眠り姫には、王子様のキス
今回、少し短めですが内容は濃ゆいです。
三ヶ月間、マーリンは色々な薬草、ポーションやエリクサー(万能薬草)を飲んでも目覚める事は無かった。
「アーサス君、今夜は満月だから、マーリンの事は任せて」
「タバサ、何時も… すまない」
「リルンと一緒に、森でゆっくりしておいでよ」
『うん。パパ行こうー』
『あゝ。じゃ、マーリンを頼む」
大きくなったリルンと魔物化したアーサスは、王都を出て郊外の森を明け方近くまで駆け回り、いつもの様に洞窟の部屋で眠った。
次の日、アーサスは、久しぶりに【ソロモンの鍵】(グリモア)を読んでいたら気になる[呪い]を見つけた。其れは、呪いの知識に載っていた【眠りの呪い】だった。
[呪いの準備]
術者と呪いを受ける者の血
[呪いの方法]
魔術円を使用 (アリサの魔法陣でも可)
[呪いの解呪]
呪いを受けた者が、夢の中の試練をやり遂げる。又は、愛する者からの深い愛情のこもった接吻
「原因は[呪い]だったのか。クソッ、もっと早く気が付けば…苦しまずに済んだのに。何なんだよ試練って!」
『パパどうしたの?』
「ははっ、何故考え付かなかったんだ。こんなに簡単な事だったのに」
『ん?』
「リルン、今日、マーリンが目覚めさすぞ!」
『本当に、やったー!』
アーサスは、リルンに乗り急いで居館に戻った。
居館に帰るとアリサが出迎えてくれた。
「お帰りアーサっちにリサっち」
『うん、ただいまー』
バタバタバタバタ
ギーバタン
「あれ、タバサ? 頼んでいたのに帰ったのか?」
アーサスは、マーリンの側に行き痩せた手を握りながら、
「マーリン、もう試練に受けなくて良いよ。俺が、助けるから」
アーサスは、マーリンが寝顔を暫く見てからキスをした。しかし、マーリンは、目覚める事は無かった。アーサスは、暫く書いてあった事を思い浮かべてから、もう一度キスをした。そして、自分の舌をマーリンの口の中に押し入れ、マーリンの舌と絡ませて熱いキスを続けた。
暫くするとマーリンの指に力が戻りそっと手を動かしアーサスの身体に触れた。其れに気付いたアーサスは、目を開けてマーリンを見た。
「ううぁっん。アーサス、もう一回」
「マーリン、可愛いいなぁ」
チュ
「アーサス、もっと」
チュチュチュッ
アーサスとマーリンは、暫く抱き合っていたが、マーリンのお腹から『グルルーー』っとメッセージコールが高らかに鳴り響いてしまった。
「ぷッ、お腹空いてるよね」
「うん。すっごく」
「ちょっと待ってろ、すぐに持ってくるから」
「うん、焼き菓子もお願い」
「寝たらダメだぞ!」
「うん、分かった」
アーサスが、部屋を出ようとしたら、アリサがスープと焼き立てのロールパンを二人分持って入って来た。アーサスは、驚いてアリサの顔を見ていると
「何やのん? あっ、リルっちが、『ママが起きる』って言うとったんよ」
アーサスは、マーリンを優しく起こし、スープを乗せたトレーをマーリンの膝の上に置いた。
「熱いから、慌てないで」
マーリンは、スープを持とうとしだが、力が入らずアーサスの方を見て『食べさせて欲しい』と目で訴えていた。アーサスは、ニコッと笑ってから食べさし始めた。
「フー、フー、ーー 熱かったか?」
「ん、美味しい」
アーサスは、この何でもない時間に幸せを感じていた。そして、もう二度とマーリンを危険な目に合わせたく無いとも思っていた。
マーリン、目が覚めて良かったです。
アーサスも大変だったっす。
ずーっと起きてて欲しいよ。
寝なきゃ今度こそ死ぬっす。




