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第25話 コッコゥ

 武器屋を後にした俺は大通りを歩く。時刻は太陽があの辺だから、お昼位か。メシはどうするか。さっき串焼き6本食べたしなぁ。あ、パンが売ってる。これでいいか。

 大銅貨1枚でパンを2つ買う。荷物が増えてきたな。残金が心許ないが、雑貨屋でリュックとマントと水筒とロープを買う。全部で銀貨1枚だった。これで残金は銀貨1枚のみ。いよいよヤバい。

 マントは、すれ違う冒険者風の人達がつけていたから、俺もってだけだ。武器に防具にマント。これで見た目だけなら立派な冒険者だ。


 北門から草原へ出る。出るときに井戸があったので門番の人に断りを入れ、水筒に水を入れる。つるべ式だな。ポンプは高くて、この井戸には設置してないらしい。

 しばらく歩きながら、きょろきょろとあたりを見回す。

 いた。真っ赤なトサカに黒い羽根。飛ぶことを諦めた代わりに発達した足。まぁニワトリだな。デカいけど。こっちではコッコゥというらしい。

 ニワトリなら飼育できんじゃね?と思ったけど、コッコゥは狂暴すぎて挫折した歴史があるそうだ。仕方なく常設依頼にして、冒険者が狩る今の状態になったそうだ。なおコイツ1羽で大銅貨1枚。安い。ただし肉の買取で大銅貨4枚位プラスされる。


 どうやら、こっちには気が付いていない。呑気に地面をつついて餌を探してる。

 どうすっか。いざ対峙してみるとちょっと気後れする。俺に命が奪えるのか?呼吸が乱れる。深呼吸する。

 これはニワトリ。これはニワトリ。ニワトリなら小学生の時に絞めたとこがある。体験学習だっていって授業でな。トラウマになった奴らが多数出て、翌年から廃止されたけど。

 

 とりあえず、石を拾い明後日の方に投げる。ガサッと音が鳴り、コッコゥもそっちを向く。

 今だ!槍を構え突進する。が、躓く。思わず手をつく。しまった!と思い伏せて身を守る。

 コッコゥは襲ってこない。気が付かれなかったのだろうか?恐る恐る顔を上げる。

 

 何のことはない。躓いたときに投げた槍が偶然コッコゥに刺さっていたのだ。ラッキー?初戦から締まらないなぁと感じながらも、コッコゥにトドメを刺す。そんな目で見るなよ。俺もこんな形で勝ちたくなかったよ。


 血の匂いに気持ち悪くなる。でも血抜きはしておいた方が、買取が高くなります、と受付嬢に忠告されている。ファンタジーなんだからパッと戦利品になれよ。


 血抜きが終わり次の獲物を探す。今度はちゃんと勝つ。そう意気込み、草原を歩く。うーん見つからない。ワラワラ来られても困るが、全く見つからないのも困りものだ。とその時、ガサッと音がする。

 振り向くとコッコゥと目が合う。俺もビックリだが向こうもビックリしている。思わず声を上げなかった自分を褒めてあげたい。

 我に返ったのは、向こう側だった。奇声を上げ俺に突進してきた。ヤバい、盾を・・


「ぐえぇぇ」


 盾は背負ったままだったので、間に合わず直撃を受けてしまう。だが地竜の皮鎧は、その嘴を通さなかった。おお、傷すらついてない。そのまま左手でコッコゥを抱え、槍を短く持ち喉に突き刺す。勝った。第1部完!


 なんてことはなく、そのまま血抜きしてる間、岩の上に座り込み、水筒の水を飲み干す。さっきのはヤバかった。たまたま鎧のある所にきたからよかったけど、喉元とかに来られたら、致命傷だっただろう。

 盾を取り出し、左手に装備する。さっきのもちゃんと盾を装備していれば防げてたスピードだった。その代わり地竜の皮鎧の強度は確認できた。あの二人には感謝だな。


 反省を兼ねてしばらく素振りをする。しばらく振るってみるがスキルが生える様子はない。チート無双系なら即達人級になるんだろうが、仕方ない。ただ努力すればスキルは生えるし、上達もする。それは白い空間で確認済みだ。こっちの人たちには、努力してもスキルが生えない人もいるから、これもある意味チートなのかな。


 さて、反省はこんなもんかな。次のコッコゥを探すとしよう。

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