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第87話 捜索

五日目スタート!

「知らない天井……ではないな」


 うん、昨日部屋を確認した時、ちゃんと見てたしな。一体いつになったらあのセリフが言えるのだろうか。やはりあの天丼が悔やまれる。


 益体もないことを考えながらベッドを降り鎧戸を開ける。どうやら朝日は昇っているようだ。

 そういや目覚ましもないのに、ちゃんと起きれてるな。元の世界じゃ、もうちょっと遅めに起きてたのに。

 こっちに来てからは夜明け頃に起きられるようになったようだ。これもこの世界に来た影響なのかね。


 モソモソと着替え、顔を洗うべくバックドアをくぐる。昨日誰かさんが俺の水汲みを邪魔したせいで井戸の場所を聞き忘れたからね。飛空艇の方に向かった方が早いのだ。


「痛てっ!」


 バックドアをくぐるとき、またしても踊り場に頭をぶつけてしまう。なんかクッションでも貼り付けとくか。と思ってたらウィンドウが現れる。まさかクッション機能でもあるのか?


『MP1を消費し「機能:バックドア」の出現位置を変更(次回より反映)しますか? MP18/18』


 ふーむ、これは今現在踊り場下に出現してるバックドアを、別の場所に現れるように出来るってことか。どうせなら、好きな場所に繋がるようにしてくれればいいのにな。


『MP10を消費し「機能:バックドア(ショートカット)」を開放しますか? MP18/18』


 と思ってたら、更にウィンドウが現れたし。このタイミングで現れたってことは、この機能ならバックドアを開くときに任意の場所、つまり大浴場とか寝室に繋がるってことか。



 MP1とローコストだが一回限りの上、前の時に設定しておく必要があるのが『位置変更』。

 MP10とハイコストだが、開くときに場所を選べ、かつ回数制限なしなのが『ショートカット』。


 長い目で見れば当然ショートカットだろうけど、朝からMP10は重過ぎる。ここは『位置変更』にしておくか。中層エレベーター前の廊下の壁にでも設定しておけば、移動も楽だろうしな。


『MP1を消費し「機能:バックドア」の出現位置を変更(次回より反映)しますか? MP18/18』


 YESを押す。するといつもならウィンドウが消えるはずなのに、今回に限ってはウィンドウが残ったままだ。あ、でも文面が違うな。


『このウィンドウを出現場所のドアノブ位置に貼り付けてください』


 なるほどね。道理で指に引っ付いたままなわけだ。このまま目的地まで持って行けばいいのか。


 うっかり変なところに触らないよう注意しつつ中層エレベーター前に移動する。張る場所は……工房側の壁でいいか。高さが工房のドアノブと同じぐらいになるような場所に貼り付ける。


『この位置でよろしいですか?』


 貼り付けたウィンドウがドアの大きさまで広がる。こんな感じに扉が出来るってことか。高さもいいし、変な段差もない。ドアサイズが一定で、高くした分、下がせり上がってたんじゃ意味ないしね。

 まぁ問題が有ってもやり直せばいいかとYES。


『次回より、この場所にバックドアが繋がります』


 これで頭をぶつける心配もなくなるな。というか、なぜあの場所に設定されてたんだろうか? もっと別な場所もあっただろうに……謎だ。まぁいいか。とりあえず用を済ませよう。




 洗顔と用足しを終えた俺は、そのまま寝室へ向かう。シャーロットは起きてるかな? 彼女が中に入ったままなのは、バックドアが閉められなかったことからわかっているから、あのまま一泊したんだろう。


 一応ノックしてみたが返事がない。まだ寝てるなら起こさないとな、と寝室へ入る。何となくそーっと歩いてしまうのは、昔見たドッキリ系のTVの影響か。

 まぁ結果からいうと、ベッドはもぬけの殻だった。布団が膨らんでるから寝てるかと思いきや、中に抱き枕があるだけだったし。


 じゃあ彼女はどこに行ったんだ? ひょっとして風呂か? あり得るな。寝室を出て脱衣所に向かう。


 あぁ脱衣所と大浴場の間の暖簾も探さないとなとか考えながら脱衣所、大浴場と入っていく。

 うん、いなかった。一応確認で入ってみただけだし。

 ふと気になったんだけど、湯船のお湯も無くなってたが、このお湯とかどこに消えてるんだ? 改めて考えると謎だ……まぁ気にしてもしょうがない。なんかあったらウィンドウが出るだろ。




 ……いないな。あれから厨房や食堂も探してみたけど、シャーロットの姿は無かった。入れ違いで出てったのか? かもしれないな。念のため誰もいなくなったことを確認してから出るとするか。


 居室……いない。工房……いない。操縦室……いない。あっ、操縦席からなら船内全域を調べられるんじゃね? 試しにと操縦席に座った俺は、船視点で船内を確認する。


 おお、出来る出来る。監視カメラっぽい映像がウィンドウとして次々に現れていく。さながらSF映画ののようだ……ファンタジー世界の感想じゃねえな。


 まぁいい。今は彼女を探すことが先だ……いた! あの金髪! 間違いない、シャーロットだ!

 どこだ? どこにいる? 見たことのない部屋にいるな? なんだココ? ええいこの場所はどこだ? 普通カメラの場所位どっかに表示しとけよな。


 彼女が区画の開放できないのは確認済みだ。だったらあの場所は今までに解放した区画ではあるはずだ。だが、あんな区画見た覚えがない。どういうことだ?

 いや待て。一カ所だけあるじゃないか。開放したけど行ったことのない区画が。彼女はあの場所にいる。

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