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プロローグ


誰かが喜ぼうと、誰かが怒ろうと、誰かが悲しもうと、誰かが楽しもうと、いつも一緒にいた存在が死のうと、消えようと、そして、絶望して膝を折ろうともーー僕たちの存在するこの世界は、僕たちに目もくれはしないのだ。









 朝、目が覚めるとまずはテレビをつけて、歯ブラシを取ってきて、ソファに腰を掛けてテレビを空っぽの頭で視聴する。それが俺の朝の日課だった。

 テレビは喋る。

 戦争とはなぜ起こるのでしょうか。その理由を戦争を経験した方に伺いました。

 戦争特集がされているのである。そういえば、この月は悲劇しかなった戦争でも、最も忘れられない悲劇を民間に刻み付けた月だったか。

 ドキュメンタリーで番組が始まった。

 戦争経験者が苦虫を噛み潰すような顔で、何かに耐えるようにしながら自分が戦争で経験したことを語っていく。けれども、その語りは仕方なくという色が濃ゆいように感じた。

 俺は話もろくに聞かずにチャンネルを変えた。

 テレビの声を聞きながら、制服に着替えて、学校に行く用意を整え始めた。

 この町に引っ越してきてからまだ一ヶ月もたっていなかった。

 けれど転校手続きも自分でする必要もなかったし、俺はただ気づいたら新しい街で過ごすことになった、みたいな軽い心持だった。

 用意が万全になると、無機質に聞こえるテレビの声が、気になる内容の話をしていた。

 一年前に外国の紛争地で制圧されたテロ集団の、リーダーと思しき人物の生存が、そのテロ集団のメンバーによって供述された。そのメンバーは、そのリーダーと思しき人物のことを〈アンサー〉と呼び、仰いでいた。今もそのリーダーの身柄の確保と、他国への移動を阻止するために、空港機関や警察機関は、細心の注意を払っている模様。

 「下らね」

 俺はあほらしくてテレビの電源を切った。

 玄関に行って靴を履くと、転校初日の学校へ向かった。



 「なんだあれ」

 目に入ってきたものがおかしくて、馬鹿みたいな声が出てしまった。

 学校にもう少しで着くというところの、公園の遊具の上で、寝そべって寝ている女子学生がいた。

 そこまで急いでる訳でもないから、俺はその珍物にお目にかかることにした。

 「おい」

 反応は無かった。

 「生きいるのか?」

 当たり前だった。こんな未警戒な場所に死体が置いてあるはずもなかった。

 この少女は寝ているのだ。グーグーと寝息を立てて間抜けそうに。

しかし微笑ましくもあるような気がした。いや、そんなことはやはりなかった。死体をここに遺棄した人間が未警戒だとかいう冗談を思う前に、彼女自体が未警戒に過ぎたからだ。

 俺は遊具に乗り上げて少女の顔を見た。

少女の顔は整っていて、肌は透き通るような白さを携えていた。少し短めな髪は、見るからにふわふわとしていて、見ているこっちが眠そうになった。

 可愛いならなおさら危険だ。

 俺は耳元に口を近づけて、小さな声で、間抜けそうにこう言った。

 「そんなところで寝ていたらいたずらしちゃうぞー」

 「あ……」

 寝惚けた顔で少女は目を半分開いた。俺はなぜか面白くて笑いを無表情で堪えていた。

 少女は眠そうな顔でゆっくりとこちらを向いた。

 俺の顔を見てから、少しの間があった。

 「なんだいきみ……あれだ、ヘンタイというやつかい?」

 相変わらず眠そうな顔である。

 「なに失礼なこと言ってんの。俺はきみにいたずらしようとしていたやつをおっぱらってやったんだぜ」

 「……そんな人、ここで寝ていて、ここ二年間で一度も見かけたことないのだけど」

 盲点だった。そうなのだ。この町は凄く治安がいいのだ。それにこの珍物は、朝登校する生徒たちにも周知され、認めらていた名物のようなものだったのだ。全く、慣れという者は怖いものである。この少女の行為は本来異常な行動であるというのに、二年も続けることによって、周りにとってそれは異常なものではなく当たり前のものになってしまっていたのだ。

