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第35話 雑貨屋にて

 串焼きサンド改め串焼きバーガーを食べ終えたけど、次はどうしようか。そうだ着替えがいるんだった。

 ちなみに今着てるのは、周りの人も着てるような普通の服だ。いわゆる『布の服』だな。でも素材は何だろう?木綿のような、麻のような。結構着心地はいい。


 服か…どこで売ってるんだ?こっちにはユ〇クロやし〇むらなんてないだろうし。通りすがりのオバチャンに聞いてみた。なるほど、新品は裕福な人が買い、庶民は古着を買って繕ったり、仕立て直したりするそうだ。

 なおここまで聞き出すのに30分以上かかった。あっちの店は品揃えが悪いだの、そっちの店は店員の愛想が悪いだのまではよかったんだが、オバチャンの旦那さんがどうのとか、話が飛びすぎだ。


 どうにか話を切り上げ、おススメの店に向かう。何のことはない、昨日のロープやマントを買った雑貨屋さんだった。

 確かに奥の方に服が置いてあったな。マント買ったときに気付けよ、俺。あれ?でも何か別のことに気を取られてたような。ま、いっか。


 さて雑貨屋に入ったのはいいけど、マズいヤツがいる。シャーロットだ。ヤツはこちらに気が付かず、ひたすら棚の品物を眺めている。

 どうすっか。回れ右して、別の店に行くのは難しい。結局オバチャンから聞き出せた店はここだけだしな。マントについてるフード被れば気が付かれないかな。おい店員、こっち見んな!


(俺は空気、俺は空気、俺は空気……)


 む、まだ見てる。もっとだ、もっと存在感を消すんだ。


(色即是空空即是色、色即是空空即是色……)


 よし、明後日の方を見始めた。いける!と思ったら、シャーロットの方がこっちを見た。ちぃぃ!


「急に隠密を使いだした奴がいたから、誰かと思ったらキミか」


 隠密?おお、確かにスキルが生えてる。あんなんでもスキルになるとか、異世界すげぇな。


「ょう、今朝ぶり」

「今朝?やはり朝会ったのはキミか!」


 しまったぁぁぁ!しらばっくれてたんだったぁぁぁ!


「ぁあ、勘違いだった。シャーロットと会ったのは昨日の晩が最後だった」

「なぜキミが私の名を?」


 ヤベェぇぇぇ!ギルドで覗き見してたのまでバレるぅぅぅ!


「ぃや、ギルドで話してたじゃないか。その時聞いたのさ。美人の名前は必ず聞く主義なんでね」

「び、美人なんて…ありがとうございまひゅ」


 よっしゃぁぁぁ!ごまかせたぁぁぁ!このままキザ男モードで押しきろう。前髪でも掻き上げてみるか。


「それよりシャーロットこそ、なぜここに?」

(偽名とはいえ呼び捨てもいいな)「ああ、あの石鹸がとてもいいものだったのでな。私も欲しくて探し回っていたんだ」


 ほーあんなんで良ければ、飛空艇からもっと持ってくるか。シャンプーとか渡したら、どんな反応するのか楽しみかも。


「あれは少々変わったところから、手に入れたものでしてね。まだ在庫があったかどうか…しかし貴女の為ならばきっと手に入れて見せましょう!」キラーン←心の効果音


 自分でも何言ってるのかわからなくなってきたし。でもこうかはばつぐんだ!多分きっと。なんとなく顔も赤くなってるし。


「そ、そ、そ、そうか。ではよろしく頼む。ではこれで、し、失礼する」


 そういって脱兎のごとくシャーロットは去っていった。店員が微妙な顔でこっちを見てる。こっち見んな!


今更ですが「」は通常の会話文、()は聞こえないレベルの呟き

地の文は心の声ってことでお願いします。

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