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5-30 迷宮探索、第三階層探索開始

「あ、ヒナ」

「お待たせ〜」

「全員揃ったな。行くか」


 朝食を食べ終え、迷宮探索の準備を済ませ合流した私たちは迷宮区へ向かう。


 この道を通るのもこれで三度目。

 少し遠いが道はもう完全に覚えたし《空間把握(グラスプ)》があるから迷うことなく最短最速で移動できる。


 それにギルドの徽章のおかげかゴロツキに絡まれることもないので足を止めることなく目的地に向かって行ける。


 この二つのおかげで午前八時、ギルドを出てから三十分ほどで迷宮の入口まで来れた。


「じゃあ手続きしてくる。」

「わかった」


 検問所の受け付けで書類に名前、所属組織、滞在予定時間を記入し手続きを終える。

 他の人はもっと時間かかってるっぽいしこういう所でも『アンブロシア』への信頼が影響してるんだろうな。


「終わったよ」

「ありがとう」

「ありがと〜!」

「それじゃ、行こっか」

「ああ」

「うん」


 手続きを終え、薄暗い迷宮へ踏み入る。


「《暗視(ナイトヴィジョン)》、《空間把握(グラスプ)》」


 暗闇でも視界を確保する身体強化の術式を掛け、同時に《空間把握(グラスプ)》を再展開し、より魔力を込めて効果を強める。


 これから向かうのは迷宮第四層。

 現在攻略されてる最深層までの折り返し地点とされる場所だ。油断が許されるような場所ではないだろう。


 危険に身を投じる覚悟を決め、最大限警戒しながら足を進める。



















「よし、とりあえずここまで無事に来れたね」


 二層から三層へ降りる階段、前回の到達点まで全員無事に到着した。


「とりあえずこれ飲んどいて」

魔術薬(ポーション)?怪我はしてないぞ?」

「これは魔力回復用の魔術薬(ポーション)だよ。即効性はないから早めに飲んでいて。ここから先は何が起きるか分からないから万全の状態にしときたい」

「なるほど。わかった」


 私の考えを理解し、瓶の中の液体を一息に飲み干す。


「……レイ、水あるか?」

「あるよ、はい」

「助かる」


 空になった瓶に水を注ぎ、マルクに手渡す。


 実は魔術薬(ポーション)って結構独特で、好き嫌いが分かれる味だ。

 それに効果ごとに味が違うので人によってはどうしても飲めない効果があったりする。


 私はこの味嫌いじゃないんだけどな……


「ヒナも飲んで」

「の、飲まなきゃダメ?」

「うん。てかヒナは魔術主体で戦うんだからヒナが一番飲まなきゃだよ」

「はぁ〜……」


 大きくため息をつき、鼻をつまんで一気に飲み干す。

 そしてすぐに水を大量に飲み、口の中に残った魔術薬(ポーション)の味を洗い流してる。


 とりあえず二人も飲んだし私も飲むか。


 瓶の蓋を開け、青色の液体を胃に流し込む。

 口に入ったのと同時に辛いとも酸っぱいとも言えない味を感じる。


 例えるなら生姜とレモンと砂糖を混ぜたみたいな味だ。

 この体の中心がぽかぽかする感覚も味も嫌いじゃないんだけどな……どうも世間一般ではまずい扱いらしい。


「よし、行こう」

「わかった」

「了解!」


 準備を終え、階段を下る。


「魔物は……居ないね。とりあえず四層に向かおう。ただ罠には気を付けて」

「わかった」

「じゃあ私は昨日話した通りずっと飛んで移動するから」

「わかった。ただ魔力には気をつけてね」

「わかってる。《爆風翼エクスプローシブウイング》」


 ヒナは術式を起動し、緻密にコントロールされた爆風で体を浮かせる。


「毎度思うけどそれ疲れないの?私が使った時腰折れそうだったんだけど……」

「慣れたら意外と楽だよ?それに魔術の風で色々補助してるし」

「ならいいんだけど……きつくなったらすぐ言ってね」

「わかった」

「それじゃ、行こう」


 四層への階段を目指して二人は歩き、一人は宙を飛んで移動し始める。



 ここから先はまだ様子見もしてない危険区域だ。一分の油断もなく、全力で行こう。

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