 「きみ……やっぱり」

 「違うんだ。俺には妹がいてさ、昔公園で寝ていたらパンツを被ったおっさんに襲われた過去があって……だからもうそんな思いは誰にもさせたくないと思って、きみを助けようとしたんだ」

 「そうだったんだ」

 少女は無表情でそう言うと、遊具から降りた。

 「それはかわいそうだったね」

 そしてそう言って少し悲しげな顔をした。

 誤魔化せたのだろうか。

 「ありがとう。じゃあ私は先に行くよ」

 そう言って少女は行ってしまった。

 何かよく解らないが。誤魔化すことに成功したようである。



 靴箱で靴を履き替えて、校舎へ入っていった。

 転校なんて経験は初めてだから、少々うきうきしていた。

 職員室に入っていって、担任の教師を呼んだ。

 教師は急ぐようにしてこちらに来た。

 「詩原達見くん……だったね。じゃあ行こうか」

 その言葉に従って、教室へと向かった。

 教室の前に着くと、動作が遅い教師に苛立って、教師を押しのけて自分から扉を開いた。

 「よろしく! おまえら!」

 そして大きな声でそう言った。

 周りは俺のことを点の眼で見つめていた。しかしそれも数秒のことだった。すぐに机に視線を戻すと、教室はどんよりとした空気に包まれた。

 思っているに違いない。うるさい奴が来たな、とか。うざい奴が来たな、とかを。

 教壇に先に上がって、教師の登場を待った。

 教師も何か驚きで疲弊したような足取りで教壇に上がった。

 「え……と」

 間があった。

 「転校生の詩原達見くんです。皆さん、仲良くしてくださいね」

 「詩原達見です。よろしく」

 まあこんなとこだろう。黒板に名前を書くのは面倒だから止そう。

 「ふふふ」

 一人の生徒が微笑んだ。

 「面白い人だ。あなたは」

 なんだ、この他人行儀なやつは。度肝を抜いたつもりが拍子抜けしてしまった。

 男子生徒は立ち上がって近付いてきた。そして手を伸ばしてきた。

 そして「よろしく。詩原達見くん」

 と言ってきた。

 「よろしく……」

 俺は拍子抜けして自然と手を伸ばしてしまった。握手が交わされた。



 休み時間、教室の雰囲気を見て解ったが。彼らは賢いのだろう。言葉や動作が慎ましい。礼節があるのだ。ここはレベルが高いと先に聞いていたから期待はしていたが、聞いた通り彼らは賢いらしい。つまりそれは秩序を構築することのできる理性があるということだ。腹が黒く、本性は醜く愚かであったとしても、彼等は自分を合理的に守るために秩序という名のルールを自分にも、そして他人にも課すことだろう。確かに秩序がないよりはいいことだ。なぜなら秩序がないということは、隣に犯罪者がいても気にしないということなのだから。

 つまり、俺は礼節をわきまえぬ無秩序な登場をしたわけだから、浮いたということなのだ。それは学園生活において最も唾棄すべき状況だった。孤立である。

 まあそれは別によかった。

 なのに、孤立をぎりぎり孤立になりかけに留めいていた人物がいた。

 その男子生徒は静かな笑みを浮かべてこう話しかけてきた。

 「キミは面白い人だね」

 「そうか?」

 「ああ」

 彼は美形だった。中性的な顔立ちに、なにか儚げな印象を持つ男だった。どう見ても年齢に合わない気配を持っている。

 「あまりに面白すぎて、みんなも驚いてしまったようだよ」

 冗談交じりに、楽し気に男は言った。その言葉を聞いて、周りの皆が少し笑った。彼は周りの人々のことも気遣って、しかも僕への周りの警戒さえも解こうとしていた。なんてお人よしだ。今のご時世には珍しい類の人間だ。

