精霊王とタバサ
マーリンはアーサスと別れ、森で風の精霊と会っていた。
『マーリン、マーリン、王様が来てるよ、来てるよ』
「うん。知ってる」
『おおおお、マーリン、元気だったかぁ?』
「うん。パパに聞きたい。強くなりたいの」
『ほほー。 シキュエル、サラマンダーいるか?
どういう事だ?其方がおって!』
『お嬢ちゃんが、弱ちぃのが嫌なんだろうが』
『主は、自分自身が、強く在りたいと』
『妖精化は、出来たはず。リナンシーの力は、弱いか? あ奴の精霊魔法は、魅了のはず』
「多分、使えた。本気を出せない、やつ?」
『美しさに見惚れて、だ。強く命令すれば死ぬぞ』
「 … 武器を使いたい」
『サマンサ(母親)と同じタロット魔術か?』
「うん。其れがいい」
精霊王は、死んだサマンサのタロットを大切に持っているので後で[地の上級精霊のノーム]に届けさせるとだけ言い残し去って行った。
『王様、サマンサのタロット好き、好き』
『大切、大切、タロット大切』
『マーリンも好き、好き』
「うん、知っている」
マーリンは、精霊王が寂しそうに見えたので、絶対に母親の様に強くなろうと心に誓った。そうすればきっと精霊王が喜んで笑ってくれると信じていた。
シキュエルに乗って家に帰ると、既にタバサが帰っていた。タバサに母親と同じタロット魔術を使う事とアーサスからの提案だった『魔法科へのクラス替え』の事を相談した。
「アーサス君とは、色々話せたんだ。其れでどうするの?」
「アーサスが本気になる程強くなる!」
「わぁ〜、凄い。頑張るんばね」
「うん」
「クラス替えは、後期からかなぁ。前期は基礎で、後期が戦闘魔法の初級が習えるはず」
「うん、それが良い」
「じゃ、決まりだね。でもその前に編入テストが有るかもよ。ふふふ」
「うん、大丈夫。タバサは、夜楽しかった?」
「ふふ、とっても楽しかった。でも、エリザが酔っ払って大変だったの」
「ん?」
エリザは、アリサと『女の子同志の話し』をしてから急に態度が暗くなって一人でお酒を飲んだり、タバサにマーリンの事を根張り葉掘り聞いたり、特にアーサスとマーリン関係の事は、散々聞かれたとの事。
「ん? どうして?」
「エリザは、アーサスの事が、大好きみたい。だからよ、マーリンがアーサスをどう思っているか知りたいのよね」
「アーサスは、友達? ん… ライバル?」
「だよね。でも、アーサスから『好き』って言われたでしょ?」
「ん? …あっ、今日、言われた」
「で、戦い方に文句言って『嫌い!」って言ったでしょ。ソロモンさんが、アーサス君落ち込んでるって言ってたよ」
「 …あっ、でも、モフモフのアーサスは、好き」
「やっぱり、そう言う事か、ふふふ」
一通り話し終えると、タバサはマーリンに街で買った夜食を渡してからベッドに横になった。
[タロット魔術]楽しみでちゅね。
サマンサは、強い魔女だったっすよ
私、負けませんわ
引っ込むでちゅよ
また来たっすか




