愛の結晶はタマゴ?
エリザベスの事が、解決したのでマーリンは、夏の終わりに学園都市にアーサスと戻りソロモンの屋敷に住むようになった。
二人が、住み始めて半年が経った頃からアーサスは、マーリンの様子が可笑しいと気付き始めた。
「マーリン、顔色が悪いよ。熱でも有るんじゃないのか?」
「ん、熱は無い」
「アーサス様、心配要りませんわ。きっとあれですわ」
「「あれ?」」
「ええ、あれですわ」
「「(ん?) あれってなに?」」
「えっ、マーリンも分からないんですの?」
アーサスは、マーリンの顔を見て、益々辛そうにしているので、抱き抱えて部屋のベッドに寝かせた。
「マーリン、医者を呼んで来ようか?」
「ん、大丈夫…… 多分」
「多分じゃ心配だ。エリザベアちょっとマーリンを見ててくれ」
「アーサス様は、何方に行かれますの?」
「タバサを呼んで来る」
「まぁ、相変わらず過保護です事」
アーサスは、エリザベアが言った事を無視してタバサの所へクリューサスに乗って急いで行った。
「タバサ、もう戻って居るかい?」
「アーサス君、ちょっと待って!」
ガチャ、キュ〜
「お待たせ! こんな時間にどうしたの?」
「この間から、マーリンの様子が、可笑しいんだ」
「可笑しいって?」
「この間まで沢山食べていたと思ったら、急に食べないし、今朝から段々顔色が悪くなって… 今、ベッドに寝かせてるんだ」
「分かったわ。家に連れて行って様子を見るわ」
アーサス先に神馬に乗り、タバサの手を引いて自分の背後に乗せ急いで家に戻った。直ぐにタバサを連れて二階に上がりマーリンの部屋の扉を開けた。
「アーサス様、遅いですわ」
「ううううううん。いたたたたっ」
アーサスは慌ててマーリンの側に行き、
「マーリン、マーリン、何処が痛いんだ」
「マーリン、お腹が痛いの?どの辺が痛いの?」
「アーサス君、ちょっと部屋から出てくれる」
「えっ、どうして?」
「アーサス様、私と一緒に行きますわよ」
アーサスは、納得した訳では無いが、自分ではどうしようもないのでエリザベアを連れて部屋から出る事にした。
「ん、マシになった」
「今日、産まれるのかしら」
「ん? 何が?」
「覚えて無いの?」
「小さい時に マーリンのママが言ってたでしょう」
「ん? 忘れた」
「人間と精霊の赤ちゃんの事。マーリンは、多分精霊に近いから[たまご]を産むと思うよ」
タバサの言葉で思い出したのかマーリンは、少し微笑んで『ん、頑張る』と言い激痛に2時間耐え両手で包める位の[たまご]を産んだ。
「アーサス君、呼んで来るから」
「ん、有難う、タバサ」
「無事産まれて良かったね」
「ん、嬉しい」
タバサは下に駆け下りアーサスにマーリンの部屋に行くように言いエリザベアに二人の愛の結晶が[たまご]として産まれた事を伝えた。
「マーリン、大丈夫なのか?」
「ん、ちゃんと産まれた?」
「何だって、産まれた?」
「ん、見て」
マーリンは、産まれたての[たまご]を見せ、二人の赤ちゃんが産まれる事を伝えた。アーサスは、驚いて暫く微動だにしなかったが、我に帰り[たまご]を摩りながら、『マーリン、頑張ったんだな。無事産んでくれて有難う』と言ってマーリンの頭を摩りそして口付けをした。
「処で、赤ちゃんはいつ産まれるんだい?」
「ん? 知らない」
「タバサーァ! タバサーァ!」
「アーサス君、大きな声出してどうしたの?」
「あゝ、ごめん。マーリンが、知らないみたいなんだけど… 何時赤ちゃんが産まれるか知っているか?」
「えっ、何時だろう?」
「シキュエル、出て」
「主、お呼びですか?」
「ん、[たまご]産まれた。何時赤ちゃんが産まれる?」
「ああああ、素晴らしい。では、我が、持って行きましょう」
シキュエルは[たまご]を自分の身体に包み込み直ぐに消えた。
残されたマーリン達は、呆気に取られなす術も無かった。マーリンがサラマンダーを呼び出し、シキュエルが何処に[たまご]を持って行ったのかを聞いた。
「それで、精霊の森に行けば光の精霊に会えるんだな」
「行っても、子が産まれるまでは、会えないぜ」
「ううう、産まれる時が見たい」
「それは、向こうから教えてくれるぜ!」
「じゃ、ただ待っているだけで良いのか?」
「ん、知りたい」
「嬢ちゃん、俺は、まだ産んだ事無いから… 」
「「「産めるの(か)?」」」
「何、驚いとるんじゃ!」
「お前、男だろう」
「精霊の神秘じゃ、ボケェ!」
「何か、眼から鱗が落ちたみたい」
「ん、全部落ちた」
「ぷぷぷっ、マーリン、あはは」
ソロモンさん、マーリンが[たまご]を産みました。
おめでとうっすね。
[たまご]と精霊(親)どっちが先でちゅかね。
精霊の神秘やから考えたらあかんやちゃ。
アーサス様、私も赤ちゃんが欲しいですわ。
エリザベアは、無理だから。