 「僕は水城東和。改めてよろしく、達見」

 俺は危うくその言葉に混じった不可解な言葉を聞き流すところだった。彼は会ってから数分しかたっていないというのに、俺を呼び捨てで呼んだのだ。あまりに自然な物言いだった。

 まあそれもいいとも思った。

 「ああ。よろしく。水城」

 「そろそろ授業が始まるよ。次は国語だ」

 その言葉を最後にチャイムが鳴った。

 国語の授業はあまりに短く感じた。何もしなくてもすぐ終わるものだから、本当に面白くなかったのだろう。

休み時間が訪れて、俺は机に頬を付いて暇そうにした。

 すると、廊下側から何か不穏な会話が聞こえた。

 「おい。またあいつ、やってるぜ」

 「またかよ」

 俺は気になって近付いてみた。どうせ陰口をたたいてる連中に声を掛けたところで無視されるから、素通りすることにした。

 教室から顔を覗かせて、廊下を見た。

 声が聞こえる。

 「おまえ今わざと当たってきただろ」

 「当たってきたのはそっちだろ!」

 「いてぇよ、たく、打撲しちまった。くそが」

 大げさに高身長の男の方がそう言う。打ったところを抑えて、顔を下に下げている。

 「は……はは。意味わかんねぇよ」

 「意味わかんねぇのはおまえだろうがーー!」

 唐突に男は当たってきた男……だろうか、を蹴り飛ばした。

 男は壁に叩きつけられて悶えていた。心底苦しそうである。

 「正当防衛って言葉知ってか」

 そう言うと倒れた男を見て、一度嘲笑して鼻を鳴らすと去っていった。

 なんてやつだ。正当防衛が立証されなかったらどうするつもりなんだ。

 俺は男が気になって後を追った。

 倒れた男についでに声を掛ける。

 「大丈夫か」

 「大丈夫じゃねぇよ」

 唾を吐き捨てるように男はそう言った。

 「あいつは何なんだ?」

 「知らねぇ。当たってきたのはあっちなのに、正当防衛だとか言って蹴られた」

 男は怯えているようだった。

 男の眼は鋭く細かった。まるで情を感じられない。だが感情は感じられた。それも負の。相手を非難し、貶め入れる類の人の眼だ。話したこともない奴のことをどうこう言うのは、自分でもどうかと思うのだが、俺の推理は六割はいつも当たっている。後の四割はこれからの観察で埋めればいいのだ。

 「悪意に対して、過剰な悪意で対抗する場合があるとおまえは思うか?」

 「何言ってんだ」

 男の目が細くなる。

 「いいや。これは俺が〝本当にいい奴〟ってのを見失わないために用意している一つの保険なんだよ」

 「あ……?」

 男の顔が醜く曲がる。

 俺は不敵に笑ってその場を去った。

 あの倒れていた男を蹴り飛ばした奴と話したかった。

 その後を追って、どこにいるか周りを見渡して探した。

 あの男はすぐに見つかった。

 「おい」

 無遠慮に声を掛けた。

 「なんだ、てめえ」

 ガンを飛ばしてこちらを見てくる。だがそれが警戒心からくる威嚇だと俺は解っていた。何かを守ろうとしている心の現れだ。先ほどの男のように、情もなくただ気に入らないと思った相手のことを、攻撃したいと睨みつけている類のものではない。

