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5-37 作戦会議

「じゃあまた夕食のとき、六時半くらいににここ集合でいい?」

「ん?ああそうか、飯も一緒に食うのか。わかった、六時半だな」

「わかった」

「じゃあまた後でね〜」

「また後で」


 一旦解散し、各々借りた部屋に戻る。


 迷宮でのトラブル、大浴場に行ったこともあって疲れが溜まっていたのか体が重たい。

 早くベッドで横になりたい。


「はぁ〜……」


 扉を開け、拡張収納(マジックバッグ)を放りだし、ベッドに大の字で横になる。


 まだ横になったばかりなのにもう眠たい。

 仮眠をとってもいいが……絶対起きれないな。

 かといってやることもないし……う〜ん暇だしあれやっとくか。

 となると紙が足りないかもな。買いに行くか。


 横になったばかりの体を起こし、拡張収納(マジックバッグ)を掴んでもう一度部屋の外に出る。


 目指すのはギルドの売店。欲しいものを調達しに歩き出す。


「え〜っと……あった」


 ギルドの売店にも一回案内してもらってるのですぐに来れた。

 目当てのものは……よし、結構あるな。


「すいませ〜ん、これください」

「はいはい。……この紙全部買うの?」

「はい」

「わかりました……全部で銀53です」

「わかりました……はい」

「え〜っと……ちょうどですね。ありがとうございました」


 ちょっと値は張ったが仕方ない。学院にいたときに先生と約束したことだ。

 まあ手紙書いたりするのにも使うし紙はいくらあっても困らないだろう。


 よし、目当てのものはゲットできたし部屋に戻るか。


 大量の紙を拡張収納(マジックバッグ)に詰め込み売店を離れ部屋に向かう。


 売店と借りてる部屋まではそう離れてないので五分も経たずに戻ってこれた。


「よし……」


 紙とペンを机の上に出し、忘れないうちに文字を綴る。

 内容は今日の透光蜥蜴(インビジブルリザード)の異常行動だ。


 学院にいたときに先生と迷宮のことを論文にして送るという約束をしてたのだ。

 論文を書けるだけ知識と技量を持った生徒が冒険者になるなんて珍しく、迷宮関連の研究が進まないので余裕があったら書いて送ってほしいとのこと。


 お金も貰えるし珍しいことに遭遇したのを記録に残すくらいの気持ちで紙の上の文字として残していく。


















「よし……こんなもんかな」


 一通り書き終え、封筒に詰める。

 あとは郵便局に持っていって投函すれば終わりだが……まあ明日でいいか。


 それよりそろそろ六時半だ。移動しよう。


 部屋から出て酒場前の合流地点に向かう。

 この道ももう完全に覚えたし慣れたな。


「あ、レイチェル」

「ベインが一番早かったのか」

「ああ。本当に合流場所があってるか不安になってきたところだ」

「ごめんごめん。まあ多分そろそろ来るはず……あ、ほら」

「すまん待たせた」

「ごめんお待たせ〜!」


 マルクとヒナの二人がこっちに向かって歩いてくる。


「じゃあ入ろっか」


 全員揃ったので酒場の中に入り、空いてる席に座る。


「なに注文する?」


 机の上にメニューを広げ、注文を決める。


「じゃあ俺はこれで」

「俺はこっちで頼む」

「じゃ私これで」

「わかった。じゃあ注文するよ」


 ゴールデンタイムで忙しいところ悪いがウェイターを呼び、注文を伝える。

 めちゃくちゃ忙しそうだし料理が来るのは結構あとになりそうだな......ま、仕方ないか。


 じゃあこの時間を使って話しとくか。


「ちょっと話があるんだけどいい?」

「ん?なんだ?」

「ベインが加入するからさ、作戦を組み直したいんだよね」

「そうだな。それは俺も言おうと思ってたところだ」

「じゃあ基礎的なところから固めていこうか。今私たちは前衛にマルク、後衛にヒナ、状況に応じて対応出来る遊撃を私が担当してる」

「まあ妥当だな。まあそっちの役割分担がどうあっても俺は前衛以外出来ない。となるとレイチェルが後衛になって前衛二、後衛二の立ち回りになるか?」

「それでいいんじゃない?でもレイチェルちゃんが後衛だけの立ち回りになると魔力持つかな」

「多分枯渇する。だから結局前衛の補助になると思う」

「じゃあ前衛二、後衛一、遊撃一か?」

「そうなるかな。てかそもそも私が《空間把握(グラスプ)》での索敵とか近中距離に対応できるから状況見て行動できる遊撃っていう結構独特な立ち位置になってるから私の立ち回りはこれから決める作戦次第になるかな」

「じゃあその作戦を詰めていくか」

「だな。じゃあまず──」


 迷宮のあらゆる状況に対応できるよう作戦と立ち回りを詰めていく。


 思い返せばベインと戦ったことは無いからなんだか新鮮だ。

 ずっとこの三人で探索する予定だったからベインっていう新しい手が増えたのが戦略の幅が広がって面白いな。



 本当に、仲間が一人増えたんだな。

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