決勝戦
次の日、順調に勝ち残ったアーサスとエリザベスが決勝戦をA会場で戦う事になったので、マーリンとタバサは早めに会場に入り、一番前の席で二人を応援する事にした。
エリザベスは、思い詰めたように試合前にアーサスの控室に立ち寄った。
「エッ、エリザベス、君が来るとは思わなかった」
「誰を待ってたんですの?」
「いや、別に待っては居ないが… 」
「私、お願いがあって来ましたの」
「今じゃないと駄目なのか?」
ええ、そうですわ。私が、勝ったら… あの… 」
エリザベスは、顔を赤く染めながら言いにくそうにしていた。
「勝ったら? 何だ?」
「私と、こっ、こっ、婚約して欲しいのですわ」
ゴッブ、ゴホッ、ゴホッ
アーサスは、思いもよらない願いだったので飲んでいた水で咳き込んでしまうぐらい驚いた。
「ごめん、その約束は出来ない。エリザベスは、友達だ。それ以上は、考えたことも無い」
「では、気になる方がいらしゃるのですの?」
「えっ…… あゝ、ごめん。好きな子がいる」
「好きな… もしかして、好きな方ってマーリンですの?」
「えっ、どうして其れを… 」
「チッ! やっぱり… 許せませんわ」
エリザベスは、扉をいき良いよく開けて出て行った。背中越しにドアの閉まる音を聞いたアーサスは、何時もと様子が違うエリザベスに困惑したが試合前なので何も考えない様に精神を統一する事にした。
アーサスは、試合が始まる合図に急いで控室を出で、既に会場で待っていたエリザベスに近寄って行った。
「エリザベス、試合に集中しよう」
「分かってますわ。でも、私、諦めませんわ」
ピー
「目覚めよ、英知の主、栄光のエクスカリバー」
『はいはーい、あら、元気無いじゃない』
「あゝ、でも、集中だ! エクス、いつもの頼めるか? 防御結界も頼む」
『はいはーい、まかしてよ!』
「其れでは、試合、始め!」
「舞い散れ【桜吹雪】」
無数の雪の結晶が現れ吹雪の様にアーサスに襲い掛かった。
「エクス、炎だ」
『はいはーい』
アーサスが魔剣を炎で包み、切り裂いていくが視界が悪く頬や腕を数カ所斬り刻まれる。アーサスは、頬の血を拭い魔剣を持つ手に魔力を込めてエリザベスに向かって走り出した。
エリザベスは、短距離転移でアーサスの後ろに回り魔法陣をアーサスに向けて描く。アーサスは、直ぐに向き直り魔法陣に向けて剣を突いた。
パリーン
魔法陣が割れたのでアーサスは間合いを詰めるが、エリザベスは大きく後ろに飛び距離を開けた。
『アーサス、あんた 何やってるの?』
「エリザベスの動きが早いんだ」
「風よ散れ 【風塵】」
パチッ、パチッ、パチッ
「何だあれは? 砂か? 塵?」
『違うわ。音が聞こえる? 来るよ!』
「エリザ【闇纏】で包み込め!」
『はいはーい』
バチバチバチッ
「はあああああ」
アーサスは、闇纏で包み剣で十字に何度も切り裂いて漸く消すことができた。
「やりますわね、アーサス様」
「はぁあぁ、ぎりぎりだよ」
「闇の深みよ、来れ!【闇黒牢】」
エリザベスの目全体が黒くなり、足元から黒いもやもやした物が床を這う様に動き、アーサスの足元まで届き広がる。
「何だ!沈むぞ!」
アーサスは、魔剣を黒く動くものに突き刺して叫んだ。
「食らえ!【闇纏餓棄】!」
『あんた 無茶苦茶だわ。 枯渇したら死ぬのよ』
「はぁはぁはぁ、流石にあれに落とされたらやば、い。 はぁはぁはぁ」
アーサスは、複合魔法で自分を闇纏で絡ませて守り、邪悪なものを剣に食らわせて破棄させたので魔力が枯渇寸前になってしまった。
「タイム! アーサス、まだいけるか?」
「もう、無理!」
「勝者、エリザベ!」
エリザベスは、醜悪な笑みを浮かべて『チッ、もう少しでしたわ』と呟き控室に戻った。
アーサスは、審判に肩を借りて医務室に向かった。
エリザベスに何が有ったんでしょうね
まあ、貴族同士なら婚約も有りっすかね
ソロっちゃ、勝手に決めてもええんか?
いや、アーサスに殺されるっす




