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第55話 ベッドシーン

※タイトル詐欺注意報発令中

 俺というやつは一日中ナニを丸出しにして歩いてたようだ。そりゃあ隈取がなくても目を逸らされるのも当然だ。

 逆によく捕まらなかったな。門番もスルーしてたぞ。ひょっとしてナニの丸出しも、こっちじゃ常識だというのか? だが他の人は普通だったしなぁ。どういうことだ?


「何か勘違いしてるようだな? 私は皮鎧を見せてみろと言ってるんだ」

「は? 皮鎧?」

「そうだ。その鎧は地竜の皮鎧だろう? 地竜の皮というのは強固で魔法にも強いが、デリケートでな。毎日の手入れが欠かせないのだ。今日はしてないのではないか?」


 なんだそういうことか。そうならそうと早くいってくれよ。無駄に焦っただろうが。まぁ歯磨きはしておこうと思ってたから、それ自体は無駄じゃなかったけど。


 でもこの皮鎧って、そんなにデリケートだったのか。売ってくれた女性鍛冶師のフランさんには、そこまで言われなかったけど、毎日の手入れは当然ってことだからか。

 あとサラッと聞き流したけど、この皮鎧って強固だけじゃなく魔法にも強いって、絶対初心者向けの鎧じゃないよね? フランさんにとって未知の金属だったとはいえ、奮発しすぎじゃなかろうか。あとでお礼を言いに行こう。


 ちなみに昨日の手入れは、情報屋の兄ちゃんの話を聞き流しながらしてた。ヤツが喋りながら鎧の手入れを始めたんで、俺もと思ってやってた。正直皮鎧の手入れなんて初めてだったから、誰かがやってるのを真似てやるしかなかったし。

 そういや途中で寝てしまってたけど、手入れは何故か終わってたな。たぶん妖精さんが、ここでも活躍してくれたんだろう。


「そういえば今日はしてないな」

「だろう? 折角の地竜の皮鎧を、そんなことでダメにすることもなかろう」

「確かに手入れをし忘れてダメにしたんじゃ勿体ないよな。でも手入れなんて昨日が初めての上、途中までしかやってないからなぁ」

「そうか? その割にはきちんと手入れしてあるようだが?」

「たぶん妖精さんがやってくれたんじゃないかな。童話じゃ革靴作ってたし」

「妖精さんが手伝ってくれるのは滅多にないんだが、キミは妖精さんに好かれてるようだな」

「かもな。でも自分でもちゃんとしないと、妖精さんを当てにしてたら怒られそうだ」

「怒られるだけで済めばいいがな」


 そういって彼女は笑った。もしかして彼女は妖精さんに怒られたことがあるのだろうか? ひょっとしたらそれ以上のことも。


「とにかく皮鎧の手入れはしておけ。手順は私が教えてやる」

「ハイハイ教官殿」

「ハイは一回だ」

「イエッサー!」

「私は女だ!」

「イエスマム!」


 イエッサー(Yes,Sir)は通じるのか。言語理解が仕事してくれたのかな。超特急は通じなかったけど。基準がよくわからん。


 シャーロットの指導を受けながら皮鎧の手入れをする。俺は床に座りベッドを背もたれにして作業する。彼女はベッドに寝ころんだまま、時折俺の背中越しに手を伸ばし、手入れの甘いところを指摘してくれる。

 たまに下の方に手入れの甘いところがあると、俺の肩に手をかけ乗り出す様に手を伸ばす。その際ムニョっと押し付けられる褐色スライムさんがたまらない。ついつい手入れの甘いところを出してしまうのも仕方ないだろう。怪しまれない程度にしないとな。


 彼女も見てるだけじゃ暇なのか、色々と話しかけてくる。元の世界の事とか、こっちの世界の常識とか。正直無言で作業してるとムラムラしそうなので、俺も素直に答えている。

 元の世界の話題で彼女が関心を示したのは、魔法がないことではなく、食に関することだった。この世界じゃ、美味しい食事は二の次みたいな風潮があるのだろうか?コッコゥの皮とか勿体ないよな。


 あと彼女が自白してくれたのが、今日の夕食後彼女が寝てしまってからの事。あれは彼女なりに俺のことを見極めてたらしかった。

 もしあれで彼女を襲うような様子を見せたら、即叩きのめして帰るところだったそうだ。ビール一杯でベロベロになってたのは演技だったらしい。

 

 つか誘ったとはいえ、人のうちに上がり込んで誘うようなスキを見せといて、ホイホイ乗っかってきたら叩きのめすって、それってどこの峰不〇子よ?

 まぁ合格したようだからいいけどさ。褐色スライムさんは、彼女なりのご褒美のつもりだろうか。なお、お姫様抱っこは好評だったようだ。でもタワ〇ブリッジもどきは「あり得ない」とのことだ。緊急時にはいいと思うんだけどな、なんとかキャリー。


 喋りながらも手入れは進んでいく。時々褐色スライムさんを堪能しながらだ。どうにか及第点をもらえた時には、色気よりも眠気の方が勝っていた。

 手入れを終えた皮鎧をマジックバッグに入れ、ベッドにもぐりこむ。ちょっとだけ彼女の寝ている位置がこっちよりなのは気のせいじゃないと思う。


「お休み……」

「ああ、お休み」


 こうして異世界生活三日目が終了した。

はい、ベッド(サイドで皮鎧をショータがいじる)シーンでした。

そして、ようやっと三日目が終了しました。

30話 朝チュン、からだから25話分か。

ダラダラで申し訳ありませんが、よろしくお付き合いください。

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