予言
マーリンが産まれた時に、森の予言者で長のババが、【闇が森を包む】と予言した。
ババは、不吉な予言だとサマンサに告げたが、マーリンは、精霊王から祝福されているので気にも留めなかった。
「ババ様は、心配し過ぎだわー」
『我の主を追い出そうとは、けしからん!』
『俺もそう思いぞ、シキュエル。あのババア、殺すか?』
「あらあら、サラマンダー君。物騒な事考えては、ダメよー、ふふふ。気を付けて居れば問題無いわ」
『用心しとけって事か?』
「ババ様の予言だから」
予言の合った日から、10年が過ぎマーリンは、おしゃまで可愛い美少女になっていた。
彼女の赤い髪は、背中に届く様に長く伸び、その髪は、大きなウエーブがかかった様に頬を伝う。自慢の長いまつ毛は、宝石の様なブルーの瞳を引き立てた。
今日は、10歳になった子供達の誕生を祝う為[魔女の森]の広場は賑わっていた。
「皆んな! 逃げなさーい!」
「魔族が攻めてきたわ!」
見回りの2人の魔女は、驚く魔女達に声を掛け、『すぐに戦闘系の魔女を集めて、魔族の方に向かわせるように』と言った。その他の魔女は、結界を強固にする者、弱者を守る者に別れて守りの準備を迅速にしていた。
「これは、10年前の予言か?」
里長のババは、猫背の身体を益々小さく見せ、呟きながら顔を歪めた。そして、魔法のホウキに乗り、空に飛んだ。
サマンサとマーリンは、祝いに集まった子供達と一緒に森に有る古い遺跡の地下に避難した。
ドドドドドドオオオオオオ
ゴワアアアアア
ドドド… ドッカアアアアアアア
ギアアアアアアアアアアアアアア
あらゆる音が、地下に響き 幼い子供達は、恐怖で泣き叫んだ。
「大きな声を出しては、ダメよー。大きい子は、小さい子を守ってね」
『マーリン、ヤバイぜ! 見つかっちまったぞ』
『主よ、心配めさるな。我がお守りするので」
『よし、マーリン行くぜ!』
「待って、ママも行くわ!」
ドッガーーーーーン
その時、正面の大きな扉が壊されて、3人の魔人達が入って来た。
「クククッ、こんな所に居ましたか?」
「精霊王の子供は、何処?」
「貴方達、マーリンを探しに来たの? こっ、ここには、居無いわよ!」
「大人が、たった一人だけか?」
「ククッ、マーリンか。匂うんだよ。甘い精霊の匂いがあ!」
『それは、俺らの匂いじゃあああああ!』
サラマンダーは、出来うる限りの魔力を使って、火の玉を大きくし魔族に当てた。
ブワッアアー
「凄い! やっつけたー!」
一人の子供が、喜び叫んだが、煙の中から無傷の魔族が平然と立ち竦んでいた。子供達は恐怖で震え声も出せなかった。
「クククッ、今の、何ですか? 全然、効きませんよ」
『糞があ! 渾身の一撃を!』
『我が行く』
シキュエルは、全身で大きな水の竜巻きになり、魔族に襲いかかった。
「うわー、ちょ、これは… 」
「ククククッ」
「グウガッ」
魔族の一人は、壁まで飛ばされて倒れた。だが、魔族の一人、魔人軍序列第7位のアスモデウスが、即座に竜巻きから飛び出し、サマンサに襲い掛かった。一瞬の出来事だったが、サマンサは、防御結界魔法を展開し身を守ったが、側に居たマーリンを捕らえられてしまった。
「展開、タロット! 行け!【風刀】」
サマンサは、即座に魔術で、タロットを回転させ、それを無数の刀に変えた。その刀は、風力を利用してアスモデウスの硬い皮膚を突き抜けた。シキュエルは、マーリンの元へ飛び、痛みで緩めたアスモデウスの腕を鋭い水力で切り落として彼女を救った。
「なんじゃ、二人とも、不様よのう。魔王軍序列2位のレビアタンが、其方の相手になろうぞ!」
長いストレートな髪をかき上げ、ボッキュンボッ、ゴホン、豊満な身体を惜し気もなく露わにする黒いドレスを着た美しい魔人がサマンサを睨んだ。
尋常で無い魔力を感じ、即座にサマンサは、マーリンと子供達を奥に有るとされる古代魔道具古代魔道具で逃がそうとしたが、レビアタンの豪速の魔技により致命傷を負った。絶体絶命の局地に立たされたサマンサは、最後の魔力を使い、精霊達にマーリンを託した。そして、シキュエルは、マーリンと側に居たタバサを水の体で覆い消えた。
それを見届けながら、サマンサは吐血した口元で『生き、てっ…』と囁いた。
魔女達は、魔人達と凶暴な魔物達との激戦で多くの者が死んだ。その他の魔女は、散り散りに逃げたが、助かった者の人数は、定かでは無い。
魔人達は、残った子供を捕虜にしたが、精霊と無関係の者は、全て殺された。
魔族が、去った後には、瘴気が立ち込め、壊された住居、木々や草花も全て枯れ落ち【闇の森】となった
頑張って書きますので、コメント頂けたら幸いですう。




