表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/398

1-10 『ステータス』

「それじゃお母さん、行ってくる」

「行ってらっしゃい」

「行ってきます」


 ルークと二人で家を出る。

『ステータス』がなんかの比喩なのか前世のゲームのような物なのか分からないな。

 どうせしばらく歩くしルークに聞くか。


「お父さん、『ステータス』って何?」

「『ステータス』っていうのはその人の能力を文字や数値にしてくれるんだ。あと先天属性や先天スキルを見れる。先天属性はだいたい一人一つある。先天スキルはその属性の魔術とかが多いな。お父さんは火属性だった」


 先天属性はたしか前に本で記述があったな。

 たしか体や魂にすでに魔法陣が刻まれてるから魔法陣を描かずに術を発動させられる属性…だったか。

 なるほど、たしかにそれは気になるな。

 それが分かればまたいろいろ試したいこともある。


 家から十分くらい歩いたところにある教会に向かって歩く。

 のどかな農村の風景を見ながら足を進めるか。

 ここもあと2年しか居られないとなると少し寂しいな。


 そうこうしているうちに教会に着く。

 ルークが教会の扉を開き一緒に中に入る。


「あれ?ルークさん。今日はどうされました?」


 この村の数少ない治癒魔術師──私が生まれたときも対応してくれたマリー。


「レイチェルの『ステータス』を見に来たんだ」

「あら、そういえばまだ見たこと無いんでしたっけ、じゃあついでにお祈りの仕方も教えましょうか」

「ああ、よろしく頼む」

「それじゃあレイチェルちゃん、ちょっと待っててね」


 そう言い残すとマリーはどこかに行ってしまった。


 しばらくしたあと、水晶のような物を持って戻ってきた。


「それじゃあレイチェルちゃん、ちょっとこれに触ってね」


 その水晶はよく見ると魔法陣のような物が刻まれている。

 とりあえず促されるままその水晶に触る。


 すると文字の羅列が表示される。




 名前:レイチェル/ミカミサトル  


 HP:100/100  魔力:150/150  

 レベル:2  sp:136


 職業:──


 状態:──


 ステータス:《筋力:Lv2》《体力:Lv3》《技量:Lv3》《速度:Lv2》《知能:Lv8》《魔力:Lv4》


 先天属性:氷/血


 先天スキル:《氷魔術:Lv5》《血魔術:Lv3》


 後天スキル:《転生:Lv1》《沈静化:Lv1》《魂の理解:Lv1》《魔術:Lv3》《料理:Lv3》《観察眼:Lv3》




 まずい!名前が──


 幸い手を話すとその文字の羅列は消えた。


 一瞬だったが見られたか?

 分からない。

 冷や汗が止まらない。

 ここで探りを入れられるのはまずい──


「どうしたの?レイチェルちゃん?」

「いや、ちょっと静電気が…あとこれって他の人にも見えるの…?」

「いや、他の人には見えないよ。」


 ──セーフ!

 いやほんと焦った。

 そして他人に見えないことが分かった以上、遠慮せず見られる。


 もう一度触れるとまた文字の羅列が表示された。


 ……ふむ、HPとか魔力とかスキルとかいろいろ出てきたな。

 こんなゲームみたいなものこの世界にあったのか…


「これってどういう仕組みなんですか?」

「ん〜、私も詳しいことは分からないけど昔の人が作った魔術らしくて、その人の能力とかできることを文字にして見せてくれる物なんだって。使いたい人が多いのと、複製が難しいから『クレイ教』の教会で管理されてるわ」


 この宗教『クレイ教』とかいう名前だったのか。

 しかも全国展開っぽい。


 てかできることとか能力を文字にするって言ってたけどなんか《転生》とか《沈静化》とかあるし…

 しかも後天スキル?あとから使えるようになったってこと?心当たりないのにな。

 それに前世で学んだこととかも表示されるっぽいし…とくに知能が高いのは学校に通ってた影響か?

 ほんとに周りに見えなくて良かった。見えたらどんなこと言われるか…


 ていうかこれを魔術で作ったのか…


「これ、魔術なんですね」

「らしいね、私は治癒魔術専門だからよくわかんないけど」

「なんで作れないんですか?」

「この水晶が魔術を刻み込める素材の中で一番丈夫で長持ちするらしいんだけど刻印が消えないように中に刻むのと素材があんまり相性良くないらしくてかなり腕のいい人しか作れないんだって」


 なるぼど…

 てか魔術なら陣を完コピしたら使えないのか?

 たしかに小難しい構築してるな…

 でも見ながら写していいなら割と簡単だ。

 …試してみるか。

 しっかり読み込み、イメージを定着させてから術を構築する。


「…『その力を示せ』《ステータス》」


 マリーに聞こえないよう小声で詠唱し、術を発動させる。


 成功だ…

 さっき見たものと同じ物が表示された。

 マリーが反応していないから周りにも見えてないのだろう。


 かなり便利そうだな。そしてこれ他人にもかけられるのか?

 試しにルークに向けて使ってみる。



 まさかの成功だ…ルークの色んな情報が出てきた。

 他人の能力見れるとかなかなかやばいな。


「レイチェル、先天属性は見れたか?」


 たしか氷と血の2つがあったな。

 前世の経験や技術も表示されてることを考えるとどちかが私の属性でどっちかがこの体の属性ってこともあるのか?

 それにここに来る途中ルークは一人一つ属性があるって言ってたしどっちかだけ答えるか。

 とりあえず当たり障りない方を言おう。


「氷だった」

「そうか、氷か。ならこれから魔術の練習をするときは氷を中心に練習しなさい」

「分かった」


 先天属性を使いこなせるようになれってことか?

 できることならいろんな魔術使いたいんだが…


「レイチェルちゃん、spはどれくらい溜まってた?」

「えっと…136です」

「あんまり溜まってないけどとりあえず『お祈り』の仕方教えようか」

「大切なことだからしっかり聞いてきなさい」


『お祈り』?普通に祈りを捧げるのとは違うのか?

 それに大切なこと?

 分からないがとりあえず…


 ステータスの話は終わりらしい

ゴールデンウィークが明けて本業の方が再開しましたので投稿は不定期になるか、内容が短くなるかもしれません。

申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