王女
やまとは、そのまま牢屋に連れ去られた。
<終わった。騙された。死ぬの?これで?まじで?ここの国奴らは確証バイアスが強い。今こんなこと言ったってどうしようもない。アメリアさん大丈夫かな。迷惑かけたな。顔見たかったな>
ご飯を持ってきた兵士が来た。
(お前の死刑日は7日後だ)
<7日後か、やるなら今にしてくれ>
(明日が死刑日だ)
ドンドンドン
<あ、兵士かな、今日は死刑日か>
(お前生きてるかー)
いつものご飯を持ってきてくれる兵士ではない男だった。
(お前を助けに来た)
(え、本当ですか?)
(ああ、本当だ。だが条件がある。)
(条件?)
(助ける代わりに、これから言うことをを絶対におこなってもらう)
今のやまとには、藁にも縋る気持ちだった。
(や、やります)
(よし、わかった)
扉が開き、歩くと見張りの兵士がいなかった。
(どうして、兵士がいないんですか?)
(まあ、ちょっと外してもらってる)
<ちょっとどころじゃない、死刑囚を逃がしてるなんて知ったら>
(ちょっとこれを被れ)
フードを渡された。
(はい)
(1日ほど歩くからな)
どこに行くのか不安だった。
(はい)
翌日、会話をしている女性二人がいた。そこを通りかかった時、気になる会話をしていた。
(聞いた?死刑囚が脱走した話)
<あ、俺のことだ>
(聞いた。その時近くに誰も兵士いなかったでしょ?)
(そう、その見張っていた兵士死刑ですって)
(そりゃ、そうでしょ、仕事なのにどっか行ってたんでしょ。当たり前じゃない。)
<え、死刑?>
やまとが助けてくれた男に聞いた。
(ちょっと死刑ってどうゆうことですか?)
(もう、そろそろ着くからその人に聞け)
20分後
(着いたぞ)
着いたのは、周りと何も変わらない普通の家だった。
(ここですか?)
(そうだ、入れ)
家に入ると、そこにはこの家に合わないような豪華な服を着ている女性がいた。
(やっと来たか)
(あなたは?)
(まだ言ってなかったのか)
女性は、男を睨んだ。
(すみません)
(まあいい、私は、第6王女のカネサリだ)
(王女様?)
(ああ、そうだ。で、本題だがこの国が滅亡するのは本当か)
(本当です)
<この人が何か企んでるのは分かる>
(そうか)
やまとが先ほどの質問する。
(あの、先ほど僕のことを見張っていた兵士が死刑ということを聞いたんですが)
(あーあれか、当たり前だな。お前を逃がしたんだからな。それがどうした?)
(死刑になるのは、おかしいじゃないですか?ほかに方法が)
カネサリが笑った。
(ハハハ、お前面白いこと言うな。まずは、自分の心配をしろよ、お前が牢屋から出てくるとき兵士がいないのは気付いただろ。お前を逃したとなったら、その兵士が罰せられることぐらい容易に想像できなかったのか?)
(それは)
(じゃあ、戻るか?)
(え?)
(いいぞ、戻っても。戻ったらお前は死ぬけど、その兵士は助かるかもな。行きなよ)
やまとは、動かなかった。
(ほらな、お前は気付いてたはずだ。でも見て見ぬふりをした。自分が助かりたいからな、自分が一番可愛いからな。でも私は、嫌いじゃないよ)