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第21話 527さ・・・いえ17歳です

 俺が受付嬢から説明を受けていると、勢いよく扉が開かれる。あ、あのローブ、両替してくれた人だ。よっぽど慌てていたのだろう。深くかぶってたフードがはだけている。

 褐色の肌に金髪が映えてて、なかなかの美人さんだ。あ、耳が尖ってる。エルフか?エルフなのか?褐色肌だからダークエルフか?思わずガン見してしまったが、向こうは気が付かなかったようだ。


 そして彼女は扉を開けた勢いのまま受付に突進してくる。その勢いに押されて、思わず場所を譲ってしまう。まぁ聞きたいことは聞けたし、半分は雑談だったから問題はない。むしろ美人に迫られるなんて人生初の体験だ。まぁ迫られたのは俺じゃなくて受付嬢だけどね。


「こ、こちらで冒険者登録ができるときゅい、聞いたのだが?」


 おいおい、勢い良すぎて噛み噛みだし、ちょっと深呼吸した方がいいんじゃね?受付嬢も深呼吸するように言ってる。あ、今度は息吸いすぎてむせてるし、慌てすぎだろ。


 しばらくむせていたが、やっと落ち着いたようだ。俺の時と同じように書類を渡されている。その場でサラサラと書き始める。シャルロッテ=ウル=アスタロト 527歳と書いだけど、その場で破り捨てた。

 そして何事もなかったかのように書類を要求した。受付嬢も何事もなかったかのように書類を渡す。今度はシャーロット 17歳 LV12 剣士と記入しているのを横から眺めている俺。

 おっと、受付嬢がこっちを睨んでる。いかん、他人の個人情報盗み見てるじゃん。慌ててその場から離れる。幸い睨まれただけで罰せられることはなかった。こっちでも個人情報は保護されてるようだ。


 離れたところで見ていると、例の玉に手を置いていた。そして、すっげぇ嬉しそうな笑顔でギルド証を受け取っていた。よっぽどうれしかったのだろう、俺にまでギルド証を見せびらかしてきた。あぁ、見えてるよ。俺も同じの持ってるよ。俺も見せるべきなのだろうか?見せてみた。「私の方が新しいぞ」と返された。5分も変わらねぇよ。


 この様子からすると、大通りを走っていたのは冒険者になるためだったのだろう。でもたどり着いたのは俺よりもずっと後。あ、ひょっとして・・・いや、気が付かなかったことにしよう。きっとレストランに駆け込んでいたのだろう。ううん、知らないけどきっとそう。


 あ、両替のお礼をしないと。下手をすれば、とっ捕まって牢屋行きだったかもしれないし。


「あの、両替ありがとうございました」

「ん?おお、城門であった少年か。いや、あの時も言ったが私も急いでたのでな。礼は必要ない」


 少年って。そりゃ527歳に比べれば赤ん坊かもしれないけどさ。一応17歳って申告したんだから、取り繕うよ。おっと、俺は何も見なかったんだった。


 その後、二人そろって依頼の掲示板を眺めた後、お互い頑張りましょうといって別れた。いや、あんな美人とパーティー組んで依頼に行くって無理よ。あれだ、ただしイケメンに限るってやつだよ。つまりそういうことだ。

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