占い師2
近くの宿屋で、夜、眠りにつこうと、目を閉じたとき、ふと、疑問に思った。あの占い師が本物かもしれないという疑問が浮かんだ。
<最初警戒してたし、歯切れ悪かったとこもあるし、最後失望してほしくないって言ってたからな。わざと、占いをしなかった。なぜ?考えすぎかな。いやいや、それよりも、あのアメリアさんに対して失礼なことを言ってしまったことは、謝らなくては。本気でやって人を馬鹿にしたんだ。>
次の日、占い師の建物の玄関前にやまとは、いた。
<謝らなくては、いや、謝る必要はあるのか>
やまとは、優柔不断だった。
ガチャ
目も前のドアが開き、そこから、髪で顔が隠れている女性が出てきた。占い師だ。
(あ、昨日のどう)
(昨日は、すみませんでした)
やまとの上半身は、綺麗な90度になっていた。
(あ、大丈夫ですよ、慣れっこですし)
その言葉を聞いた時、ひどく驚き、そして深く後悔した。
<これが、いつものことなのか>
(それじゃあ)
ドアを閉めようとしていた。
それを見てやまとはアメリアともう少し話したい、謝りたい、気持ちが逡巡しながらも、ドアを止めた。
バン
(す、少し待ってください)
(はい?)
(あの、昨日の占い以外の占いはありますか?)
(な、ないです)
ダメもとで昨日の疑問をぶつけた。
(じゃあ、昨日はどうして、歯切れが悪かったんですか?)
(それは、、、ちょっと言葉が詰まることがあって)
(なんで、最後に失望してほしくないなんて言ったんですか?)
(それは、、)
(どうして、警戒してたんですか?)
(どうして、、、)
怒涛の質問攻めで、気圧されたのか大きな声を出した。
(わかりました。そんなに言うのならやりますよ)
(本当ですか?)
(でも、約束してください。あなたが不幸になっても、何も言わないこと。もう嫌なので。)
<不幸になる?>
(分かりました)
(入ってください)
中に入り、昨日と同じ場所に座った。
(では、何を占ってほしいんですか?)
(占って欲しいことを言えばいいんですか?)
(はい)
(じゃあ、このタイダル国の未来はどうなるか、教えてもらってもいいですか?)
<一つ目から核心だ。これで、何かヒントが分かればいいんだが>
(この国の未来ですか、分かりました。何も起きないと思いますが)
そう言い、水晶玉をじっと見つめた。やまとには、水晶玉に何も映っていなかった。
<昨日言ってた事と違うな>
1分後
<?ずっと見つめてるけどまだかな>
(こ、これは)
驚く表情をした。
(どうしたんですか?)
(こ、これはどうゆうことですか?)
口を開けたまま水晶玉を見ていたため、体を揺らして言った。
(どうしたんですか?)
それに、ハッとしていた。
(あの、タイダル国がボロボロになっていました)
(え、本当ですか?)
(はい)
<これは、いいぞ>
(なにで、ボロボロになったか、分かりますか?)
(そこまでは、分からなかったです。でも、二年後だと思います。)
(どうして?)
(10年祭が二年後に祭りが行われるからです)
(10年祭?)
(はい、10年ごとに祭りをやるんですよ。神様に向けて祭りをするんです)
(そうなんですね)
(あと、あまり今と地形が変わってないように感じたので)
<いや、待てよ。まだ信用出来ないないな>
(でも、こんなの嘘ですよね)
アメリアは自分を笑っていた。
(それは、分からないと思います。次に、私の過去を占ってもらってもいいですか?)
(はあ、分かりました。過去は何でもいいですか?)
(はい、大丈夫です)
(では、占います)
先ほどと同じように水晶玉を見つめた。やはりやまとには、水晶玉に何も映っていなかった。
(分かりました)
先ほどよりも早く言われた。
ゴクリ
(あなたが小さい頃、みんなが一人の話を聞いていて、周りがシーンとしている中で)
<シーンとしているってことは集会かな>
(あなたが放屁をしてしまって、周りにばれてしまうという出来事が見えました)
やまとにはただ、笑ってるしかなかった。
(ハハハ)
(大丈夫ですか?)
(大丈夫ですよ、自尊心が削れていくだけなので)
<この占い師は本物だ>
(あの、)
ガチャ。扉が開いた。
(貰いに来たよ)
男と3人と女2人が入ってきた。