 「通りすがりの転校生っていえばわかるか」

 「ふざけてやがる」

 機嫌悪そうに、男は言った。

 「もしあの男が起訴してきて、正当防衛が立証されなかったらどうするんだよ」

 「そんなこと知らねえ。それにあいつみたいなやつにそんな根性はねえ」

 「どうだかな。おまえはちょっと人を甘く見すぎているんじゃないか。ーーいや、人の悪意を」

 男は一度俺に視線を投げた。

 「初対面の人間に、よくもまあ推測だけでずかずかと話せるな」

 俺は楽し気に笑ってやった。

 「おまえ、名前はなんて言うんだ?」

 男にそう聞く。

 「教える必要なんかねえじゃねえか」

 「そんなもん調べたらすぐに出るぜ」

 「……吉倉秀人」

 「じゃあよろしくな。秀人」

 秀人は一瞬俺を驚きの眼で見た。だがすぐに視線を逸らした。

 「俺は短気なんだ。怒らせると怖いからな」

 秀人はそういうが、俺は気にせずに笑いで飛ばしてやった。



 教室に戻ると、朝にはいなかった女子生徒が登校してきていた。俺が朝来た時には、席が一つ空いていたのだ。

 絶好の機会だと思った。仲間を増やすチャンスだ。

 「よお」

 無遠慮にそう挨拶する。

 女子生徒はゆっくりと顔を上げた。長いまつ毛に、白い肌、そして可愛い顔立ちに、それに反して真っすぐに前を見据える強い眼差しが印象的だった。その強い眼差しは、同時に彼女の聡明さも感じさせた。

 彼女を見て、俺は無邪気な子供が、この世界の全てを知ってしまったかのような、到底受け入れることの出来ない現実と絶望を、少女の姿に見た。

 話すさずとも、立ち居振る舞い、眼差しだけで、その人物の人間性、神秘さというものが断片的にでも解ってしまう人物という者は居るのだ。だがそれは、判る者にしか判らないのだが。

 女子生徒の第一声、それは澄んだ声と、そして衝撃と共に俺の耳に流れていった。

 「人が生きる価値を、探しているのです」

 真っすぐに、俺の眼を見据えて女子生徒は言った。

 きりきりと音を立てて、自分の心が軋んだのが解った。

 俺は沈着冷静にふるまった。

 「何の心理実験だ? 俺は怖くなったが」

 女子生徒は不審そうに俺のことを眺めた。だがそれも一瞬のことだった。すぐに視線を外した。

 「怖いも何もないわよ。意味の解らないことをいう人間というのは、どのような状況や環境であろうと気持ちが悪いものよ。ホラーには必須の要素だわ。理解できないという事実を理解した上で、それに対してまだ愛嬌やら人情やらが持てる人間というのは、私にとっては、それこそ唯一理解の出来ないものなのよ」

 彼女の話によると、恐怖という感情に、興味のみを持ってホラー映画を視聴する人間が普通の人間で、恐怖という感情に愛嬌やら気遣いやらを持ってホラー映画を視聴する人間は異常であると、そう言いたいらしい。

 確かに一理はある。

 想像すれば解るが、確かにホラー映画は目を凝らしてみるモノではなく、目を瞑って、できる限り理解しないように、恐怖に取り込まれないようにと注意して見るのが常識的だと思う。それに対して、まるで残酷な描写や、人の心の闇や、そういう理解のならないもの、もしくは理解したとき精神が正常を保てないものを、理解しようと励み、受け入れようと精進することは、確かに異常かもしれない。しかし、それは一般論に過ぎない。なぜなら世間一般に定着している恐怖が、〈本当の恐怖〉というモノを知っている誰かの恐怖となり得ないことは確かだからだ。

