第73話 買い物
シャーロットを引き連れ、さっき見かけた八百屋さんへ向かう。
八百屋さんではキャベツ・ニンジン・ジャガイモ・玉ねぎなど元の世界と変わらない品揃えが並んでいる。まぁ厳密にはキャベツっぽい野菜とかなんだろうがね。
名前まで一緒かと思ったら、その辺は言語理解スキルが仕事をしているのだろう。シャーロットは物珍しそうにニンニクを手に取っている。
トマトは無いのかな? 八百屋の店主に形を伝えてみたが、見たことも無いらしい。だがジャガイモがあるんだ。トマトが有ってもおかしくはないはず。
高校の授業中の雑談で、ジャガイモもトマトも原産国は同じところだったと聞いた覚えがある。トマト探しもいつかやるリストに追加だな。
とりあえず日持ちしそうな野菜を何種類かとジャガイモ多めにして、銀貨二枚分ほど買い込んでおく。八百屋の店主も、おまけしてくれたようで結構な量になった。あとで飛空艇の冷蔵庫に入れておこう。
肉と野菜は調達できた。後は調味料が欲しいところだ。塩はあるけど、香辛料や砂糖などが欲しいところだ。モチロン醤油もね。
八百屋の店主に、調味料を扱っている店を聞いてみる。四軒隣に雑貨屋があり、そこで扱ってるそうだ。言われた店に行ってみるが、ここってネコミミ店主の雑貨屋じゃねぇか。アイツの店は何でもあるんだな。
「いらっしゃいませにゃ~。にゃんだ、お兄さんか。挨拶して損したにゃ」
「随分な挨拶だな。その耳と尻尾を引き抜いてやろうか?」
「相変わらず物騒な奴だにゃ~。で今日は何の用かにゃ~?」
「あぁそうだった。この店では調味料も扱ってると聞いたんだが、さっさと出しやがれ」
「わかったにゃ~。こっちにあるにゃ~」
案内された棚には黒胡椒に砂糖、塩、お酢(ワインビネガーのようだ)、食用油(なんの油だろう?)、ハーブが何種類か。やはり醤油は無いようだ。残金が銀貨一枚だけなので黒胡椒、砂糖、食用油を購入しておく。胡椒や砂糖は高いイメージがあったが、それほどでもないようだ。産地が近いのかな?
例によって「面倒だから銀貨一枚でいいにゃ」だそうだ。実際の金額が気になる……とうとう残金0になったし。まぁおっちゃんからの塩代が入るだろうから、いいといえばいいけど。
シャーロットは店内をフラフラしている。俺も店内を見て回るとしよう。ヤツのさっさと帰れ面はこの際無視しておく。
流石雑貨屋と看板を掲げてるだけあって、店内は様々なものがある。日用品などは、手拭い用の布切れやら木製のコップにタワシなど、ちょっとした百均ショップのようだ。
ただ百均ショップと決定的に違っているのは、冒険者用の小物まで揃えてることだろう。俺が買ったマントやロープの他に携帯食まで扱っていた。
まぁ中には使い方がさっぱりわからないのもあるけどね。これなんてタダの指揮棒にしか見えないし。
「それは種火の魔道具だな」
「種火って便利魔法の?」
「ああ、便利魔法といっても全員が全て習得しているわけでもないからな。中には覚えない、あるいは覚えられない人もいる。そういった人向けの魔道具だな」
「じゃあ他の便利魔法の魔道具とかもあるの?」
「あぁ、これは飲み水の魔道具だな」どうみてもただの木のコップです。
「これは治癒の魔道具」どう見てもただの絆創膏です。
「明かりの魔道具」どう見てもランタンです。
「洗浄」タワシです。日用品かと思ってたら、なんか魔道具だったとです。タワシです……タワシです……タワシです……。




