17.「学び」を忘れないということ
今日は仕事休み。私は1円パチンコを打っていました。
隣台に見知らぬお年寄りが座りました。80歳ぐらいのおじいさんです。
このおじいさん、座った台を少しだけ打つと、立ち上がって台を離れようとしました。
その時です。私は見逃しませんでした。
おじいさんの打っていた台に大当たりの確定演出が出たのです。
「ねぇっ! ちょっと、これこれ! この台!」
私はおじいさんに向かってそう叫びました。
おじいさんは振り返って
「何だね? 当たるのかね?」
と尋ねてきました。
「当たります! 当たります! プレミアム演出です! 7で揃います!」
おじいさんの台はプレミアム全回転リーチに突入しています。
するとおじいさん、「あ、本当だ……」と、眺めているうちに7が揃って大当たりしました。
台に戻って打ち始めるおじさん。
「この台は出るのかね」と尋ねてきました。
「出ます! 出ます! 7だから連チャン確定です! もしかしてパチンコを打ったことないですか?」
そう聞くと「あんまし打ったことないんだ」と言うので、簡単にパチンコの遊び方の説明をしました。
「この台は奇数で揃ったら連チャンでもう一発当たるんですよ」
私がそう言うとポケットから手帳を取り出して何やらメモを取り始めるおじいさん。勉強熱心です。感心しました。
すると今度は台の上部を指差してこんなことを尋ねてきました。
「ここのランプが光っている人を見たんだけど私の台も光るようにできるかね?」
大当たり告知ランプのことです。
「設定の仕方があるんですよ」と説明しながら設定をしてあげました。またもやその方法を手帳にメモするおじいさん。
おじいさんは絶好調で連チャンが止まりません。
おじいさんが色々と聞いてくるのでその質問に答えていたら、私の台はいつの間にか持ち玉が半分ほどに……。4000発→2000発です。
「おじいさんにパチンコを楽しんでもらえるようにレクチャーしてるんだから私の台も出してよぉ、神様」と心の中で叫びながら、ふと自分の台に視点を戻すと……
あら、びっくり。知らないうちに数字が揃って当たってる……。
最終的におじいさんは10000発、私は7000発の出玉でした。 私は投資金6000円だったから儲けは1000円ですけど。
おじいさんは10000発を持って
「ありがとう。今日は楽しかったよ」
と言って家路に就きました。
このおじいさんのように生きれたらならきっと老後も楽しく過ごせるんだろうな、と感じた一日でした。