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アーサスの悩み

今回も会話が多く入ってます

 偶然とは言え森でアーサス(魔物化)と仲良くなり、一頻りモフモフを楽しんだマーリンは、疲労困ぱいしているアーサス(魔物化)に抱き付きついた。


「次はいつ会える?」

『満月の夜は、森に居る』

「ん、分かった」


 シャローム大陸では、一月は、30日有り、一の月からの12の月で1年とされる。アーサスが魔物化する満月は、15夜毎に現れる。


 其れから、マーリンは、月に2回、アーサス(魔物化)に会いに行き、モフりながら妖精の事や学園での話をしてた。時々は、タバサも一緒に森に行きアーサス(魔物化)にブラシをかけマーリンのモフモフ行動で絡まった毛をすいているお話はいつかの機会に。


 今日も今日とても、アーサスが、居間で本を読みながら物思いに耽っているとソロモンが、お茶と焼き菓子を持って部屋に入って来た。


「アーサス、最近、考え事が多いっすね」

「 ………えっ、何か言ったか?」

「お茶を持って来たっすよ。ほれ、焼き菓子も」

「あゝ、すまない」

「ジンスが、『剣筋が乱れてる』って心配していたっすよ」

「あゝ、…でも、何とかするから」

「マーリンちゃんと喧嘩でもしたっすか?」

「ブッ、ゴホッ、ゴホッ」

「 ……?   当たってるっ、すか?」


 アーサスは、観念してマーリンに避けられている事と満月の度に森で会っている事を話した。


 マーリンには【闇の祝福】の呪いの事は、言いたくはない。でも、魔物化している自分は、徐々に仲良くなって、この頃はマーリンが甘えて来る。その反対に学園では、話しかけても『うるさい』と冷たくあしらわれる。


「どうすれば良いか… 分からない」

「はぁ〜。何をしたっすか?」

「何もしていない! 分からないんだ!」


「 ……何時から、態度が可笑しくなったのは、何時からっすか?」

「えっ、えっと… 多分、序列トーナメントの前か… もっと前だ。 そうか、練習試合…で、か?」

「アーサスが、負けたっすか?」


 アーサスは、エリザが『マーリンは、負けず嫌いだ』と言っていたので、わざと引き分けたりしたと正直に話した。


「勝った試合は? 全力で戦ったっすか?」

「えっ、女の子だぞ。全力でなんて… しないだろう」

「馬鹿っすか」

「マーリンは弱いんだ、だから…」


 ソロモンは、アーサスが魔物化する事で自分が,人間と同じで無いと負い目を感じて、誰に対しても優しいのは分かっていた。 


 特に親の愛情を知らないで育ってきている分、愛情に飢えている。まして、父親に捨てられた事で傷ついている。自分が初めて好意を寄せた相手に対しては、尚更、『心も体も傷つけたく無い』と言う思いは強いはず。


 特にマーリンには、何も出来ないのだろう。『愛されたい』いや、今は、『嫌われたく無い』のだろうとソロモンは、推測した。


「はぁ〜、満月の夜の事もあるっす。ずっと一緒に居たいなら、全て話した方が良いっすよ」

「それは、怖いんだ」

「とにかく、仲直りっす」

「ど、どう、やって?」

「お茶会っす。招待状送るっすよ」

「夜会の方が… ブホッ、痛て、…冗談、だぁ」


 ソロモンは、先週弟子のアリサが遊びに来るという手紙を受け取った事を思い出し、マーリンとタバサをお茶と夕食に招待する事にした。早速、準備を執事のセバスに頼み、不器用なアーサスの為にソロモン流[愛のキューピット作戦]を実行する事にした。


「きっと、アリサが参加させろって煩いっすね」


 ソロモンは、紅茶を飲みながら『楽しみっす』と呟いた。その様子を盗み見したセバスは、廊下を歩きながら『久し振りに、悪戯っ子の顔をされていましね』と言って微笑んだ。

アーサス君、ガンバ

試合で手抜きは、ダメっす

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