 「そりゃよかったじゃねーか。おまえはやっと自分を怖がらない人間がいることを知ったわけだ」

 女子生徒はこちらを少し驚いたように見上げた。

 そして視線をもとの場所に戻すと

 「下らないわ」

 と、嘲笑気味に言った。



 昼食の時間になった。

 昼食の時間は、誰が孤立していて、誰が集結しているのかということがよく解る。だから俺は一度暇つぶしに周りを見渡してみた。それにしてもこのクラスは弁当が多い。

 水城はクラスの人気者だった。男子女子関係なく、誰とでも仲良くしている。昼食の時間は主に男子と話をしているようだ。

 先ほどの妙なことを言う女は、相変わらず孤立しているらしい。

 平凡な昼休みの景色だ。何の変哲もない。

 そう思った時だった。一つだけ、何か異様な光景が目に入ってきた。

 ものすごく美人な女子生徒が、独り、孤立している。

 なぜその光景が異様に映ったかと言うと、彼女が美人だったからだ。容姿が良くて孤立するというのは、余程の理由があるのだろう。

 彼女は弁当を食べていなかった。ただ黙々と本を読んでいた。

 俺は食べるものがなくて、食堂がどこかも覚えていなかったから、それを教えてくれる人を探していた。

 「少し聞いていいか?」

 俺はその女生徒に声を掛けた。

 驚いたように女生徒は顔を上げた。優し気な眼差しが俺を見つめた。

 「なんでしょうか?」

 「食堂、どこにあるか教えてくんない?」

 「え……? いいですけど」

 女子生徒は本を閉じて立ち上がった。

 教室を出て俺たちは並んで食堂へ向かった。俺は無遠慮に聞きたいことを聞いた。

 「なあ、なんで孤立してるんだ?」

 女子生徒は少しうつむいた。だんまりかとも思ったが、何かを喋りだした。

 「私は犯罪者の娘ですから……食堂の場所が解ったら、もう私に関わらない方がいいですよ」

 そう、哀し気に言った。

 「ふーん」

 俺はその様子を見て軽く流すことにした。

 「関係ないだろそんなこと」

 そしてそう、思ったことを口に出した。

 「え……?」

 驚いたように目を開いて、俺のことを彼女は見たが、すぐにまたうつむいた。

 「私に気を使っているのですか……?」

 苦しそうに彼女は言う。

 「いいや。俺は人に気を使ったことなんてないんだ。俺は自分のしたいことをするだけだ」

 不思議そうに彼女はこちらを見た。

 「つきましたよ。……では」

 彼女は振り返って帰ろうとした。

 「待って」

 「はい?」

 「一緒に食べようぜ」

 彼女は俺の言葉に不思議そうに従った。

 一緒に注文をして、一緒にどこかの席に座ると、俺たちは食事を始めた。しかし彼女は手を動かさなかった。ご飯から立ち込める湯気が、彼女の俯いた顔を揺らした。

 「どうして、私に構うのです」

 「お腹すいてそうだったから?」

 「そうじゃなくて!」

 小さな彼女の声が、怒りの感情を持って俺に放たれた。周りには聞こえない程の声量だが、彼女が怒っていることは容易に判断がついた。

 そして彼女は目を細めて、儚げな顔をして俺の顔を見つめた。

 「私は……殺人者の娘なんです」

 それを言い終わると、彼女は何かが吹っ切れたような顔をした。

 「上滝……聞いたことありませんか? 私の父親は、強盗殺人を犯したんです! そのおかげで友達もみんないなくなりました、誹謗中傷もたくさんされました。……だから、私といるといいことはありません」

 彼女は項垂れた。言いたいことは全て言ったのだろう。

 「そっか。しかし、俺が何をしようと俺の勝手だ。好きにさせてもうぜ。ほら、速く食べないとご飯が冷めてしまう」

 彼女は一度俺のことを見つめると、黙々と食べ始めた。

 食べ終わると、俺たちは教室に戻った。

 俺は上滝という名を知っていた。強盗殺人を犯した犯罪者だ。男は他人の家に不法侵入し、男を目撃した家の住人を所持していた包丁で刺殺した。事件後は、すぐに警察に逮捕された。刑は何が執行されたのかまでは知らないが、彼女の今の現状を推察するには十分の情報だ。

 転校初日の日は、何か目立ったイベントもなく終わりを迎えた。


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