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5-34 移籍

「よし、到着!じゃ、手続きしてくるから待っててくれ」

「私も行ってくるね」


検問所で手続きをするためにカイさんと二人で検問所へ向かう。


四層を出発してからたった一時間で戻ってきたな……さすがに早すぎない?

道中起こったアクシデントとかの対処も手慣れてたしどんな些細なことでも気づいて問題になる前に潰してた。

熟練の冒険者の技術というか、レベルの高さを見せつけられたな……

まだまだ学べるところは多そうだ。時間があったら色々聞いてみようかな。


「終わったぞ」

「じゃ、私たち帰るわ」

「何かあったらまた呼んでくださいね」

「んじゃ、またな」

「じゃあな、またなんかあったらよろしく頼む」


カイさんが手続きを終えたのと同時にカイさんのパーティーが解散した。

てか言い方的に常日頃から組んでるわけじゃないのか?

まあプライベートに踏み込むのも良くないし聞かないほうがいいかな。


「そういえばお前らはこれからどうするんだ?」

「そういえば決めてなかったね」

「俺は何もないな」

「私お腹すいた〜」

「まあいい時間だしな」

「なら飯食いにいかないか?奢るぜ?」

「え、いやさすがに……」

「いいんだよ依頼で結構儲かったし。それにちょっと話したいことがある」

「……じゃあ、ご馳走になります」

「よし、じゃあ行くか」


歩き出すカイさんの後ろを四人でついて行く。


















「好きなもの頼んでくれ」


席につきメニューを広げ、各々注文を決める。

そしてそれをカイさんがウェイターに伝え、注文を終える。


「それで、話ってなんですか?」


一番最初に本題に入る。

カイさん側から頼むってことは多分それなりに大変なことなんだろう。


「それなんだが、ベインをそっちに混ぜてくれないか?」

「え」

「え」

「え」

「え?」


ヒナ以外の全員が同じ音を同じイントネーションで発音する。


「待ってください!俺追い出されるんですか!?」

「いや、そういうわけじゃない。これはお前の成長のためだ。簡単に言うと俺の所にいるとお前の能力を活かせないと思ったからだ」

「……弱いからですか」

「違う。単純に噛み合わせが悪いだけだ。お前の強みは中近距離での戦闘だ。それを一番活かす立ち位置にすると俺と被って噛み合わせが悪くなる」


つまりバランスが悪くなるという話か。

前衛ばっかりだと互いに仕事を取り合って成長に繋がらないし隙を晒して危険を呼び込みかねないんだろう。


「それに実力が近い者同士で組んだほうが学べることも多い」

「……なるほど。わかりました」

「どうだ?そっちにも利のある話だと思うんだが。確かそっちは前衛がマルク、後衛がヒナ、それで色々対応できる遊撃にレイチェルって感じだろ?だったら前衛が一人増えればもっと安定すると思うが……どうだ?」

「こっちとしては別に構いません。いいよね?」

「いいよ〜」

「ああ。ただ俺はベインはカイさんのところで活動すると思ってたからちょっとびっくりした」

「それは私も。ベインがカイさんの所に入れてもらう事になった経緯(いきさつ)は知らないけどしばらくカイさんの所にずっといるんだと思ってた」

「まあその経緯は追々話す。ただ突然の話だったので俺も驚きましたよ」

「それはすまなかった。とりあえずそっちに混ぜてもらうって話は成立したってことでいいか?」

「はい。私たちも人柄をしってる学院時代の友人と組めるのはありがたいです」

「それじゃ、ベインをよろしく頼む。ベインはまだ銅階級だから銀階級以上が同伴じゃないと迷宮に行けないんだ。そのうち紹介しようと思ってたんだが色々手間が省けて助かったぜ」


ベイン移籍の話は私たちのパーティーに移籍するという形で決定した。

私たちのパーティーは後衛よりの能力の方が多かったので前衛が増えれば色々やりやすくなるし助かる話ではある。


まあ当の本人はあまり乗り気じゃなさそうだが……大物の先輩から自分のことを思ってもらって移籍しろと言われたら断れないわな。


ギルドに戻ったら色々作戦立て直さないとな……


「お待たせしました」


話が一段落ついたタイミングで料理が運ばれてくる。

もしかしたら話が終わるのを見計らってたのかもしれない。


「それじゃ、話も一段落ついたし食べるか」

「はい、いただきます」

「いただきます」

「いただきます」

「いただきます!」



久しぶりに顔を合わせた友人と机を囲み、料理に手を付ける。

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