第37話 森の食材
購入した着替えをリュックにしまう。勿論串焼きバーガーは、潰さないようにだ。小学校の遠足で、潰れたおにぎりを食べた経験を持つ俺に死角はない。
まだ夕暮れには早いな。北門を抜け、森に入る。人目の付くところで飛空艇を召喚するのは不味い。森の中なら、そうそう目立つことはないだろう。
あれ? 召喚するとき、障害物があるとどうなるんだ? 押しのける? 取り込む? まぁやってみればわかるか。
「飛空艇召喚!!」
答えは『そもそも呼び出せない』でした。当たった人には飛空艇ポイントを進呈。ためても何もないけどな。まぁせっかく森まで来たんだ。食料になりそうなのを探してみるか。
とはいえ知識もない俺に判断なんか付けられない。見つかったのは、キノコ(赤)、キノコ(まだら)、木の芽(フキノトウっぽい)、木の実(イガに包まれてたから栗かも?)、リンゴ(まんま)、ブタ(中型犬ぐらい)。
ブタ? なんかキノコ食ってる。真っ赤で毒々しい感じの。あのキノコ食えるのかな?でもブタの目付きがやばい。なんか焦点が合ってない。あれは食べたらヤバいキノコのようだ。
とりあえず隙だらけなので、串刺しの刑にした。でもこのブタどうしよう。毒キノコ食ってたブタだろ? 内臓以外なら食えるのかな? 血抜きを済ませ背負う。食べてたキノコもついでに採っておく。ギルドなら、このブタとキノコも買い取ってもらえるかな。ついでにリンゴや栗も食えるかの判断を仰ごう。
うすうす考えてたが、せっかく飛空艇で生活できる設備があっても、俺が採取や獲物の解体ができないと結局町から離れられない。
かといって毎日食材背負って町の外まで出て野宿し、また戻ってくる。絶対不審がられるな。俺なら間違いなく通報する。
でも解体かぁ。厨房の機能になかったかしら? マグロの解体ができそうな調理台があったんだから、解体そのものはできるだろう。
でもやるのが俺じゃなぁ。魚の三枚おろしすらまともにできないんだぜ? どう考えても無謀だろ。誰かに教わるか。串焼き屋のおっちゃんに教えてもらうか。まぁそのうちだな。
結局墓標のあるあたりまで来てしまった。犯人は現場に戻るってやつかな。違うか。あ、死体遺棄事件発生してたわ。犯人は俺。あってたわ。
「今度こそ、飛空艇召喚!!」
現れる魔法陣。相変わらず眩しいし長い。光量落とせないのか? 毎回目つぶしされたんじゃかなわん。
『現在「機能:召喚演出」はONになっています。OFFに変更しますか?』
おおう、なんかでた。あれか? この輝きは必殺技カットインみたいなものなのか? OFFにしたらどうなるんだ?してみた。
『「機能:召喚演出」はOFFになっています。次回召喚時からシンプルモードで召喚されます』
カッコいいからONにしときたいんだけど、目立つからなぁ。眩しいし。
「な・・・なんだこれは!?」
誰かに見られることもあるしな。
今話で投稿一か月が経ちました。全く話が進んでませんが、気長にお付き合いください。