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5-13 初仕事

「おはよ……」

「おはよう」

「……大丈夫?」

「なんか……頭痛い……」

「二日酔いってやつだな」

「私もそう思う。《治癒(ヒーリング)》」

「あ〜」

「加減知らないのにあんな飲むから……どう?マシにはなったんじゃない?」

「うん!もう全然痛くない!ありがと〜!」


 ダメ元で掛けたけど二日酔いに治癒魔術効くんだ……

 まあ治ったならよかった。


「それで今日どうする?レイは防具の製作頼んでるんだろ?」

「うん。明後日くらいにできるらしい」

「じゃあそれまで迷宮には行けないね。てか私も作ってもらおうかな」

「俺も作ってもらおうかな」

「じゃあ鍛冶場に行ってきたら──って場所わかる?」

「……わかんない」

「……俺もだ」

「じゃあ案内するよ」


 昨日通った道を辿り、あの分厚い鉄扉を目指して足を進める。


「失礼します!」


 鉄扉を押し、熱気の籠もる鍛冶場に踏み込む。


「おう昨日ぶりだな。どうした?まだ装備はできてねぇぞ」

「今日は仲間の装備も探しに来たんです」

「こんにちは。つい先日入会しました、マルクです」

「ヒナです!」

「おう。んでこいつらも装備揃ってないのか」

「はい。これから揃える予定です」

「んじゃ、あっちに色々置いてあるから使えそうなやつ探してこい。ちょっと合わないくらいは調整してやる」

「ありがとうございます」

「けどそっちの娘は多分合うやつないな。二人分まとめて作るから採寸だけするぞ」

「分かりました!お願いします!」

「じゃあマルク、探そっか」

「わかった」


 昨日と同じように武器防具の山からサイズの合うものを探し、片っ端から試着していく。


「マルク、これは?」

「ちょうどいいな。胸当てはこれでいい。あと肩当てだな……これいいかも」

「じゃあ全部見つかったね。ちょっと確認してもらおうか」


 ヒナの採寸が終わったタイミングで選んだ装備の最終確認を頼む。

 不備があったら困るからな。


「ん〜ちょっと合ってないな。これも直してまとめて明後日渡す」

「わかりました。ありがとうございます」

「おう。んじゃまた明後日こい」

「わかりました。それでは失礼します」


 鉄扉をくぐり、熱気の外へ出る。


 外との温度差が凄いせいでめちゃかちゃ涼しく感じるな……


「これからどうする?」

「私ここの売店気になる!」

「俺も」

「じゃあ二人でお店見てくる?じゃあ私受け付けで依頼見てくる。私たちでも受けられるやつがあるかも」

「わかった。それじゃちょっと行ってくる」

「いってらっしゃい」

「いってきま〜す!」


 二人と別れ、受け付けに向かう。


















 大量の依頼が張り出されたコルクボードの前で、様々な依頼に目を通していく。


 内容としては行方不明者の捜索、酒場のセキュリティ、人や物の護衛保護、なんなら郵送まで。

 色々あるが基本体力、戦う力が要求される仕事が多い。


 私たちでも受けれそうな仕事……

 高ランクに指定されてるものは駄目、さらに言うなら真正面からの戦闘が想定されるものは好ましくない。


 その上で受けられそうなもの……あった。


『店舗移転のため引っ越しの手伝いがほしい。内容は荷物をまとめ、移転先に運ぶのを手伝ってほしい。治安の事もあって護衛も兼ねています。


 依頼者 道具屋ライラック     階級 銅以上』


 内容はざっくりこんな感じだ。

 東区の道具屋が店舗を移転するから護衛も兼ねて手伝いがほしいとのこと。


 まあここ治安良くないし強盗を警戒するのも無理のない話か。私もこの街に来てすぐ不良に絡まれたしな。


 それに今受けられる仕事の中じゃ一番荒事になりそうにない仕事だ。

 他の依頼はどれも戦闘が想定される。

 道具が足りてない私たちには悪くない内容だ。


 一回二人に相談してみよう。




















「いいんじゃないか?」

「う〜んまあいいんじゃない?」

「じゃあこの依頼受諾しに行こう」


 コルクボードから依頼書をちぎり、受け付けの人に渡す。


「依頼ですね。お二人は同行者ですか?」

「はい」

「階級は......はい、確認できました。こちらの書類に署名をお願いします」

「分かりました」


 書類の受諾者名の欄に三人の名前を書き、ハンコを押してもらう。


「はい。これで手続きは終了です。依頼、頑張ってくださいね」

「ありがとうございました」


 手続きを終え、正式に依頼を受諾する。

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