疑惑
その頃、ソロモンは、【ソロモンの鍵】を手にする為に一人で森の洞窟に来ていた。
「20年ぶりっすね。 カサドライブー! カサドライブは、元気にしているっすかあ?」
ソロモンは部屋に入り、直ぐに白骨の死体に気が付いた。
「此れは… 何が…? 誰の死体っす!?」
ソロモンは、困惑していた。この部屋を知っているのは、自分と管理を任せているカサドライブだけだったからだ。ソロモンは、白骨化した遺体に近付き、心臓を一突きされ死んでいることに気が付きた。そして、次の瞬間愕然とし膝から崩れ落ちた。
「カサドライブ……… 如何してこんな事に… 」
ソロモンの目から自然と涙が溢れ出した。
「なぜ彼が殺されなければならなかったんすか? 魔族の角を折るなんて… 人間の仕業っすか?」
ソロモンは、辺りを見渡し誰が入って来たか調べ始めた。
最近、誰かが洞窟を利用している気配が有るのを感じたソロモンは、その者の手掛かりを探す為に部屋を見渡すと隅にフェンリルの毛が有るのを見つけ、アーサスが来たのかも知れないと思った。
其れに、台所に行くと綺麗に洗った食器が2つづつ重なって置いてあった。
「アーサスとマーリン其れにリルンが、此処を使っていたのは間違い無いっすね」
ソロモンは、グリモアを隠していた戸棚の前に行き、膝をついて手を棚の下に滑らせたが、お目当のグリモアを見つける事が出来なかった。
「仕方ないっすね。兎に角、アーサスに会いに行くのが早いっすね」
ソロモンは、長い期間王都に戻っていたのでアーサスが今、何処に居るのか分からなかったが、王子姫学園を卒業したとは、聞いていなかったので、兎に角転移魔法で学園都市の屋敷に行った。
「アリサ!、アリサ! 誰も居ないっすね」
ソロモンは、一部屋づつ見て回った。
アーサスとマーリンの部屋には、まだ荷物が置いてあったが、アリサの部屋には、何もなかった。
「アリサは、出て行ったっすね。二人は、多分学校っすね」
ソロモンは、台所へ行きお茶の準備をしょうと、お湯を沸かして茶葉を探している時に、食料が全く無い事に気が付いた。
「可笑しいっすね。此処を出て行ったんすかね?」
ソロモンは、食器棚を開けてアーサスとマーリンが買ったマグカップが有るか確認すると何時もの所に並べて置いてあった。
「取り敢えず、買い物っすね」
暫く滞在する事を決めていたソロモンは、必要な食料を買いに街へ出かけた。その途中でタバサに偶然会った。
「ソロモンさん、お久しぶりです」
「タバサに会えるなんて嬉しいっすね」
「ええ〜、本当ですか? 私も嬉しいですけど」
「色々、話したいのでカフェテリアに行かないっすか?」
「はい! 行きます、行きます」
タバサは、ソロモンに会った喜びと誘って貰った喜びで舞い上がり二度も『行きます』と言ったので恥ずかしさの余り顔を赤らめた。
ソロモンは、何時も行っていたカフェテリアに入り紅茶とケーキを頼みタバサも同じ物を注文した。
「アーサスは、最近、変な事を言ってないっすか?」
「んーん、別に無かったと思いますけど」
「じゃ、マーリンは、まだエルフの里っすか?」
「あっ、夏の終わりにアーサスとエリザベアを連れて帰って来ましたよ」
「エリザベアって何すか?」
タバサは、マーリン達から聞いた獣人国での魔物討伐の事を話し、その時、マーリンが魔族達と一緒にいたエリザベスを倒して、彼女の魂をテディベアに入れた事をソロモンに話した。
ソロモンは、驚いていたがエリザベアがもう魔力の無い縫いぐるみだと聞いて安心していた。
「んん、食べ物も茶葉も無かったすけど… 」
「昨日で全部無くなってましたよ。多分、今日買物して帰って来ると思います」
「そうっすか。 じゃ、自分の食べる物を買って帰ったら良いっすね」
「あっ、じゃ、一緒に行きましょう。私も買い物が有るので」
二人は、カフェテリアを後にして商店の方に向かった。
何か、楽しそうっすね。
だって、ソロモンさんとデートしましたから。
あら、わたしもアーサス様とデートしたいですわ。
きっとタバサちゃんの思い違いでちゅ。
エリザベアは、脳内デートで楽しんどき。




