招待状
今日、二度目の投稿です。
朝早くにフェンリルによって起こされたアーサスは、急いでフェンリルを抱き上げ裏庭に話した。食堂には、既に朝食の準備が整ってソロモンとジンスが、コーヒーを入れて飲んでいた。
「慌ててどうしたっすか?」
「プーがしたいって、フェンリルに起こされた」
「それは、大変でしたね」
「今日、学園でこの招待状を渡して欲しいっす」
「分かった」
「いつ招待されるのですか?」
「今日っすよ」
「「えっ」」
「カノンが決めたっす。」
「ふぁ〜。そうやで。『善は急げ』って言うやろ」
分かった様な分からない説明で納得せざるを得ない男性陣は『急な呼び出し、ゴホッ、招待でマーリン達は、果たして来ることが出来るのか?』等言いたい事は、数有ったが優秀な執事のセバスなら『何とかするだろう』と思っていた。
フェンリルを家に残し、アーサスとジンスは、馬車で学園に向かった。今日は、基礎学科のテストが有るのでクラスメイト達は、朝から緊張していた。教室の前で、マーリンがタバサとエリザベスに話し掛けていたので、アーサスは招待状を持って近付いた。
「あら、アーサス様、何を持っていらしたの?」
「あゝ、ソロモンから皆に『招待状を渡して欲しい』って頼まれた」
「あらまー、ご招待頂けるなんてすてきですわ」
「有難うご座います」
「うん。有り難う」
「テスト勉強は、如何ですの?」
「勉強? 今まで習った事だろ。する必要があるのか?」
「あら、そうですわね。オホホ」
「マーリン、昨日からフェンリルを育てているんだけど… 」
「えっ、フェンリルって魔物ですわ」
「あゝ、生まれたばかりで縫いぐるみの様な大きさなんだ。名前、何が良いと思う?」
「なぜ、私?」
「マーリン、モフモフ好きだろう?」
「 …… 」
「マーリン? モフモフするの好きよね」
「うん」
「あっ、そっ、そうだ、来たらフェンリル見せるよ。とっても可愛いし、話も出来るから」
テストの始まりの知らせがあったので、タバサとエリザベスは、自分達の教室へ戻って行き、マーリンは何も言わず席に着いた。アーサスは、マーリンが『何故黙ってしまったのか』が分からなかった。
魔剣学科のテストが終わり、アーサスは、次のテストの準備をしているとマーリンが近付いて来るのに気が付いた。
「マーリン、如何したんだ?」
「アーサスは、モフモフなの?」
「えっ、お、俺は、俺だけど… はぁ〜、ごめんマーリン。此処では、話せない。今日、居館に来てくれるかい?」
「うん。行く」
「じゃ、一緒に帰ろう」
「うん。分かった。タバサも良い?」
「勿論《勿論》。ソロモンも喜ぶよ」
次のテストのが始まりの知らせで、マーリンは、急いで席に戻った。アーサスは、マーリンに魔物化が、知られてしまった事にとても驚いたが、自分で『モフモフ好きだろう?』と言ってしまった事に今更ながら気が付いた。そして、[恥ずか死ぬ]思いが込み上げた。
何故なら、アーサスの質問は言い換えれば、『アーサスが好きだろう?』と言ったも同義、つまりモフモフは魔物化したアーサスの事そして、アーサス自身なのだから。アーサスは、大きなため息を吐いてからテスト用紙を見た。
アーサス君、やちゃいました。
マーちゃん、モフモフが好きって言ったでちゅね。
アーサスも男らしく「俺は俺だから」って言ったすね。




