第44話 入浴
もちろん続きますよ。
「ふぃぃ~~~」
俺は今、久しぶりの風呂を満喫している。広い風呂、満天の星空。最高の気分だ。
『パイタッチすれば正気に戻んじゃね? 作戦』は成功裏に終わった。
まぁ正気に戻ろうが戻るまいが、パイタッチが出来ればいい作戦なんだから、どっちに転んでも成功なわけだが。
あの作戦で正気に戻ったシャーロットは、「きゃー!」と叫びながら、俺を平手で殴った。はいそこ、前話を見に行かない。
決してそのショックで元気〇が消えた後、「死ねぇぇぇ!!!」と叫びながら回し蹴りされたわけではない。無いったらない。
あの時見た光も、殴られた俺の目から出た光だろう。
間違っても彼女の金髪が発した光ではない。本当だよ?
なお、彼女は平手で気絶した俺を、脱衣所のマッサージチェアに座らせた後、張本人が風呂を堪能することもなかった。ああなかったとも。
気が付いた俺が見た彼女が、妙にホコホコしてたのも気のせいだろう。きっと介抱疲れだろう。彼女が言うんだから間違いない。
気が付いた俺はもちろん謝った。
正気に戻すためとはいえ、あの作戦はナシだろうからな。
ああDO・GE・ZAしたとも。
決してバスタオルに包まれた太ももの先を見ようとしたわけではない。
ちらっと見上げたら、はいてたしな。
前にも言ったが、俺は下着には興味はない。
あるのはその中身のほうだし。
彼女も俺の誠心誠意のお詫びに心を打たれたのか、最後には許してくれた。
「首が……」と呟いてたのは何のことだろう?
その後、彼女に許してもらえた俺は、そのまま風呂に入ることになった。
しきりに俺の脱いだ服を洗おうとしてたのはなぜだろう?
まぁ何故か満タンになってたMPで、洗濯機(MP2)を開放したので、洗濯機の中に放り込むだけだったが。
ついでにドライヤー(MP1)とマッサージチェアー(MP2)も開放して使い方を教える。
長い髪がまだ濡れてるようだったからな。
俺が風呂に入ってる間暇だろうし。
そして今に至るわけだ。
勿論湯船に入る前に全身を洗い、かけ湯を済ませてからだ。
あんな非常識なことはしない。
しかし風呂はいい。これこそ人類が作り出した最高傑作と言ってもいいだろう。
反論は認めない。(キッパリ)
加えてこんな広い風呂を独り占めだ。
アパートに住んでた時も実家の時も狭い風呂だったからなぁ。
彼女じゃなくても泳ぎたくなるな。
ライオンも盛大にお湯を吐いている。
ライオンだよな? 近付いて確認する。
お湯が熱い。
うん、ライオンだ。
なんか頭に変なの乗ってるけど。
三方だっけ? そんな形の台の上に丸い石が月見団子よろしく積んである。
といっても下段三個、上段一個の計四個だけどね。
なんだろ? 飾り? よくわからん。気になるから、後でシャーロットに『鑑定』してもらうか。
そういやこのお湯、彼女が浸かったあとのお湯なんだよな。
まぁ、何もしないけどね。
さっきも言ったが俺は中身派なんだ。
風呂をいつもより長く堪能した後、サウナにも入る。
せっかく開放したんだしな。
サウナの中は普通だった。
岩盤浴は期待してたけど、スペースの都合か、なかった。
ちょっと残念。
勿論のぼせることもない。
彼女が入ってれば、介抱イベントがあったのかもな。
サウナから出たらまた風呂に入る。
そういえば大小二つ浴槽があるけど、何の意味があるのだろう?
てっきりサウナの後の水風呂かと思ってたけど、普通のお湯だし。
『MP1を消費し「機能:ジェットバス」を開放しますか? MP13/18』
おお、出たよジェットバス。
MPにも余裕がある。
ここはYESだ!
『「浴室機能」が完全開放されたことにより、「スキル:飛空艇召喚」がレベルアップしました』
『「スキル:飛空艇召喚」がLV3となったことで「機能:バックドア」が開放されました』
おおう、スキルアップしたよ。
今度の条件は区画じゃなくて機能の完全開放か。
でもスキルアップは嬉しいけど、浴室機能が完全開放ってことは温泉化は無いってことか。残念。
本人は全力で真実から目を逸らしてましたが、一回三途の川を見るところまで逝ってました。
17/06/23
満点→満天
20/07/27
ジャ〇ジー → ジェットバス
直したと思ったら抜けがありました。ついでに書式も修正してみたけど、違和感バリバリだな。




