第一村人発見3
(ああ、あとさっきのす、スキル、ってやつそれはなんだ?)
(スキルとか魔法とか、ないんですか?)
(まほう?何言ってんだお前)
(個々の国の人たち、手から火とか氷とか、出さないんですか?)
(出さねえよ、そんなの出来るの、神様くらいだよ。剣くらいしかねえよ。)
(あ、そうですか、ないんですか、さっきのは、かっこつけて言ってみただけです)
段々と、恥ずかしくなったやまとだった。
(早く、寝ましょ)
(ああ、そうだな、寝よう)
眠るために目を瞑っていたら、女神から言われた言葉を思い出した。
(あなたには今から別の世界に行ってもらいます)
(別の世界?)
(その国に飛ばしますので、その国を救ってもらいます)
(救う?情報量が多すぎます)
<その国に飛ばすってことは、もう国に飛ばされていることだから、タイダル国だ。>
、、、、、、、、、、、、、、
(よく眠れたか?)
バグラーがやまとに声をかけた。
やまとは、バグラーの声に目を覚ますふりをした。
(もちろん、ぐっすり)
<なんてね、ぐっすりなんて寝てないんですけどね、いや、一睡も出来なかった。昨日の生肉のせいで腹を壊したからね。>
(そうか、それは良かった)
そして、バグラーは、荷物をまとめ始めた。
(移動するんですか?)
(お前と一緒にタイダル国に行くからな)
(え、一緒に行ってくれるんですか?)
(もちろん、タイダル国の近くまでだがな)
(ありがとうございます。)
2時間後
(ちょっと、休みませんか)
(おいおい、まじかよ)
前世で全く運動しないやまとには、2時間足場の悪い森の中を歩くことは、無理だった。
(はあはあ、す、すみません)息を切らしながら謝った。
(わかった、休もう)
森を歩いて、6時間、森を抜けた。目の前に、田んぼが広がっており、美しい石造りの家やレンガ造りの家が綺麗に並んでいた。町だった。それを見下ろすかのように石造りの壁でできた城があった。
(俺は、ここまでだ。これを持っていけ)
バグラーは袋を渡した。袋の中身を見ると、硬貨が入っていた。
(これって)
(タイダル国の通貨だ。今の服じゃ目立つからそれで、服でも買いな。)
(え、どうして?)
(どうして か、それは助けたいって思ったから)
そう言って、バグラーは踵を返した。
(ありがとうございました。)
森の中へ戻っていくバグラーの背中をやまとは、ずっと見ていた。
バグラーとまた、出会うのは1年後だった。
、、、、、、
ガチャ
扉から、第一女神、セラフィオナが入ってきた。
(お待たせしました。これから定例会を始めます。)
(第二神、ヴァルカナス、10国。いい成果ですね。)
(第三神、エーテリオン、8国。前回より、1つ減りましたね。もうちょっと、頑張ってください。)
、、、、、、
(第六女神アミーラ5つの国ですか、少ないですが5つ中5つなので、いい成果ですね)
、、、、、、
(第十女神レニス、1つですか、6国中1国だけですか。前と変わりませんね。何か言い訳はありますか?)
(人間が弱すぎるからな)
(ここまで、落ちるなんて思いませんでしたが、しょうがないです)
話がセラフィオナ、一人で完結していた。
(女神レニス、あなたを追放します)
(え、)