第一村人発見
(まじで腹立つわ、あの女神とかいうやつ、夢じゃないよな)
指で頬を強くつねった。
(いてっ)
(結局なんも教えてくれねーしまずはこの森を抜けねーとな、歩くならスーツ着てこなきゃよかった。)
(でも、腕時計が使えるのはでかいぞ。現在時刻は狂ってるけど、何時間経ったとか測れるからいいぞ。)
1時間ほど道などない森を歩いていると、ガサガサと物音が聞こえた。やまとは息を殺し、その場にしゃがんだ。
音が小さくなるのを聞いたやまとを立ち上がり音がした方向を見た。
ドンッ、ドンッ
そこには、スキンヘッドでいかにも蛮族が着ている恰好した人物がおり、手には斧を持っていた。斧で鹿の頭を真っ二つに切っていた。
やまとはその人物を見た瞬間恐怖覚え後ろに体を退けた時ガサッ、草の音が鳴った。やまとはすぐにかがみ、息を殺した。
なんだ?男は気になり音が鳴った方向に行った。
ガサガサガサガサ
いねえな 男はそう言い放ち遠ざかっていくのをやまとは感じた。
やまとはもう一度草の陰から見ようとした瞬間
おい、男がまだ遠くに行っていなかった。
やまとはその声を聞き体をビクンとさせ、すぐにかがんだ。上を見上げるとそこには、先ほど見た人物がやまとのことを見下ろしていた。
(お前、その服)
男は、やまとうを見て、驚いていた。
<やばい、殺される、どうしよう>
やまとは逡巡していた。
男はやまとの服を掴み先ほど自分が座っていた場所まで引きずった。男は焚き火をしていた。
やまとは引きずられている間も打開するための策を必死に考えた。
やばい、引きずられてるよ、どうしよう、逃げようかな、いや無理だ、斧投げられたら終わりだ、だったら身ぐるみはがされる方がましだ。
ドスッ、火のそばに投げられた。
(お前、そこで何をしていた。)
<この男に話し合いは通用しない。男の話に寄り添えば気が合うやつと認定してくれるか、いやダメだ、ここで俺が子分になるとのちのち大変だ。俺が親分になった方が絶対にいい。この男にはこれしかない。なんたってここは、別の世界だから、まあ大丈夫だろ>
短絡的に考えたやまとは決心した。男と向かい合った瞬間男の目を見た。
(先に私のスキルを使ってもいいですか?)
<別の世界に来たんだ。スキルとか魔法とかあるかもしれない、ここは、はったりだ! まあマンガの知識だけど>
(なに、す、スキルだと)
(悪いですが、使わせてもらいます。クローズアイ。キュイーンカチャカチャ(声))
よし、俺はちょっと怖いって昔言われてたから、これで動揺してくれるといいんだが、
2分後
(なに、この男一切動揺していない。)
<この男、目が奇麗すぎる。なんて透き通った目をしてるんだ。>
あれから何秒経った?いくら見ても変わんないだけど。この人もずっと見つめて来るし、こっちが怖くなってきてるよ、
(おい、これいつまで続ければいいんだ。)
男はそう言い放ち、立ち上がり、近くにあった斧を持った。
(え、ちょ、ちょっと待ってっください。)
男は1秒待った。
(はい、ちょっと待った。切りまーす。)
<切る、俺を?>
男は斧を振りかぶった。
やまとは目をつむった。
ドンッ、この世の音とは思えないほどの衝撃を感じた。
先ほどのクローズアイとは相手の目を見ることによって動揺、嘘、緊張などを見ることができる能力です。人によってですが。今回の場合は、動揺させるために目を見続けています。これは威圧感があるので初対面の人には使いません。
クローズアイって名前なのにクローズしてないのよく分からないですね。
あ、どうも、これからやまとの用語を教える者です。え、誰?私は、ホーネストと申します。これから、よろしくお願いしますね。