表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/1407

第54話 磨く

前話で、次回「ベッドシーン」だと予告したな。あれは嘘だ。

すみません、そこまでたどり着けませんでした。

 (見た目は)若い男女が揃ってベッドで寝ている。更に女の方からは「しないのか?」とささやかれる。ここまで来たら選択肢は一つしかないだろう。

 いやちょっと待て、即断してはいけない。この世界では男女が一緒のベッドで寝るのも普通なんだ。俺の知らない作法があっても、おかしくはない。でもヤル以外に何があるというのだろうか?


 うーん、思いつかないな。それとも何か、やらなければいけない事があって、彼女はそれを指摘しているのか? そうなると逆に心当たりがあり過ぎる。

 折角MPが残ってるんだから区画や機能の開放をした方がいいだろうし、もしくは町に近いところで召喚しているから、他の人間や害獣に見つかる前に移動するべきとか? あ、ひょっとして歯を磨き忘れたのを教えてくれてるのかも。

 うん、そうかもしれないな。だってヤルからにはキスの一つもするだろう。その時口臭が気になってヤル気が失せることがあったら、死んでも死にきれない。よし、急いで歯を磨いてこよう。


「よし、じゃあちょっと磨いてくる」

「ああ、そうした方がいい」


 どうやら歯磨きで合ってたようだ。ベッドから降り、靴に履き替える。クソッ、ヒモ靴だから履くのに手間取る。気ばかり焦ってうまく履けない。なぜ俺はあの雑貨屋でサンダル買っておかなかったのか。

 ええい、まどろっこしい。靴を履くのを諦めて裸足でいこう。さいわい隣にもトイレはある。第一、俺は自宅じゃ裸足で過ごすタイプだ。

 裸足で廊下に出る。そしてすぐ隣にあるトイレ(MP1)を開放し駆け込んだ。が、


「なぜ、このフロアのトイレには洗面所が付いていないんだ!!!」


 割と広めのスペースに便座が一つあるだけだった。畜生!! こうしてる間にも彼女の気が変わってしまうかもしれないのに!!

 だが、歯を磨くことは必須項目だ。ここがダメなんだから下の階の洗面所に行こう。洗面所なら初日に開放して、歯磨きセットがあることは確認済みだ。急いで中層の洗面所へ向かう。階段は手摺を滑り降りた。


「よし、あった」


 急いで、だが丁寧に歯を磨く。ついでにベロを磨く舌ブラシがあったので、ベロも磨いておく。焦りはするが、マナーはマナーだと丁寧に磨く。無ければしなかったのに。さらに舌ブラシと一緒に見つけてしまったので、マウスウォッシュもしっかりする。これで完璧だな。


 急いで寝室に戻る。階段は三段抜かしだ。小学校以来だ。あの時は最後の段を踏み外して転げ落ちたっけか。

 だが、成人した今なら問題ない。むしろ四段抜かしでもイケる! ダンダンダン!と駆け上がり、急いで寝室に飛び込む。シャーロットは……よかった起きている。


「すまん、待たせたな」

「いや、そんなには待っていないぞ。むしろ早かったぐらいだ」

「ああ、超特急で磨いてきた」

「ちょうとっきゅう? 相変わらずショータの言葉はよくわからんな。まぁいい、見せてみろ」

「え? 見るの? 恥ずかしいんだけど……」

「いいから見せてみろ」


 マジで? こっちじゃキチンと歯磨きしたか、確認までするのか。まぁキスするのに口が臭いままなら彼女もイヤだろうし、郷に入っては郷に従えだ。


「じゃあ、あーーん」


 ん? 反応がないな。どうしたんだろう? まさかこのままチューされるのか? だがしばらく待っても彼女が近づく様子はない。焦れた俺は彼女に聞いてみる。


「どうしたんだ?」

「どうしたんだは、こっちの台詞なんだが……」


 え? 違うの? 歯磨きの成果を見たかったんじゃないのか。となると何を見せろというのだろうか……まさかナニ? ナニを見たいの?


「さすがにアレをじろじろ見られる趣味はないんだけど……」

「はぁ? 今日はずっと見せてただろうに。何を言ってるんだ?」


 はいぃ? 俺ってば一日中ナニを丸出しで歩いてたの? 知ってたんなら教えてくれよ。

次回こそは「ベッド(でXXする)シーン」にいけるといいなぁ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