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第49話 皮焼き

「そんなに食べたいのか……じゃあ試しに焼いてみるか?」

「あぁ、皮を剥いだら、こっちに寄こしてくれ。フライパンで焼いてみる」


 シャーロットには皮を剥いだ身をグリルで焼いてもらう。焼き鳥屋にあるようなグリルまであった。ただ熱源が謎だ。ツマミを捻ったら火がついたけど、ガスでもないし、もちろん炭火でもない。


「これは魔道具のグリルに似ているが、魔石を入れるところがないな。どうなってるんだ?」

「まぁ単純に考えれば、この船のエネルギーで火がついてるんだろうけど、火が付いたんだからいいじゃん。そもそも水が出るのすら謎仕様なんだし、こまけぇことはいいんだよ」

「そういう問題じゃないんだが……」


 ところで魔道具ってなんだ? どっかで聞いた覚えもあるんだけど……どこだっけ?

 まぁいいや。それよりも皮焼きだ。下拵えとかどうすんだ? 適当に焼いてみるか。


 強火でフライパンを温めて、適当なサイズに切った皮を焼き始める。油は……皮から出るだろうから、ひかない。

 案の定脂が出てきた。結構出るんだな。焼くというか揚げてるようだ。

 いい感じに焦げ目がついてきたところでひっくり返す。おお、なんかカリカリになってきた。


 香ばしい香りが漂う。これは期待できそうだ。シャーロットもチラチラとこっちを見ている。

 見るのはいいが、そっちの焦げてないか? 指で教えてやると慌ててひっくり返してた。

 ボチボチいいかな? 試しに一切れ食べてみる。美味いけど塩が欲しい。

 もう一切れ塩をかけて再試食。うん美味い。こんなに美味しいのに、食べようとしないなんて、もったいないよな。


 念のためよく火を通してから皿にあけ、塩を振る。


「コッコゥのカリカリ揚げとでも名付けるか」

「こっちも焼けたぞ。早速食べよう」


 シャーロットの方も完成したようだ。と言っても串をうって焼くだけだからな。それほど変わらないだろう。

 パンも彼女が持ってた分を提供してもらった。「持ちつ持たれつだ」と言ってたのでありがたく頂く。


「厨房で食べるのもおかしいから、食堂を開放するよ」


『MP2を消費し「区画:食堂」を開放しますか? MP11/18』YES


 とうとうMPが半分になったか。寝室の開放にMP3が必要になるから、そろそろ考えて解放しないと、またMP切れになるな。


 食堂の中は広かった。デカいテーブルには白いクロスがかけられ、イスは6脚。ミニキッチンと更にバーカウンターまである。

 ミニキッチンというか、ライブキッチンだな。鉄板が敷かれてるから、鉄板焼きができそうだ。ステーキとかはこっちで焼く方がいいかもな。


 ん? バーカウンターにあるアレはひょっとして……


『MP1を消費し「機能:ビールサーバー」を開放しますか? MP9/18』


 マジか?!

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