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第91話 緊急ミッション

『緊急ミッション ガロンさん一家の誤解を解け』


 シャーロットを飛空艇に一泊させたせいで、ガロンさん一家から妙な誤解を受けたようだ。

 何とかして誤解を解け。なお誤解を解かない場合、一家からのニヤニヤが止まらないだろう。


 もしもゲームだったらきっとこんな感じなイベントが発生してるんだろうなーと考えてたら、先にシャーロットが動いたようだ。


「あ、あれはショータに用事があってだな、それで部屋に行ったのだ」

「ほほう、嬢ちゃんの方から誘ったってことか……」

「あぁ、それでショータにお願いして、(パーティーに)入れてもらおうと」

「へ、へぇ」

「若い子は積極的なのね」


 なんかガロンさんもマデリーネさんも変な誤解してない?


「お互いこういった事は初めてだったから、どちらが上になるかで揉めたが、上手いことショータが上になってくれたんだ」


 言い方ーーー! 上じゃなくてリーダーな?


「その……何回かしたのか?」

「ん? まぁ、三回ほど……」

「ほぅ」

「羨ましいわぁ」


 ジャンケン! ジャンケンだからね?! あとそこの二人感心してない!


「だが、三回とも私の勝ちだったがな。二回目など、ショータの方からお願いされた位だ」

「ショータ……」

「情けないわねぇ」


 だから言い方ーーー! 確かに泣きの一回ってことでお願いしたけどさ。


「だが、その後も凄かったな。やはりショータのが一番だな」

「四回目……だと……?」

「あらぁ」

「いや、何というか。その……うまく言えないんだが、あまりの気持ちよさに気を失ってしまったんだ」

「やるじゃねぇか」

「やったわね」


 風呂の話は俺のスキルのことになるから言いにくいのは分かるけど、なんでそんな言い方をする?


「そしたらショータは私の事を優しく抱きしめて……その……も、もういいだろう? 誤解は解けたはずだ!」

「いや! どう聞いても誤解が深まったからね?」


 誤解しか生まないシャーロットにチョップして黙らせる。彼女の抗議は無視する。ちなみにマロンちゃんはマデリーネさんが耳をふさいでいた。そこだけはグッジョブを送らせて頂きます。




 頑張った。誤解を解くため必死になって弁解した。これほど必死になったのは槍を手に入れるため、マルクさんの前で一発ギャグを披露して以来だ……割と最近だったし。

 だが俺の必死の弁解も、二人は「ウンウン、分かってる分かってる」と、どう見ても誤解してるニヤニヤ顔のまま頷くだけだった。

 ガロンさんに至っては、ニヤニヤを通り越してニタニタだった。ぶん殴っていいかな?


 一応、昨日はシャーロットとパーティーを組む事と俺がリーダーになる事を決めた後、シャーロットが居眠りをしたため、仕方なくベッドに寝かせ、俺は床で寝たって事にしたんだけど、どこまで信じていることやら……。




「で、結局部屋は別々のままでいいのか?」

「はい、今の部屋のままで結構です」

「なんなら長期宿泊にするか? 一週間で銀貨十枚になるんだが?」


 この世界でも一週間は七日らしい。一か月は四週間で、一年は十三か月。さらに最も日が短くなる日をどの月にも属さない新年の日としている。つまり28×13で364、新年の日を加えて365日がこの世界の暦だと教わった。

 ちなみに時刻に関しては、夜明け・正午・日没程度の区分でしかなく、元の世界の24時間の区分はないみたいだ。じゃあ飛空艇の時計は何だったのだろうか……。


 話が逸れたけど、一週間で銀貨十枚なら安い方か。確か向かいの宿屋だって個室は銀貨二枚だったわけだし。


「じゃあ一週間でお願いします。シャーロットもいいよな?」

「あぁ、よろしくお願いする」

「毎度あり―」


 いつものガハハ笑いをしながら大銀貨二枚を受け取るガロンさん。あれ? 別にこの宿に決める必要もなかったよな? 親子そろって誘導上手だったとは……まぁいいけどね。最大の問題だった食事もガロンさんがいれば安心だし。


 当面の宿も決まった事だし、ギルドに行って依頼を探すとしよう。

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