!?」

「うん、もう大丈夫」

「よかったぁ……ちゃんと寝てって言ったじゃん!」

「あ〜……うん、それはごめん。でも……はい」

「なにこれ」

「精霊種の対策に作ってきた魔導具だよ。使い方は後で食べながら説明するからとりあえず入ろっか」

「だな。腹減った」

「いつまでもここで喋ってるわけには行かないしな。中で座ってゆっくり話そう」


酒場の中に入り空いてる席に座る。


それから注文を決め、店員に伝えてから改めて話を戻す。


「それじゃ改めて、魔導榴弾(マジックグレネード)について説明するね」



より迷宮の深層へ潜るための秘策の情報を共有していく。

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