森と馬車
[魔女の森]の惨劇から辛うじて生き延びたマーリンとタバサは[精霊の森]で心と身体を癒していた。マーリンは、沢山の精霊達に囲まれて、穏やかな日々を楽しむ事が出来た。
マーリンは、15歳になり益々美しくなり、赤い髪は、背中を覆うぐらい伸びたので最近では、ツインテールにし小花が付いた髪留めをしていた。白い肌は、精霊の魔力で覆われキラキラと輝いて見え、長いまつ毛と美しいブルーの瞳が魅力的であった。幼かった容姿も今では、大きく膨らんだ胸と細い腰を持つ思春期の美少女の姿に変わっていた。
タバサは、何時も肩まで伸びた茶色いストレートの髪をポニーテールにして大きなリボンで結んでいた。タバサは幼い時から、大人びた少女だったがぽちゃりとした白い裸とクリっとした目が印象的な美少女だった。しかし、タバサは、両親が亡くなっている寂しさと精霊達が見えない事で、マーリンが精霊達といる時は、疎外感を感じていた。持ち前の明るさで精霊王とマーリンには、寂しさ等を気付かせなかったが、心の奥深くでは、未だに哀しみが癒えず、魔人達への憎しみも消えてはいなかった。
精霊王は、マーリン達がこのまま暮らし続けても問題は無かったが、人間との接点が無いこの森では、二人の為に良くないと考え人間の住む場所に帰そうと思っていた。そんな時、マーリンが、タバサに魔法を習っていると聞き 魔法の勉強ができ尚且つ安全な所で暮らさせようと考えた。
精霊王は、人間の知り合いにマーリンとタバサの入学等の手続きを頼み 二人は、4の月より聖教皇国の魔剣学園に入学する事になった。
「ん、パパ、行くから」
「精霊王様、お世話に成りました」
『二人共、忘れ物しても戻って来れないよ』
「うん、大丈夫」
「さぁ、お嬢さん方、行きましょうや」
「うん」
「はい、お願いします」
マーリンとダバサは、人間が住む場所からショーンと言う名の商人の馬車に乗って聖教皇国を目指した。この場所から聖教皇国に行くには、ザガン王国を通って20日程かかると予想していた。旅をした事がない二人は『色々な所を見て回れる』と言ってウキウキしていた。
ザガン王国に入り、3日が過ぎた頃、王都の近くの森で野宿をする事になった。マーリンは、商人のショーンと一緒にテントと寝床の設置をした。タバサは、近くの湖で水浴びをしてから夕食の準備に取りかかった。
マーリンも汗を掻いていたので、水浴びの準備をし湖に向かった。この辺りは、殆ど人が通らない場所だと聞いていたので、マーリンは、潔く着ていたワンピースを脱ぎ捨て湖に飛び込んだ。
「ん、気持ち良い」
『我が主、裸とは… 何か羽織るべき… 』
『シキュエル、お前、何見てるんじゃ!』
『見ておらんわー』
「シキュエルも一緒に入る?」
『サラマンダーもどうだ?』
『俺を殺す気か! 火の精霊が、水浴びしたらジュって消えるわ!』
「ん?そうなの」
程よく冷たい水は、マーリンの熱った身体を程よく冷ました。
「もう上がる。タバサは、火が必要だから、先に行って」
『俺の出番だー! お前もだろ、水やろう!』
『水やろうと言うでない!』
「フッ、やっと静かになった」
パシャ、パシャ
ポカッ、ポカッ、ポカッ
「ん?」
その時、何処からか、綺麗な白い馬が水を飲みに湖の側まで来ていた。
「ん、綺麗な立髪」
マーリンは、慌てて馬の側に行き膝まずき 水を両手の平ですくい飲ませていた。その時、パリッと枝が折れる音がした。
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