占い師
<傷は、残ってるけどタオルは外そう>
やまとは、おでこの傷を触りながら、昨日言われた、二つの大聖堂の中心地まで来た。
<朝出て、もう夕方だ。結構かかったな>
人が多く、並んでいる建物があった。近くによってみると、未来幻術堂と書いてあった。
<未来って書いてあるし、もしかして、ここかな。ちょっとダサいけど。>
そこには、看板があった。
「あなたを占います。カーシー王に認められた、占い師ここいます。破格の5000ダル」
(5000ダル!嘘でしょ)
思わず声を荒げてしまった。周囲の視線を感じた。ひとまずその場から逃げた。
(まじかよ、あのアールってやつで、5ダルで、宿屋が10ダルだったんだぞ。やばいな)
バグラーからもらった、お金が入っている袋を見ると、とてもじゃないが足りなかった。
<でも、あそこまで並んでるってことは、当たるんだろうな。まずは、お金貯めないとなー>
帰ろうとした時、未来幻術堂が出てきた男女二人が話している声が聞こえた。
(あんなに当たるなんて凄かったよねー)
(いやー凄かった)
(あの占い師なんて嘘ばっかり)
(行ったよー。安いから、でも行って損)
<占い師?あ、あのインチキ占い師とか言われてる人か。一応場所を聞いてみるか>
(すみません。先ほど話していた、占い師の方の場所を教えてもらえますか?)
(すぐそこです)
男性が未来幻術堂を指さした。
(そこじゃない、占い師の方なんですけど)
(あそこに行かれるんですか?)
(はい)
(えっと右側の神様の像が向いてる方向に進めば着きますよ。あんた、随分と物好きだね。)
皮肉を言われた気がした。
(ありがとうございました)
やまとは、お礼を言い、言われた場所に向かった。
3日後
<城からも離れてきたな>
この3日間かけて、占い師の場所に向かったやまとは、ある程度タイダル国の地形がわかった。
中央に城があり、周りに大聖堂が四つあり、その周りを囲むように、買い物する場所があり、その周りに住宅街があることに気が付いた。
そして、キルシュバンのことも分かった。キルシュバンは、人が増えて、その国だけでは、全ての人を助けられなかったため、隣の国に侵攻して、隣の国を奪ったと言う。
<中央に行くほど、大事なものがるってことだから、大聖堂の近くにある、未来幻術堂ってとこは、すごいんだな>
住宅街に入った。
<ここまで、来ちゃったけどあるのかな?でも、ここまででその占い師っぽい場所がないからな。>
数分ほど住宅街を歩くと、占い師アメリアと書いてある場所がった。
<ここかな>
カランカラン
中に入ると、薄暗く、水晶玉が置かれた机に、椅子に座っている人がいた。
(すみませーん)
座っている人が立ち上がり、やまとの方に近寄ってきた。髪の毛で、顔を隠されていた。
(あの、私の噂聞きました?)
(あー、え、噂ってなんですか?)
やまとは、口調から警戒が感じたため、とぼけた。
(私、ここに最近来たので)
口調が変わった。
(私、あまり当たりませんがいいですか?)
(大丈夫です)
<やっぱり、当たらないのかなー>
(そうですか。では、こちらに座ってください)
言われた通り、座った。
(まず、自己紹介から私の名前はアメリアと申します。今日のご用件は?)
(値段って?)
(値段は、20ダルです)
<安いな>
(そうなんですね、どんな占いをするんですか?)
(私は、神から答えを聞き、その答えをあなたに伝えます)
(なるほど、質問をすればいいですか?)
その言葉に引っかかったのか、言葉を詰まらせていた。
(いや、えーと、どうしよう、今日は、違います。あなたの印象に残ってることを教えてください。そして、あなたがどういう人か占います)
<未来とを教えてくれるわけではないのか>
(なるほど、未来とかは、占えないんですか?)
(う、占えないです)
歯切れが悪かった。
<まあ、聞いてみるか>
少し、幻滅した。髪の毛で顔が見えない人と話すのは、少々怖かったが話した。
<世襲制だよね>
(分かりました。私は、子供の頃父親の仕事を継ぐと言って、結局自由を求めて継がなかったんです)
(へえ、自分で考えてるんですね)
(酔ってる人を見ると、イライラしてしまって)
(なるほど、怒りやすいんですね)
<あれ?>
(ある人が倒れたのを見て、助けたいと思っても体が動かないんですよ)
(優しんですね)
(イチャイチャしている男女を見ると、爆ぜろと思ってしまうんです。)
(ちょっとそれは、よくわかりませんが、嫉妬してしまうんですね)
<ちょっと待って、これって占い?カウンセリングの間違い?>
水晶玉も神もなにも、占いの技術を使っていなかった。
やまとは、口に出してしまった。
(もしかして、占ってない?)
(いやいや、占ってますよ、ほら)
大げさに手で水晶玉を触ったり、神から聞くような素振りを見せた。
それを見て、やまとは、深いため息をつき、言った。
(そりゃ、インチキ占い師って言われますよ)
(噂、聞いてないって嘘だったんですか?噂を聞いてどうしてきたんですか?)
(噂は、聞いてますけど、自分の目で確かめたくて来ました。)
そして、帰ろうとした時、
(ちょ、ちょっと待ってください。私、もう失望してほしくなくて)
バタン
<最後まで聞いた方が良かったかな。いや、また嘘だよ>